一年間本気で頑張ったらアプリ収益で毎月の家賃代を支払えるようになった話〜マインド編〜
こんにちは!TradeNoteという株・FX・仮想通貨の資産管理を簡単にできるスマホアプリを開発しているゆうとです。
アプリをリリースして1年が経ちましたが、ありがたいことにこのアプリの収益のみで都内の自宅マンションの家賃代を支払えるようになりました。
利用していただいているユーザーのみなさんのおかげなので、感謝してもしきれません。本当にありがとうございます。
というわけで、ここまで自分がどのようなマインドで行動してきたかを一度振り返ってみようと思います。
個人でアプリやWebサービスを作られている方や、これから始めたい方に少しでも参考になれば幸いです。
(ちなみにアプリはこちらです!是非DLしてみてください🙇♂️)
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ゆうと@TradeNoteエンジニア
逆境を力に変える
私は新卒でエンジニアとしてメーカーに就職してから8年間勤めてきました。
入社当初は「ここで定年を迎えるんだろうな」と思っていたのですが、年が経つにつれ、徐々に「このままではいけないんじゃないか?」と思うようになりました。
まず一つ目の理由が、昇進するにつれモノ作りから離れていくという現実です。
入社してからずっと自分の手でプログラミングをしてきて、とてもやりがいを感じていたのですが、昇進するにつれ徐々に管理業務が増えていくことに違和感を感じるようになりました。
もちろんそのような業務に対してやりがいを感じる事もありましたが、個人的には自分の手を動かして0からモノを作り上げることが好きなタイプだったので、このままモノ作りから離れていく現実に対して物足りなさを感じるようになりました。
次に二つ目の理由が、効率よくアウトプットを出すことが逆に自分の首を締める理不尽な環境です。
短時間で多くの成果を出すことで本来は楽になるべきなのですが、サラリーマンの場合そうはいきません。
仕事は無限にあるので、効率よく働ければ働くほど仕事は増えていきます。
また収入に関しても、効率よく働いてさくっと定時で帰るよりも、だらだら働いて残業するほうが高くなるという理不尽さがありました。
次に三つ目の理由が、自分のモチベーションが上がらない仕事に対しても真面目に取り組まなければいけない環境です。
「この機能だれが使うんだろう・・・?」と思うものであっても、一度決まった仕様は頑張って作らなければいけません。
私は自分がいいと思う作業には徹底的に向き合えるのですが、やはりモチベーションが上がらない作業に対して長時間向き合うことは苦痛でした。
最後は、実はこの理由が個人的には一番大きいのですが、苦手な人とも一緒に仕事をしなければいけない環境です。
私の職場にも苦手な人がいて、自分なりにどうにかうまくやろうとは努力したのですが、結果的にうまく行かず、ストレスが溜まってしまい、体調を崩してしまいました。
その当時は本当に辛く、寝る時に「寝たらまた明日がやってきて、あの人に理不尽に怒られないといけないのか」と考えて胸が苦しくなってしまうという地獄のような日々がありました。
こうした不満が歳を重ねるに連れ徐々に増していき、私はどうにかこの現状を抜け出す方法はないか?と考えました。
それで本やネットで手当り次第に探してみたところ「個人でスマホアプリを作って収入を得る」という方法を知りました。
私はこれが実現できれば、今まで感じていた不満が完全に解消されると思いました。
ずっと大好きなモノ作りを最前線で続けられる!
成果に比例した収入を得られる!
自分の興味がある開発にだけに専念できる!
人間関係で悩む事もなくなる!
つまり、この個人でのスマホアプリ開発こそ、現状感じている不満に対する完璧な答えだったのです。
今振り返ってみると、こうした現状に対する不満、つまり逆境に対する内面からのモチベーションこそが、アプリ開発を加速させた最大の要因だったのではないかと思います。
「いいモノを作って、売上をたてて、自分にとって一番幸せな状況を生み出してやる!」
アプリ開発をする上でたくさんの壁が立ちはだかりましたが、この圧倒的なモチベーションの前に、諦めるという選択肢は微塵も思い浮かびませんでした。
ユーザーの皆さんの声と、自分の考える良いプロダクトに向けて一つ一つ丁寧に壁を登って行った結果、気付けば月収家賃代を攻略していたわけです。
時間がない、お金がない、人間関係が辛い、こうしたネガティブな考えは、現状を打ち破る圧倒的なエネルギーになります。
そうした思いがある人はない人に比べて、打たれ強くもなります。
だからこそ、現状に不満がある人こそ行動を起こすチャンスだと私は思います。
・なんとなく惰性で今の現状を受け入れて生きるか。
・多少のリスクはとっても大きく人生を変えるために動き始めるか。
そういった人生の大きな選択を自分でしっかりと出来たことで覚悟が決まり、だからこそ本気で取り組めたんじゃないかなと思います。
完璧主義を捨てる
私の性格は正直ビビリです。なんでも不安に感じてしまう。
・こんな機能のないアプリを出しても大丈夫なんだろうか?
