映画「ザ・ウォーカー」をPrime Videoで見ました。移動する映画。
映画「ザ・ウォーカー」を見ました。主人公のイーライが西に歩き続ける。それだけの映画です(途中から、ソラーラという少女がついてきます)。主人公のイーライはめちゃくちゃ強いけど、ただ強いだけなんですかね? 強さの理由として、神様の加護を受けているとかではないんですかね。明らかに腹を撃たれても、生きていましたが。アクションはすごく面白い、のだけれどイーライが無敵なのか、それとも死ぬ存在なのかがいまいちわからないので、緊張感持ってみるというよりは、イーライの圧倒的な力でどれだけ爽快に人を倒していくのかを見るという感じです。
物語は西に向かって歩き続け、本を運ぶイーライ(西に何があるか、イーライ自身もわからないようだ)が、道中で出会う人とのやりとりを描いている。やりとりって言ってもほとんど戦いですが。運ぶ本は聖書で、聖書の文言によって人々を支配しようと考えているビリーに追われる。本がマクガフィンになっており、それを持つもの、それを奪うものという対立構造を作っている。イーライが他の物語の主人公と違うのは、とにかく西に行くこと以外興味がないこと。力も強いし、性格は穏やかである。自ら戦うことはないが、襲ってくる相手は容赦なく倒す。優しい心も持っているが、西に進むことの障害があるなら、襲われている人を見ても救わない。個人的な怒りや憎しみで動いているのでなく、神の導きのみを信じて動いている。あまり、物語の主人公でこういう人はいないんじゃないかな。だいたいどこかの地点で、感情に走ってしまい、人を救ったりしますよね。
「聖書」が、というか本が人を支配する力になるというのはいいアイデアですね。そのアイディアを活かす舞台設定もいいです(アイディアと舞台設定はセットですね)。本好きな、私としては本の力の強さが描かれているのは、好感が持てます。説明はほとんどないですが、紫外線が強くて昼間はサングラスなしでは生きていけないみたい。昔に何かがあって、戦争が起こり、ほとんど廃墟ばかりになった世界が舞台です。水の支配権をもつビリーのような男が権力を持ちます。イーライが向かっている先は、文明が失くしたものを復興させるところ、と最後にわかります。聖書はイーライが持つひとつしかなかったのですが、印刷物として復活させたかったのですね。このアイディアも素晴らしいと思う。
この物語で展開的に珍しいところがまだあります。物語終盤で、イーライはビリーに聖書を奪われます。しかし、取り戻しにいかないで西に向かうんですよね(全部、記憶しているから聖書自体を持ってかなくていいのかな、と私は思いましたし、事実そうでした)。聖書は点字で、ビリーには扱えないものとわかります。とはいえ、物語を盛り上げるために、だいたいの展開として取り戻しにいきそうなものですが、と思ってしまいました。敵の幹部ぽい人との、派手な戦いとかあっても良かったんじゃないかな、なんて思いました。最後銃撃戦で、地味なんですよね。剣も強いので、剣で幹部と戦いをみたかった(編集次第ではできたと思います。最後の銃撃戦は1:20:00頃から起こり、物語の終盤としては早い)。ちなみに、幹部はビリーの街への帰還中、捕まえていたソラーラにあっさりやられます。イーライの剣で。イーライの思いは、彼女に受け継がれたとことが伝わります。ソラーラは、イーライの口述での聖書の書き写しが終わった後、文明が失くしたものを復興させるところから出ます。印刷された聖書を持っていれば、それを伝えに行くとわかるのですが。ソラーラも全部記憶していのかもしれませんね(そういう描写はないけど)。ソラーラの旅の目的も見せてから、終わってほしかった。ソラーラが旅をこれから始まるところで、物語は終わります。
映像だと、この映画に限ったことではないですが、6:50秒頃、イーライの胸より上を映していたカットから、その目線の先の手のカットに移行しても(撮っている場所自体は腰から上のカットをとっていた場所と)、連続した画として見られますね。1:14:00頃、部屋のカットに変わるのですが、部屋全体を見せるのでなく、直線のセリフ「お茶でも」にあわせて、運んでいるカップのアップを見せて、そのカップを見せながらカメラを引いて全体を見せていきます。一部の説明的映像から、全体の説明的映像への移行。
この映画すごい、という感じの作品では無いです。でも、面白かった。私の好みでもあります。舞台設定、本の力を大事にしているところ、とかいいですね。
更新情報はtwitterにUPしてます! フォローお願いします!
https://twitter.com/yuto_mori_blog
テーマを探求を中心とした映画ブログ書いてます。リンクは下記です。
映画の感想や、小説風の日常の記録でみなさんを楽しませたいと思っています! よろしくお願いします! 楽しめたら「スキ」「サポート」など頂けたら嬉しいです!