【三国志大戦】張遼と臧覇~再会~【二次創作】
下邳での戦いで呂布が破れて幾何か経ったある日の曹操軍駐屯地でのこと
「みてみろよ、あそこにいるのが呂布んとこから下った張遼って奴みたいだぜ」
「あー、あれが・・・すっげぇ威圧感、こっわ」
「つってもあれだけ好き放題した奴に最後まで従ってたんだろ・・・そんな奴置いといていいのかねぇ」
「李典殿の親族だって呂布達が殺ったわけだしなぁ・・・」
聞こえるのか聞こえないか、それともわざと微かには聞き取れる程度の声量にしてヒソヒソと話す将兵達
その少し先にいる、悪名高き呂布軍から下り曹操に仕えることとなった張遼にむけての発言である
(やはり、よく思わぬ者も多いか・・・)
張遼は思い悩んでいた
以前仕えていた呂布、軍師の陳宮、共に戦っていた高順らは処刑された
一部、張遼よりも先に降伏していた将も数名はいたが、それでも孤独感を隠しきれていなかった
一度争い、後に同盟相手となり戦友とも呼べる仲にいた臧覇も、敗戦の後戦場から離脱することは出来たが、居場所が見つかりそちらに曹操が軍を引き連れ向かっていったと聞く
(臧覇・・・せめて楽に葬ってもらえてることを願うか・・・)
などとネガティブな思考に支配されている頭に、聞きなれた意外な声が響く
「お!張遼じゃねぇか!こんなとこで会えるたぁな!元気してたかよ?」
その声に振り向くと同時に驚きのあまり声を失う
「なっ・・・!?」
「おうおうどうしたんだよ、んな驚いた顔して」
「いや、お前・・・曹操殿が・・・」
「あぁ、曹操のやつ俺の居処つきとめやがってなぁ、捕えに来たとか抜かしやがるもんだからよ、腹くくって拳でもてなしてやるかって食って掛かったらなんか気に入られちまったみたいでな!そんまま召されることになったっつーわけよ」
「なんと・・・いやしかし、お前らしいというか・・・」
「なんだぁ?もしかして俺が斬られるとかって思ってたのかぁ?これでも呂布と渡り合うくらいには腕が立つってお前も知ってんだろ?」
「ふ、それもそうだな。いやしかし、元気そうなお前の顔を見れて少し気が晴れた」
数分前まで険しい表情をしていた張遼の顔が和らいだ
「なに急にきしょくわるいことを・・・そんなに俺との再会が嬉しいのかよ!?あんまし間が開いたわけでもねぇのに!」
「実を言うと、曹操殿に下ったはいいが、なんとも疎外感のようなものを感じていた。事実、俺を疎く思ってる者も少なくはない」
「んなこと気にしてたのかよ!らしくねぇ!」
「だろうか?」
「そもそもお前が戦場に立ってる姿を見りゃあよ、なんかごちゃごちゃ言ってる奴らだってすぐさま認めるだろうよ!
実際俺も、呂布とやりあったときに見たお前の姿には恐怖したしよ、そのあと味方として肩並べて共に戦った時は逆にすっげぇ勇気を貰えた訳よ
だからよ、お前はいつも通り一直線に戦う姿を見せてやればいいんだよ”」
ああ、この臧覇という男はいつもまっすぐに俺に何かを伝えてくれる
あの時、ただ呂布という暴君の下で我武者羅に武を振るうだけだった俺の心を照らしてくれたのはお前だった
「いつも通りか・・・確かに、俺にできることはただ武を振るい戦うことくらいか」
「そういうことよ!かっこよく戦場を駆け回ってる姿を見せつけてやりな!」
「ああ、そうしよう・・・
ところで臧覇、曹操殿に召されたと言っていたが徐州を離れるのか?」
「いんや~?徐州の領地そのままに加え、青洲の統治を任せる。ってよ」
「青洲はまだ我らの領土では・・・」
「おーよ、まぁ要するに俺に青洲攻撃させて、袁紹との戦に集中したいってこったろうな!俺も最初に聞いたときゃあ、何言ってんだ?ってなったけどよ」
「なるほどな。おそらく俺はこのまま本隊に合流して袁紹軍との戦に入るであろう。またしばしの別れだな」
「だなぁ!お前の名前がこっちにまで届くような戦いっぷり期待してるぜ~?」
「ああ、お前こそな
・・・今日はこうして話ができて良かった。また会おう」
「おうよ!そんじゃあな! あばよ!!」
少し前まで張遼の心を支配していた疎外感や孤独感のような感情は臧覇と話しているうちに消え去っていた
いつも通りの戦いぶりを見せればいい。その言葉を胸に張遼は魏の将として最初の一歩を踏み出せた
~fin~
あとがき
神速(極意)張遼と5-1弾魏臧覇イメージで書きました
極意味方掛けのセリフは臧覇からの受け売りだったら興奮するよな~みたいな感情が渦巻きまくって勢いに任せて書いてしまった所存です
こういったSS書くの初めてだしそもそも文を書いたりしないのでお見苦しくなっていたり、いろいろガバガバになってるかもしれませんがお許しを・・・
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