待ち望んだ勝利 関西学生野球春季リーグ2022第5節 VS立命 〜関大視点から〜
2022/4/30 令和4年度関西学生野球連盟春季リーグ戦第5節1回戦
立命館大学₋関西大学
於 ほっともっとフィールド神戸
5×-4 WIN
27日ぶりのリーグ戦勝利にスタンドが沸いた。開幕節の京大戦2回戦以来の勝利は、2点差をひっくり返しての逆転サヨナラ劇。最終回の猛攻は見事だった。最終回だけでなく、今日の関大はいつもとは違った。見違えるほどにチームとして成長した関大の戦いぶりを試合序盤から振り返る。
最下位脱出へ、1回戦の先発マウンドに託されたのは定本(④三重)。開幕節以来の1回戦の先発に本人も気合いが入ったことだろう。両校無得点で迎えた2回、立命は先頭の白瀧(④履正社)がレフトへの2塁打で出塁し、先制の好機を作る。その後、定本は2死までこぎつけるも、初スタメンとなった浅野彰(②立命館宇治)に適時打を浴び、先制点を許してしまう。3回には高校時代に甲子園優勝経験のある桃谷(③履正社)にレフトの頭上を越えるソロ本塁打を打たれ、2点のビハインドとなる。
それでも、今日の関大には「対抗心」があった。直後の攻撃。先頭の佐藤(②愛工大名電)が死球を受け出塁すると、続く三杉(③関大北陽)の犠打、定本の内野ゴロで2死3塁の好機を作る。打席にはここまで全試合で1番を任されてきた岑(③広陵)。開幕から苦しむリードオフマンが放った打球は、ライトの頭上を越える適時二塁打となり、1点を返す。なおも2死2塁と一打同点の場面で打席には髙田幸(③伊川谷北)。2ストライクと追い込まれた3球目、振り抜いた打球はセンターへの適時打となり、関大が同点に追いつく。
喜びもつかの間、定本が立命打線につかまる。4回、2死から大崎(④報徳学園)が死球で出塁すると、第1打席で先制の適時打を放った浅野彰がライトの頭上を超える適時三塁打を放ち、立命がすぐさま勝ち越しに成功する。適時打を打った浅野彰は、関大守備の乱れを突いて本塁を狙うも、関大の守備陣に阻まれタッチアウト。この場面で追加点を許さなかったことも、関大の勝因のひとつだったかもしれない。
1点を追う関大は5回、投手を定本から辰己(④米子松蔭)に、6回には金丸(②神港橘)に交代。小刻みな継投で立命打線に追加点を与えない。しかし、打線は好機を作るもあと一本が出ず、立命1点リードのまま試合は8回へ。8回から関大はマウンドに関関戦でケガから復帰した鷲尾(④登美ヶ丘)が上がる。関関戦同様、直球を軸に相手打線をゼロに抑えたかった鷲尾だが、先頭の代打・中野(④神戸国際大附)が意表をつくセーフティバント。これが内野安打となり、嫌な形で先頭打者の出塁を許してしまう。続く広田(④立命館)から三振を奪うも、2番・宮崎(④創志学園)の打席中に中野が2塁へ盗塁成功。関大のショート・髙田幸の失策も重なり、中野は一気に3塁へ。宮崎には四球を与えてしまい、1死1・3塁のピンチを迎えてしまう。3回に本塁打を放った桃谷を迎えたところで関大・早瀬監督がマウンドへ。満塁策も考えられたが、関大は桃谷との勝負を選択。これが功を奏し、桃谷をショートフライに打ち取りツーアウト。ここで迎えるは途中出場の藤井(③立命館)。藤井の打席中に宮崎が盗塁を決め、2死2・3塁。当初4番を打っていた白瀧に代わって守備硬めで出場していた藤井が4番に入っていたこともあり、少しの油断はあったのか、ここで藤井に適時打を浴びてしまう。立命が貴重な追加点を挙げ、2-4。さらに2塁から宮崎が5点目のホームインを試みたが、関大のセンター・岑の好返球もあり、本塁タッチアウト。振り返れば、5点目を許さなかった関大守備陣の粘りも逆転サヨナラ勝利のお膳立てだったかもしれない。