・ユーザーさんにひどいことを言われないだろうか?
・やっぱりもっと機能を充実させてから出そうかな?
初期リリースの前にずっと考えていました。
でも結局一つ不安を解消しても、新しい不安が目の前に迫ってきて、またそれを解決しての繰り返しになってしまいました。
そこで私は、
・初期リリースに入れる機能
・初期リリースの時期
だけを決めました。
多少不具合があっても機能が足りないと思われてもとにかくリリースする。
不具合対応や機能追加はユーザーの反応を見てからでも遅くない。
実際私はその決めた要件でアプリ開発着手からわずか三ヶ月で初期リリースをしました。
もちろんレビューで機能が足りないことを指摘していただいたこともありましたが、それ以上にたくさん「使いやすい!」「毎日の振り返りが習慣化できた!」などのレビューをいただきました。
その初期リリースで多くのユーザーに継続して使っていただけたので、コンセプトとして問題がないことを確信できました。
最初のリリースでたくさん詰め込みたくなってしまいますが、ユーザーに受け入れられるかどうかはわかりません。
なので、多少バグがあっても、機能が少なくても、そのアプリやサービスで提供したい価値のコンセプトが受け入れられるかどうかのテストくらいの感覚でリリースするのがいいと思いました。
日本人は私も含めて特に真面目(というかビビリ?)な人が多い気がするので、完璧にしてからリリースしようという意識が強い気がしますが、完璧なんて目指していたらいつまでもリリースできません。
「まずは出すこと。」
初期リリースはここを目標にして全力疾走するのがいいと思いました。
収益化ファーストを意識する
「お金」ってすごく難しいですよね。
本心でユーザーのことを思って作ったとしても、そこで収益化して稼ぐとなると「結局金かい!」って思われてしまう。
いくら綺麗事を並べても、いくら努力した結果であっても、やっぱりお金をたくさん稼いでいる人は羨ましいし、妬んでしまうのが人間の本性なのではないでしょうか。
このような理由から「使ってもらえればそれで十分だから無料でリリースしよう」と思う個人開発者の方も多いと思います。
でも私は正直始めから収益化を考えていました。
なぜなら、収益化して私が稼げるようになるとそれに付随して様々なメリットが発生することがわかっていたからです。
まず収益化が私にもたらすメリットは「自由」です。
自分で稼げるようになると、前でも述べたように、私は組織に属さず、誰の指示も受けず、自立して自分の人生をコントロールできるようになります。
私は、自分の作りたいものを、自分の作りたい時に、自分の作りたい場所で作ることができるようになるのです。
また、売り上げが上がってこればさらに私の大好きな仲間たちを誘ってプロダクトを成長させることだってできます。
自分の作りたいものをストレスを感じず伸び伸びと作り続けながら生活もできる。
こんなに幸せなことってないんじゃないでしょうか。
また、収益化はユーザーのみなさんに対しても継続的なメンテナンスとサポートを提供できるというメリットをもたらします。
無料のアプリに対してはどうしてもサポートやメンテナンスが不十分になりがちです。
それは考えてみれば当然で、収益が発生していない以上、メンテナンスやサポートはあくまで開発者のボランティアになるからです。
しかし一方で、収益が発生する構造にすることで、開発者は労働時間を確保できるため、十分なサポートやメンテナンスを提供することができます。
また、収益により得られた時間を使って開発者は新機能を開発することができます。しかもそれはユーザーの要望を取り入れた機能追加になるので、アップデートすればするほどユーザーのみなさんにとって便利なアプリに進化していくのです。
収益化することにより、私の生活は楽になり、アプリが便利になることでユーザーのみなさんには喜んでもらえる。そんなWin-Winなサイクルを達成することができました。
なのでこれから個人開発で愛されるアプリを作ろうと考えている方は、初期の段階で「収益化」を念頭に入れて開発することをお勧めします。
失敗は成功へのスパイス
実際アプリをリリースしてからここまでくるのに決して順風満帆だったわけではありませんでした。
レビューには心ないことを書かれて傷つきましたし、課金のレシート検証サーバーがダウンして有料会員全員の機能を制限してしまったこともあります。
一番最近ではiOSのバグ(おそらく)でアプリのデータが突然消えてしまい、長い間使っていただいていたユーザーさんの大切なデータを消してしまったこともありました。
(この記事を書くのが遅くなってしまったのも実はその修正に手間取っていたからです。被害に遭われた方については大変ご迷惑をおかけしました。)
どの経験もとても辛く、挫折しそうな日々もありました。
しかし私は「どの問題にも誠実に真摯に立ち向かう」ことを心がけました。
つまり「諦めることを諦めた」わけです。
こうして退路を断つことにより必然的に正しい方向に動き出すことができました。
