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映画「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」を見てきた。戦闘場面が多くて楽しんだ。

映画「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」を見てきました!面白かった。なんといっても、ほぼ戦闘描写なのがいい。それも全て趣向が違う。とってつけたような恋愛描写がないのもいい。戦闘描写ないところでの物語展開が陰謀劇なのも面白い。剣闘士が主役だから戦闘描写が多いのは納得だけれど、こんなに戦闘描写をシナリオに違和感なく入れるのはすごいなと思う。とにかく面白かった。

前作の続きではあるが、特に前作見なくても楽しめると思う。
前作で亡くなった「コンモドゥス帝」亡き後、帝位についた「ルキウス」の双子の息子「カラカラ」「ゲタ」が共同統治している時代。前作から約20年後くらいの物語。
カラカラ帝は悪名ある皇帝のようだ。作品の中でも、狂気を感じさせる造形がなされている。悪役としての魅力はゲタとともにありました。

主人公ルシアス(最初は名前が違います)がどういう人物か、彼が奴隷という境遇になってどう生きていくかが気になって見ていく形でした。ただ、主人公の動く動機はテーマとは関わっていないような気がします。
確かに主人公の物語が気になって物語に入っていけたと思いますが、主人公に興味を持たせるにも多少時間がかかります。それまでの間、戦闘描写で派手な動きを見せて、その中で主人公の性格などを見せていく展開でとても良いです。
ぼぼ構造的には前作と同じで、主人公の動機は「復讐」ですが、前作は明確に主人公憎しから皇帝が主人公の妻子を殺し、皇帝は敵役となりますが、今回は明らかに侵略者であるローマが悪いですが(少なくともこの映画ではローマが侵略者として描かれている)、戦争の中でルシアスの妻が殺されます(女性も戦争にでんるですね。史実として女性も戦争に出ていたのか? それとも物語の都合上、死んでもらうためか?)。ルシアスの憎しみはローマの将軍マルクスに向きますが「気持ちとしてはわかるけれど、将軍も皇帝からの命令で動いているしな」と見ている私は思ってしまいました。そして将軍は決して悪い人物でもなさそうですし。なので、主人公の動く動機としては弱く感じてしまいます。
テーマとしては、ローマ時代を描くことが一番だったのかな。ルシアスは将軍への復讐心は最終的にはなくなり、英雄的な行動をとっていきます。そういう人物を描きたかったのかもしれません。近年ではあまり描かれない、素直な英雄でした。見ていて気持ちがいい。

物語はルシアスの奴隷としての生活と、コロセウムで闘い、そして過去。ルシウスは先先先代の皇帝の孫です。そして、前作主人公の息子らしい(正式には母ルッシラの夫となるが)。最初は伏せていて、断片的に高貴な由来がある人物として回想から読み取れます(宣伝だとわかってしまうようですが、私は宣伝を見てなかった)。ルシアスを描く物語の軸。
ルシウスを買ったマクリヌスの陰謀劇(皇帝の観心をかい、権力中枢に入ろうとする)。
マルクスと妻のルッシラ(ルシアスの母。マルクスとは再婚)の昔のローマを取り戻すための、陰謀劇。
この三者の目的を軸に物語が進みます。ルシアスの興奮させる戦闘描写、その間には陰謀劇と、全く飽きさせない展開です。

戦闘描写は工夫を凝らしていて、同じような展開はありません。最初はローマとルシアスが住んでいるアフリカの都市ヌミディアの戦争。海戦と攻城戦の描写。次は、奴隷になったルシアスが、小さな闘技場で獣(猿)と戦う描写。皇帝の宴席でルシアスが一対一で戦う描写。コロセウムで、サイに乗った戦士と戦う描写(戦いの勝ち方にアイディアがある)。コロセウムを水で埋めて、海戦を行う描写(これには驚いた。水の中にはサメがいるし)、陰謀がバレてコロセウムで処刑されることになったマルクスと、ルシアスの戦い描写。ルッシラ処刑を守るという名目で駆り出されたルシアス(マルクスの用意していた軍と連絡は取れている)の戦い描写。最後は、ルシアスとマクリヌスの一騎打ち。
こうやって並べるとたくさんありますね(力を見せるためにルシアスが、マクリヌスの奴隷を管理している人物と戦う描写もありましたね)。戦い方や、後半になると人物たちの思惑は入ってきて飽きさせず、楽しめます。
マクリヌスはルシアスを見せものとし、マルクスの陰謀を暴きどんどん皇帝に近づいていきます。悪人の出世劇として面白かったです。ただ、描写が足りない部分もありましたね。「そんなに簡単に権力者になれるのか?」と思ってしまいました。まあ、後で倒される悪人であればご都合主義的なところもあまり気になりませんが。マクリヌスも元奴隷らしいのですが、イマイチ彼が権力に近づきたい理由がわかりませんでした。ルシアスがマクリヌスに過去を聞くのですが、答えません。こういう場面もあるし、前作に何か答えがあったかな? と思ってしまいました。なので、もう少し描写してくれればなと思いました。
ご都合主義的に思えたのは一場面。ルッシラを守る戦いの前、ルシアスは暴れて奴隷とい身分から離れています。そこら辺をどうマクリヌスにバレないで、こなしたのか疑問に覚えました。奴隷から離れてるのに、マクリヌスは気づいてなさそうだったので。

戦闘描写の間に、陰謀劇があるという物語です。常に、次はどうなるんだと思わせた全然飽きるところがありませんでた。登場人物たち魅力的で良かったです。双子皇帝は魅力あるカス悪人。マクリヌスも魅力ある悪人。主人公もまずまず魅力的です。よい娯楽作品ですね。最後もルシアスの勝ちで締めハッピーエンドでした。前作は主人公最後に死んでしまったので、あまりハッピーエンドとは言えなかったので。
まあ、その後ローマの歴史はわかりませんが。
多分、この作品での描写はけっこう歴史と違う思います。大枠は史実通りだけれど、細かいところは違うのではないかな、と予想します。

展開としては前作と同じといえば、同じです。前作より、より娯楽作品に見えたのですごく楽しめます。上映時間二時間越えですが、気になりません。見ていて楽しい作品でした!

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ユート
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