その裏、関大は2死から中井颯(③報徳学園)の四球、上神(④佐久長聖)の安打で2死1・2塁の好機を作るも、有馬(③近江)がライトフライに倒れ無得点。終盤に入り、今季1番の課題である「あと一本」がなかなか出ない。
2-4と、立命2点リードで迎えた最終回。鷲尾が立命打線を3者凡退に打ち取り、関大最後の攻撃に全てをかける。9回の関大の攻撃は6番・下井田(①報徳学園)から。中軸に1番遠い打順だったこともあり、下位打線の奮起が関大逆転への最低条件になっていた。そんな中、先頭の下井田がリーグ戦初安打となる左中間への2塁打を放ち、逆転への口火を切る。ここで、関大ベンチは7番・佐藤に代えて小河(④大社)を代打に送る。昨秋のリーグ戦優勝をレギュラーメンバーとして経験している頼りになる4回生が初球で結果を残す。甘く入った緩い変化球を捉えると、打球は一塁線を破り、2塁走者の下井田が悠々生還。打った小河は一気に3塁へ。関大が1点を返しこれで1点差。なおも無死3塁と、一打同点の好機に。ここで立命は投手を京極(②石見智翠館)から荒井(②立命館宇治)に交代。しかし、投手が代わっても関大の勢いは止まらない。適時打を放った小河に代わり、3塁走者に内田峻(④大手前高松)を起用。そして、代打に富山(②大阪偕星)が送られる。1ボール2ストライクからの4球目。富山は低めのワンバウンドの変化球に手を出してしまい、スイングアウト。しかし、立命の捕手・浅野彰が後逸(記録はワイルドピッチ)。3塁走者の内田峻が生還し、ついに同点。富山も振り逃げで出塁し、サヨナラのランナーが出塁する。富山に代わって代走に森田(③関大一)が送られ、打席には代打の谷元(④関大北陽)。ベンチの期待に犠打でしっかりと応え、森田は2塁へ。1死2塁、一打サヨナラの好機で打席には本日絶好調の岑。外角のボールを引っ張ると、打球は相手一塁手のグラブをかすめ、ライトへ。打球が弱まったことも功を奏し、代走の森田は一気に本塁へ。きわどいタイミングだったが、森田の巧みなスライディングが勝り、サヨナラのホームイン。関大ベンチ・スタンドの誰もが待ち望んだ「勝利」の二文字を手に入れた瞬間であった。
今季2勝目をようやく手にした関大。サヨナラ勝ちが決まった瞬間には、選手全員がベンチから飛び出し、まるで優勝したかのような喜び具合だった。それくらい価値のある1勝を挙げた関大。勝因はやはり、トップバッター・岑の復調だろう。4節まではなかなか調子が上がらなかった岑。しかし、今日は第2打席の適時二塁打を皮切りに、サヨナラヒットを含む4安打の固め打ち。最終回の攻撃も、岑に回せば何かが起こるという予感はあった。何としても上位打線に回したいという最終回の関大の打者陣の粘りもさすがだった。4失点したものの、投手陣の踏ん張りも逆転劇につながった。
逆転サヨナラ勝ちから流れに乗りたい関大。明日の2回戦も勝利し、すんなりと立命から勝ち点を取りたい。定本・辰己・金丸・鷲尾が揃って登板したため、2回戦の先発投手は全く読めない。しかし1回戦同様、総力戦になることは間違いない。「らしさ」を取り戻した関大がリーグ戦をいい形で締めくくるには明日の2回戦が重要になってくる。今季最初の勝ち点獲得へ。グラウンドの選手もスタンドの応援団も総力戦となって戦うことが勝利への「マスト」な条件だろう。