「失敗」とは「挫折により諦めてしまった状態」を指すわけで、乗り越えた「失敗」はむしろ「成功へのスパイス」といってもいいと思います。
世の中にはもちろん乗り越えられない壁もたくさんあります。
でも、考え方次第で乗り越えられる壁であっても、自分の心のリミッターが制限して乗り越えられないこともあると思います。
私の大好きなアーティストであるMr.Childrenの「終わりなき旅」の歌詞の中に「難しく考えだすと全てが嫌になってそっと逃げ出したくなるけど 高ければ高い壁の方が登った時気持ちいいもんな まだ限界なんて認めちゃいないさ」という歌詞があります。
「データが消えてしまった!どうしてくれるんだ!」という問い合わせが連日のように来た時期に、私は本当にメンタルが病んで毎日寝られない日々が続き、逃げ出したくなりました。
それでも真摯に向き合い、ちゃんと対応して修正することができたことで、私の自尊心は高まり、アプリの完成度も一段と高くなりました。
失敗と挫折の真っ只中にいる時にはとても辛いですが、それを乗り越えた時にはとてつもない経験値が得られるということを今回学んだので、是非そういう時にはチャンスだと思って頑張ってみてください。
絶対にその経験は大きな力になってくれると思います。
アプリ収益発生後の心境の変化
もちろん初めから収益化を目標に始めた個人開発でしたが、実際に収益が発生した後には大きな心境の変化がありました。
それは圧倒的な自信が生まれたことです。
サラリーマン時代にもいくつかサービスを作ってきましたが、実際には複数のチームメンバーと共同で作る上、ユーザーからのフィードバックもなかったため、そこまで自信がつくことはありませんでした。
しかしアプリ開発を通して、企画、デザイン、開発、マーケティング、運営、保守、全てをたった一人でやってきて、そこで収益が発生したことにより「私たった一人の行動によりこれだけ多くの人に価値を与えられたんだ!」という想像以上の大きな自信を得られました。
これはおそらく実際に経験してもらわないとわからないと思うのですが、私の場合たった数百円の収益であっても、その何百倍もの自信を得られました。
「自信がないからチャレンジできない」と言う方をよく見かけますが、多分逆な気がします。
自信がないからこそチャレンジしてみる。
そしてそこで自信を得ることで前に進む。
これこそがモチベーションを高く行動できる良いサイクルだと思います。
また、考え方にも変化が現れました。
それは、この先もっと収益を伸ばしていけば本当に自由な人生を送ることができるかもしれないという感覚がものすごくリアルに感じるようになったということです。
実際にOSの不具合でデータが消える現象が発生したとき、根本的に修正するためには少なく見積もっても2ヶ月間程度はかかるくらいのボリュームでした。
正直私がサラリーマンとして働きながら並行で修正していたらおそらく半年はかかっていたと思うのですが、このアプリ収益のおかげで、この問題にフルコミットすることができ、確実に2ヶ月間で実装を終わらせることができました。
アプリ収益があったことにより「アプリ改修にフルコミットする」という選択ができたのです。
つまりさらに多くの人に使ってもらえるようになっていけば「無限の選択肢から自分が心から選びたい選択肢を選べる」という状況になり、それこそが私がアプリ開発着手前から実現したかった「自由な人生」だと心から思えました。
言葉にするのは難しいですが、これは本当にいろんな意味において満足度の高い経験でした。
最後に
現代の日本人は、人にどう思われるかを気にしすぎな傾向にあると思います。
自分の思いを閉じ込めて、妥協した経験はないでしょうか?
失敗を見られる事を恐れて無難な道を選択したことはないでしょうか?
それは島国という協力しなければいけない文化で育った私たち日本人のDNAに刻まれた性質な気もしていて、それはそれでいい部分もたくさんあると思うのですが、この現代社会ではそれが逆にチャレンジするモチベーションを奪っている気もします。
私たちの可能性は無限大です。
そして、今は頭を使えば限りなくリスクを抑えた上で個人ビジネスをすることができます。
私はこのアプリ収益化を通して、多くのユーザーさんや個人開発者の方と出会うことができました。
さらに「自分でもこんなに多くの人に価値を届ける事が出来るんだ」という知らなかった自分に出会うこともできました。
本当やってよかったなって今振り返ると心から思います。
そして30代になるまでこういうチャレンジをしなかった自分に対して、もったいないことしたなって思いで若干後悔してますw
この経験をみなさんに共有することで、少しでも「何かチャレンジしてみようかな」と思っていただけたらこれほど嬉しい事はありません。
以上となります!
長文にもかかわらず最後まで読んでいただきありがとうございました。
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ゆうと@TradeNoteエンジニア
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