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デライト・ベンチャーズのベンチャー・ビルダー(Vチャレ)で過ごした起業準備期間が最高だった話

こんにちは。2023年6月1日にプロップス株式会社という会社を設立しました松元と申します。

起業しようと思い前職に退職の意志を伝えた後、2022年末から約半年の期間デライト・ベンチャーズのベンチャー・ビルダー(Vチャレ)というプログラムでの起業準備・事業検証を経て起業しました。

どう振り返っても準備期間として最高の半年間だったので、自らの経験をまとめたいと思います。

筆者の状況とベンチャー・ビルダーに参加したきっかけ

フリークアウトという上場ベンチャー企業での新規事業チームでキャリアをスタートし、ヒュープロ・hokanという2社のアーリー期のスタートアップでビジネスサイドの何でも屋として関与してきました。

「Day1から事業・組織をつくってみたい」「これまで約10年弱スタートアップに関与してきたので、スタートアップとして挑戦したい」という二点が起業を考えた背景でしたので、事業領域等は特に決めておりませんでした。(元来、思考を100%自社事業に使っており「在職しながら種を探す〜」的なことは非常に苦手なタイプというのもあります。)

「完全に一人でやるとダラダラしそうなので、事業領域の探索にコミットする状況をつくりたい。知人の VC や起業家の方にお願いし、月1壁打ち的な感じでコミットせざるを得ない状況をつくろうかな〜」

と思っていたところ、南場さんの次の Tweet が流れてきました。

上記全てがブッ刺さり「何かのご縁だ!」と思いエントリしました。

※ 退職は決めていましたが、退職までに3ヶ月〜半年の引き継ぎ期間が必要だったことから「働きながら」という部分も刺さりました。

参加者目線でのベンチャー・ビルダーの実情

1人の参加者目線な点はご留意ください🙏

プログラムの流れ

  • Kickoff:参加者全員でリアルで集まった唯一の機会 (12月上旬)

  • Exploration&Ideation:オンラインベースのインプット講義や資料をもとに、初期調査と企画を実施(~1月)

  • Reserach:審査通過者に予算100万円が付与され、企画の精度向上のための検証を実施 (~目安5月 ※PJ次第なのでバラバラ)

  • 本開発:開発予算を取得 or 外部資金調達し、MVPを開発

私が参加した第三期は広く応募を募ったとのことで、応募者が約200名以上いたと聞いています。プログラム参加者が約40名、フェーズごとに審査があり Reserach フェーズに進んだ方が10名弱ぐらいでした。

プログラム参加者のバックグラウンド

参加者はいろんなバックグラウンドの方がいましたが、ざっくりカテゴライズすると次の5パターンの方がいました。

  • ① コンサルティング会社や商社・通信会社など大企業でガッツリご活躍中の方

  • ② 有名ベンチャー・スタートアップ(目安シリーズB〜グロース市場)で特定のチームをリードされている方

  • ③ 代表やNo.2~3的ポジション(CxO)の経験のある方 ※ スタートアップ如何問わず

  • ④ 既に起業することをほぼ決意しフリーランスをされている方(エンジニアの方多め)

  • ⑤ ベンチャーやスタートアップで当初から起業前提のキャリアを歩まれている20代の方

プログラム自体も PDCA を回されているようで、私の参加したタイミングの募集では Kickoff 時点の参加者はかなり多かったことから、本当にいろんなバックグラウンドの方がいらっしゃいました。

プログラムのコンテンツ

ふんだんにデライト・ベンチャーズや過去の先輩参加者・起業家の方が知見がつまったコンテンツがあり多分半分も享受できていない気がしますが、私が印象に残ったコンテンツは次の三つでした。

  • 事業検証フォーマット

    • スタートアップのシーズを探すフォーマットがここまで体系化されてるのは凄すぎる

  • 週次のフィードバック会

    • 有志で4枠あり支援側の皆さんからフィードバックいただけるのですが、得意分野やバックグラウンドの違う皆さんから違う視点のフィードバックがありとても有意義でした。他の皆さんのアイディアを聞くのも楽しく、ほぼ毎週参加してました(多分出席率ダントツNo.1笑)

  • 南場さん QA 会

    • 南場さんは想像の何倍もチャーミングな方でした

筆者はどうベンチャー・ビルダーを活用したか

Ideation&Exploration フェーズ

オンライン講義ベースのインプットがありましたが、年末で会食の多いシーズンだったことから、半分ぐらいは後日録画を確認する形になりました。
この時点では、前職の仕事もまだまだフル稼働していたことから、主に稼働は週末や年末年始がメインでした。