2022/4/30 令和4年度関西学生野球連盟春季リーグ戦第5節1回戦
立命館大学₋関西大学
於 ほっともっとフィールド神戸
5×-4 WIN
27日ぶりのリーグ戦勝利にスタンドが沸いた。開幕節の京大戦2回戦以来の勝利は、2点差をひっくり返しての逆転サヨナラ劇。最終回の猛攻は見事だった。最終回だけでなく、今日の関大はいつもとは違った。見違えるほどにチームとして成長した関大の戦いぶりを試合序盤から振り返る。
最下位脱出へ、1回戦の先発マウンドに託されたのは定本(④三重)。開幕節以来の1回戦の先発に本人も気合いが入ったことだろう。両校無得点で迎えた2回、立命は先頭の白瀧(④履正社)がレフトへの2塁打で出塁し、先制の好機を作る。その後、定本は2死までこぎつけるも、初スタメンとなった浅野彰(②立命館宇治)に適時打を浴び、先制点を許してしまう。3回には高校時代に甲子園優勝経験のある桃谷(③履正社)にレフトの頭上を越えるソロ本塁打を打たれ、2点のビハインドとなる。
それでも、今日の関大には「対抗心」があった。直後の攻撃。先頭の佐藤(②愛工大名電)が死球を受け出塁すると、続く三杉(③関大北陽)の犠打、定本の内野ゴロで2死3塁の好機を作る。打席にはここまで全試合で1番を任されてきた岑(③広陵)。開幕から苦しむリードオフマンが放った打球は、ライトの頭上を越える適時二塁打となり、1点を返す。なおも2死2塁と一打同点の場面で打席には髙田幸(③伊川谷北)。2ストライクと追い込まれた3球目、振り抜いた打球はセンターへの適時打となり、関大が同点に追いつく。
喜びもつかの間、定本が立命打線につかまる。4回、2死から大崎(④報徳学園)が死球で出塁すると、第1打席で先制の適時打を放った浅野彰がライトの頭上を超える適時三塁打を放ち、立命がすぐさま勝ち越しに成功する。適時打を打った浅野彰は、関大守備の乱れを突いて本塁を狙うも、関大の守備陣に阻まれタッチアウト。この場面で追加点を許さなかったことも、関大の勝因のひとつだったかもしれない。
1点を追う関大は5回、投手を定本から辰己(④米子松蔭)に、6回には金丸(②神港橘)に交代。小刻みな継投で立命打線に追加点を与えない。しかし、打線は好機を作るもあと一本が出ず、立命1点リードのまま試合は8回へ。8回から関大はマウンドに関関戦でケガから復帰した鷲尾(④登美ヶ丘)が上がる。関関戦同様、直球を軸に相手打線をゼロに抑えたかった鷲尾だが、先頭の代打・中野(④神戸国際大附)が意表をつくセーフティバント。これが内野安打となり、嫌な形で先頭打者の出塁を許してしまう。続く広田(④立命館)から三振を奪うも、2番・宮崎(④創志学園)の打席中に中野が2塁へ盗塁成功。関大のショート・髙田幸の失策も重なり、中野は一気に3塁へ。宮崎には四球を与えてしまい、1死1・3塁のピンチを迎えてしまう。3回に本塁打を放った桃谷を迎えたところで関大・早瀬監督がマウンドへ。満塁策も考えられたが、関大は桃谷との勝負を選択。これが功を奏し、桃谷をショートフライに打ち取りツーアウト。ここで迎えるは途中出場の藤井(③立命館)。藤井の打席中に宮崎が盗塁を決め、2死2・3塁。当初4番を打っていた白瀧に代わって守備硬めで出場していた藤井が4番に入っていたこともあり、少しの油断はあったのか、ここで藤井に適時打を浴びてしまう。立命が貴重な追加点を挙げ、2-4。さらに2塁から宮崎が5点目のホームインを試みたが、関大のセンター・岑の好返球もあり、本塁タッチアウト。振り返れば、5点目を許さなかった関大守備陣の粘りも逆転サヨナラ勝利のお膳立てだったかもしれない。
