離れてから気づく
生まれてから一緒にいる幼馴染がいる。そんな幼馴染との成長過程を今日は綴ろうと思う。
物心ついた時には隣にいた。親同士仲が良く、一緒に遊ぶ時間も多かった。
幼馴染であり、親友であった。
お互い住んでいる家が近くはなかったので小学校は別々だ。同じ学校が良かったがまあ、いつでも会えるしいいかと思った。夏休みになるとほぼ毎日、親友のの家に行き、遊んだ。カードゲームをやったりクレヨンしんちゃんを見たりして時間はあっという間に過ぎた。2階にいる自分たちに母親がそろそろ帰るよと言う。 あぁ~、もう帰る時間かよ、と思いながらも嫌々帰るような日々を過ごしていた。
何かあったら助けてくれて自分には欠かせない存在であった。
そんな自分たちも中学生になる。同じ中学校に通うとわかったときは嬉しすぎて待ちきれなかった。
入学式。
クラスは別々だ。がっかり。
中学校生活の始まり。ワクワクした。自分はサッカー部に入り、親友はバドミントン部に入った。
部活に勉強と忙しく、話す時間も少なくなっていき、会ってもそれほど会話をしなくなっていた。連絡も取ることなく、お互いクラスの仲の良い人と過ごしていた。
仲が良いのは確かだがなぜか居心地が悪い。よっぽど小学校の時のほうが関係性は良かった。
近づきすぎず、離れすぎず、の距離感があの最高な関係を作っていたのだろうか。それとも周りの環境の変化だろうか。
思い返すと私は少し冷めた態度で接していたと思う。他の人と仲良くしているのを嫉妬していたのだろう。なんて情けない。
そうして中学校生活は終わりを迎えた。
高校入学。幼馴染とは別の高校だ。
どんな青春が待っているのだろうと胸が高鳴った。私は私立学校、施設が豪華で何より人が多い。どんな人と友達になるのだろうか。どんな勉強が待っているのだろうか。不安と期待でいっぱいだ。
あっという間の三年間であった。
そして大学進学で東京に上京することになった。なんとなく過ごした高校生活が終わりそうな頃、幼馴染が俳優の道を目指すと耳にした。
とても輝いて見えた。こいつにはその素質があると確信付いたからだ。
夢があるのは素晴らしい。それが大きくても、小さくても、夢に向かっている人はキラキラしている。
幼馴染も東京の専門学校に行くと決まった。
たまに泊まりに来てお互いの事を話す時間も増え、仲は温厚だ。
眠くなり、寝るわと言って布団に入った。
こいつといると楽しい。そう思い、眠りについた。
外も明るくなって朝が近づいてきた。
私は目覚めて、顔を洗おうと動き出したら親友が起きていた。
起きるの早いなと思ったが、そうではなかった。
親友は朝まで舞台の台詞練習をやっていたのだ。
自分がいかに甘い生活をしているかを身に染みて感じた。
俺も頑張らなくては、という気持ちにさせてくれた。
親友よ。共に成長し合えるよう頑張ろう。
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