私がこのフェーズでやったことはシンプルで、デライト・ベンチャーズの事業評価リスト(1,000以上のスタートアップの評価軸に沿った簡易評価が書いてあるもの)を全て攫い、思いつく事業アイディアを40ほどつくり、事業検証フォーマットに沿って初期検証を進めるというものでした。

検証フォーマットを埋めれたものが約10、審査に出したものが約5、審査を通過したものが1という形で Research フェーズに進みました。

審査時の基準については、「課題の質の評価」「課題を持つN=3の発見」「課題ベースの市場規模」「競合優位性仮説」等の直接的に事業シーズの評価に関連するものから、「オーナー(起業家)自身がなぜそのマーケットを選択するのか」「オーナーの強みがどう活きるか」等の自身とマーケットの相性の要素もありました。

Research フェーズ

Research フェーズへの通過可否審査の段階で、検証計画を出しており基本はそれに沿って進めました。

  • Unii やビザスクを使った対象顧客への課題ヒアリング

  • Fastask を使った大規模調査

  • デライト・ベンチャーズの弁護士やエンジニアとの法的・技術的リスクの洗い出し

  • デザインデモや LP の作成

  • デザインデモベースの営業

を2ヶ月かけて実施し、開発に向けた審査会の要件を満たせそうだったことから、審査会に向けた準備を4月頭に実施しました。

このフェーズからは、プロジェクトによりやるべきことが大きく変わる & コミット状況が人によって違うことから、プログラム同期との足並みは全く揃わなくなりました。

私は2月以降はほぼ引き継ぎが完了し時間的にコミットできる量が多かった & 企画自体もほぼ当初の予定通り進みピボットをしなかったことから、計画通りのペースで審査会を迎えることができました。

本開発に向けた審査会

4月末に実施しました。
私は「開発メンバーを自ら採用できそうだった」「エクイティでの資金調達経験があり、実務自体が大きなコストにならなさそうだった」という2つの背景からプログラムの本流※とは違う、早期独立パターンを選択したため審査会資料は実質プレシードラウンドの資金調達資料の形になりました。
デライト・ベンチャーズ以外の投資家の方にもほぼ同じ資料ベースでまわることになるため、とてもいいブラッシュアップのための期間でした。

※ ベンチャー・ビルダーでは、一度デライト・ベンチャーズのエンジニアを活用する社内新規事業的な形で立ち上がりスピンアウトする方が多い

審査会当日は、南場さんをはじめとしたデライト・ベンチャーズのパートナー陣の皆さんに15分ピッチ→30分のQAという流れでした。様々な角度で忖度ないフィードバックをいただきアイディアのブラッシュアップの観点でも非常に有意義な時間となりました。

参加した感想

全ての左脳派なあなたにオススメしたい

とにかくフォーマット・支援体制が「スタートアップの取り組むべき課題の発見」にフォーカスされており、可能な限り論理で体系立てて整理できるようになっていました。凄すぎます。

次のような方にはぜひオススメしたいです。

  • 起業に関心はあるが、事業領域は定まっていない

  • 事業アイディアへの論理的な確信を高めたい

  • 「スタートアップが取り組むべき課題の発見」方法に関心がある

もちろん起業や新規事業(特にスタートアップ)は、そもそもが博打なチャレンジであり、あれこれ整理するよりも全力でバットを振った方が成功確率が上がる側面もあると思うので、プログラムの向き不向きはあると思います。
「一定論理的に確信を持てる状況の方が、全力でバットを振れる」という左脳はなタイプにはかなり相性の良いプログラムだと感じました。

人格者に溢れていた

支援側のデライト・ベンチャーズの皆さんも参加者の方ももれなく気品高く朗らかな人ばかりであることに驚きました。交流があった方はもれなく「いつか一緒に働きたい」と思う方ばかりでした。

コミュニケーションにおいてのストレスは一切感じなかったです。

Kickoffの時の同期やスタッフの皆さんとの写真

最後に

取り止めのない文章になりましたが、総じて本当にあの時応募して良かったと心から思っています。

ベンチャー・ビルダーに関心がある、参加者視点での感想を聞いてみたいという方はぜひお気軽にご連絡ください。

もちろん、シード期のスタートアップに関心のある方からのご連絡も全力でお待ちしています!(特にエンジニア・デザイナー・学生インターン…)

Vチャレの時期の募集も始まっているようです!

P.S. 
「どんな事業が評価されやすい??」という質問をよくいただきますが、ハードウェア・xR・マッチングサービスなど様々な事業があり大きな傾向はなさそうです。私は SaaS の予定です!リリースをお楽しみに!


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