『セクシー女優』考
皆さんは「じっくり聞いタロウ」という、『テレ東』色の濃い~番組を御存じだろうか。現在のタイトルになる前からのファンで、毎週録画をして観ている。あ!特に遠野千夏さん(旧芸名・金山睦)という人がイメージガールにいるのだが、年齢も私とひとつしか変わらず、とってもキュート。刮目すべし。今月2日(12/1深夜)の放送ではセクシー女優の桃園怜奈さんが出演されていた。彼女のことは知らなかったのだが、番組を観て、その度胸というか、胆力というものに舌を巻いた。
桃園さんは、名門大学在学中の女子大生というステータスと大きな乳(なんとIカップ!※ちなみに筆者が乳で重視するのは大きさに非ず)を引っ提げてデビューしたらしいが、僅か3作品に出演しただけで一旦引退。全校に知らない者はいないほど、出演の事実がバレてしまったからだそうである。
彼女の言葉に驚嘆したのはここからだ。周囲の人間にAVへの出演がバレ、好奇の目で見られたり、男どもが「俺にもヤらせてよ」などと下品に云い寄って来ることについて、心境を司会の河本準一や名倉潤に訊かれた彼女は「まぁ、いっか」「この庶民どもが!」と思っていたそうである。なんたる胆力!!肝が据わっているとはまさにこのこと。なんとあっぱれか!あまりにも飄々(ひょうひょう)としているので、むしろちょっと心配になってしまうくらいだったが、それでも、自分の仕事に自負を持ってらっしゃるんだな、ということはよくわかった。何事も好きでなければ続かない。
それにしても、「AVに出演している」ということだけで好奇の目に晒されるのは何故なのだろうか。云うまでもなく、セックスは古来から脈々と受け継がれてきた人間の営みであるし、多くの人が経験していることである。しかし「秘め事」という言葉がセックスを指すように、その行為は「秘めておくことであり、公にしない」のが前提でこの日本社会(外国についてはわからないけど)が成り立っている。だからこそ、「セックスを見せることを生業(なりわい)にしている」セクシー女優(男優を含めても良い)たちはある種、「異端の者」として扱われてしまうのではないだろうか。
ちょいと昔、仲良くしていた女の子に「セックスを人に見られるよりすっぴんを見られるほうがいや」と話してくれた子がいた。常にすっぴんで暮らすのが当たり前で生きてきた私にとっては、「すっぴんでいること」が如何なることなのかは理解できない(女子の皆さんにとっても、どう感じるかの個人差はあるのだろう)が、そういう価値観を持っている人もいるのである。この女の子に賛同できる人も、もしかしたら少なからず存在するのかもしれない。だとすれば、「セックスは見せないもの」ということは、その価値観の押し付けにすぎないということになる。刑法には公然わいせつ罪という罪があるがその根拠は一方的な価値観の押し付けなんじゃないか・・・?しかし公序良俗・風紀治安の維持も大切だし・・・う~ん。こうした法律論は長くなりそうなので別稿に譲ることにしよう。・・・いや待てよ、あれは寝る前に化粧を落とさないための言い訳だったのか・・・?(笑)
いずれにせよ、桃園さんは「エッチが大好き」と云っていたし、AV業界は一般より遙かに性病や妊娠のリスクに注意を払っている業界と聞くから、業界の当事者がその仕事に矜持を持って働いている限り、外野や世間の所謂(いわゆる)「優等生」「育ちのいい人」たちの云うことなんざ馬耳東風で頑張ってほしい!応援したい!と思うのである。もちろん、女性がその意思に反し、不当に搾取されるようなことがあってはならないことは論を俟(ま)たないし、この原稿でも明白にしておきたい。人間の三大欲求のひとつを満たすコンテンツを生み出す不可欠な産業なのだし、私も含め日々お世話になっているのだから、読者諸兄は熨斗(のし)でも付けて業界に御歳暮でも贈ろうじゃないか。さらには、業界にカムバックした桃園さんのご活躍を祈り、これからも陰ながら応援したい。桃園さんについては、他にも男のバカさ加減がよくわかるエピソードが番組内で披露されていたが、それは次回以降のお楽しみにしよう。