【BL小説】Finder #2
★推奨BGM
音小さめでかけながら読んでもらえると
なんとなくせつない感じが合うかなって。
#2
蓮とは高校で同じクラスだった。
他に友達と呼べるやつはあまりいなかった。
言葉を交わすことはあれど、他の誰かに心を開くことはなかった。
オレはたぶん、高校の頃からずっと蓮のことが好きだった。
ただ、それを自分で認められなかっただけだ。
初恋も、初めての恋人も、2人目の恋人も、相手は女の子だった。
だからなのかわからないけど、蓮に対する気持ちが何なのか,ずっと自分でも理解できなかった。
ただ、こいつは、そのままのオレを受け入れてくれる唯一の存在だった。
どんなオレを見せても、蓮はへーとかふーんとか言ってただ微笑む。
それだけでめちゃくちゃ安心した。
ずっと閉じていた心も、蓮の前でだけは素直でいれた。
それが、どれだけオレを救ってくれたかわからない。
でも、それが友達として好きなのか,恋愛対象として好きなのか、自分でもわからなかった。
あるとき、蓮が他のやつと楽しそうにしているのを見て、不機嫌になる自分に気がついた。
オレは全てを蓮に見せているのに、蓮はオレ以外のやつに、オレの知らない顔を見せる。
それが嫉妬なのかなんなのか、わからなくていつも混乱する。
別に、蓮と付き合いたいとは思わないしな…
他の男にも興味はない。
彼女もいたし、いたときはそれなりに楽しかった…
元カノのことを本当に好きだったかと聞かれたら、自信を持ってうんとは言えないけど。
蓮のことは知りたいし、オレのことも知ってほしい。
んー……なんだこれ?
そんなことが頭をぐるぐるして
結局いつも答えが出なかった。
もういいや、考えたところで関係が変わることはないんだし。
高校のときはずっとそんな感じだった。
蓮はオレとはちがって、勉強もそこそこできた。
教えてもらったりして、同じ大学を目指したけど、オレには無理だった。
大学は別になり、
お互いにひとり暮らしを始める。
普段の生活から蓮がいなくなって、不安でいっぱいだった。
したいことも得意なことも将来の夢も何もない。
大学に来たら何か見つかるかもしれないと思ったけど、そんなものはどこにもなかった。
当然、大学もつまらなかった。
「卒業」というハクをつけるためだけに、ただただ単位を取りに行く作業でしかなかった。
夏休みに入った頃、
久しぶりに蓮に会いたくなって、電話してみた。
「じゃあ明日の18時、駅まで迎え行くよ!」
…to be continued
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読んでいただいてありがとうございました。
気が向いたら更新していきます。
よかっらイイね🩷もらえましたら泣いて喜びます。
では、また。