カンボジア日記第100号(共通理解と言語能力)
សួស្តី!
サッカーの指導、育成を行うにあたって改めてチームとしての共通理解(サッカー界で俗に言うゲームモデル)をもつことの重要性を実感しています。
企業でいうところの経営方針です。
ナガワールドではテクニカルディレクターがクラブのゲームモデルを提示し、そのゲームモデルに合わせたサッカーをトップチームが展開できるように取り組んでいます。
自分が担当しているアカデミーチームもそのゲームモデルに沿った選手を育成するために活動します。
目指すサッカーははっきりとしているので、コーチ陣の意見の齟齬は少なく、練習やコーチングも行えている印象です。
クラブのゲームモデルの内容も自分が参考にしてきたものに近く、自分が目指していきたいサッカーでもあります。
そのため、自分としてはとても動きやすい環境で指導させていただいています。
また、ゲームモデルの存在がチーム全体の取り組みの質を高めることを改めて実感できています。
しかし、そこに至るまでにどのようなスキルを選手が身につけるべきか、スキルを身につけるためにどんな練習を行っていくのかという細かな点で自分が意図したことが伝わらなかったり、前提として考えていることが違ったりすることを感じます。
日本で自分が恵まれていたことは、自分が尊敬する方々の下で学ばせていただいたり、お互いに考えを共有し、リスペクトしながら最終的に自分を立ててくださった方々と活動することができたことです。
また、そこの考えを共有するためのコミュニケーションが日本だとストレスなく行えますが、外国で指導を行うと、「言語」の問題に直面します。
練習自体はボディランゲージや単語で進めることはできますが、練習に至るまでの意思疎通で伝わりきれていない部分があります。また、相手の発言を受け止めきれていないのだと思います。
なぜその練習を行いたいのか、どうして今日はその練習をするのか、活動の質を高めていくためにはディスカッションを繰り返さなければなりません。
練習でのコーチングについても質問を通して選手と考えを深めたり、いつ、何を見るのかなど細かいコーチングがまだまだ難しいです。
自分の現状から考えるとディスカッションできるようになることや選手との会話を通して理解を深めていくことはハードルが高いですが、よりよくなっていくためには必ず通る道です。
自分自身の勉強の量や質を見返さなければならないと感じることができました。
協力隊として活動しながらこのような活動の場をいただけていることに感謝しながらまた土曜の練習に向けて良い準備をしていきたいと思います。