その裏、関大は2死から中井颯(③報徳学園)の四球、上神(④佐久長聖)の安打で2死1・2塁の好機を作るも、有馬(③近江)がライトフライに倒れ無得点。終盤に入り、今季1番の課題である「あと一本」がなかなか出ない。
2-4と、立命2点リードで迎えた最終回。鷲尾が立命打線を3者凡退に打ち取り、関大最後の攻撃に全てをかける。9回の関大の攻撃は6番・下井田(①報徳学園)から。中軸に1番遠い打順だったこともあり、下位打線の奮起が関大逆転への最低条件になっていた。そんな中、先頭の下井田がリーグ戦初安打となる左中間への2塁打を放ち、逆転への口火を切る。ここで、関大ベンチは7番・佐藤に代えて小河(④大社)を代打に送る。昨秋のリーグ戦優勝をレギュラーメンバーとして経験している頼りになる4回生が初球で結果を残す。甘く入った緩い変化球を捉えると、打球は一塁線を破り、2塁走者の下井田が悠々生還。打った小河は一気に3塁へ。関大が1点を返しこれで1点差。なおも無死3塁と、一打同点の好機に。ここで立命は投手を京極(②石見智翠館)から荒井(②立命館宇治)に交代。しかし、投手が代わっても関大の勢いは止まらない。適時打を放った小河に代わり、3塁走者に内田峻(④大手前高松)を起用。そして、代打に富山(②大阪偕星)が送られる。1ボール2ストライクからの4球目。富山は低めのワンバウンドの変化球に手を出してしまい、スイングアウト。しかし、立命の捕手・浅野彰が後逸(記録はワイルドピッチ)。3塁走者の内田峻が生還し、ついに同点。富山も振り逃げで出塁し、サヨナラのランナーが出塁する。富山に代わって代走に森田(③関大一)が送られ、打席には代打の谷元(④関大北陽)。ベンチの期待に犠打でしっかりと応え、森田は2塁へ。1死2塁、一打サヨナラの好機で打席には本日絶好調の岑。外角のボールを引っ張ると、打球は相手一塁手のグラブをかすめ、ライトへ。打球が弱まったことも功を奏し、代走の森田は一気に本塁へ。きわどいタイミングだったが、森田の巧みなスライディングが勝り、サヨナラのホームイン。関大ベンチ・スタンドの誰もが待ち望んだ「勝利」の二文字を手に入れた瞬間であった。
今季2勝目をようやく手にした関大。サヨナラ勝ちが決まった瞬間には、選手全員がベンチから飛び出し、まるで優勝したかのような喜び具合だった。それくらい価値のある1勝を挙げた関大。勝因はやはり、トップバッター・岑の復調だろう。4節まではなかなか調子が上がらなかった岑。しかし、今日は第2打席の適時二塁打を皮切りに、サヨナラヒットを含む4安打の固め打ち。最終回の攻撃も、岑に回せば何かが起こるという予感はあった。何としても上位打線に回したいという最終回の関大の打者陣の粘りもさすがだった。4失点したものの、投手陣の踏ん張りも逆転劇につながった。
逆転サヨナラ勝ちから流れに乗りたい関大。明日の2回戦も勝利し、すんなりと立命から勝ち点を取りたい。定本・辰己・金丸・鷲尾が揃って登板したため、2回戦の先発投手は全く読めない。しかし1回戦同様、総力戦になることは間違いない。「らしさ」を取り戻した関大がリーグ戦をいい形で締めくくるには明日の2回戦が重要になってくる。今季最初の勝ち点獲得へ。グラウンドの選手もスタンドの応援団も総力戦となって戦うことが勝利への「マスト」な条件だろう。
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