お兄様の杞憂
「財前専務~~!先ほどなんですけど、専務の妹さんがカッコいい男の子と一緒に歩いてるの見かけましたよぉ!彼氏さんですかねぇ?」
「な・・・なんだと!?葵に彼氏が・・・!?」
SOLテクロノロジーのNo2でもある財前晃が社全体に響くほどの大声で狼狽える
「早見!!その男の特徴を教えてくれ!!はやく!!」
「え・・・えぇ、多分同じ学校の制服着てたので同級生とかですかねぇ・・・?私も急いで歩いていたので詳しい特徴までは・・・」
「くっ・・・!!すまない、私は少し席を外すぞ!!」
なんということだ、あの葵が彼氏を作ってしまうなんて
確かに年頃なのだ、いつかはこんな日が来ると覚悟はしていた、しかし・・・
「で、晃?私たちを呼び出した理由って?早急に来てくれなんて珍しいわね」
「そんなに焦ってお前らしくもないな」
「エマ、ブラッドシェパード、来てくれて感謝する。早速本題なのだが、妹の葵に彼氏が出来たようなんだ・・・どうやら同じ学校の男らしい。君たちにはその男の素性を探ってほしいんだ」
呼び出された二人が静まり返る
「あのね、晃、あの子も年頃なのよ?同級生の彼氏くらい作ったっておかしくないじゃない」
「確かにそうなのだが・・・しかし・・・」
「・・・・・・・財前、協力しよう。妹に振りかかる虫は全力で撃ち落とすべきだ」
「ちょっと兄さん!?・・・もう勝手にしなさい、私はもう行くわよ」
行動を開始する財前晃と道順健碁
「財前、妹がどこにいるか心当たりはあるのか?」
「私としたことが・・・何も下調べせずに来てしまった」
「おい・・・連絡取って確認するとかは出来ないのか?」
「出来ることは出来るが・・・しかし・・・」
「まぁ気持ちは分かる。俺もエマに何かあればそうなるだろう」
prrrrrrrrrrrr
「む、エマからの入電・・・?」
『晃?葵ちゃんだけど、屋台のホットドッグ屋にいるの見かけたわよ。場所送っておくわね』
「本当か・・・感謝する!!、行くぞブラッドシェパード!」
「ああ!」
カフェナギにて
「それじゃ、ホットドッグとコーヒー二つずつ頂こうかしら」
「毎度あり!また御贔屓にね~」
「それじゃ藤木くんもここまでありがとうね」
「いや、気にするな。俺もここが帰る場所みたいなものだからな」
「ゼェゼェ・・・あ、葵!!ここにいたか!!!君は藤木遊作くん・・・??ま、まさか!!??」
「お兄様!?こんなところでどうしたの!?」
「いや・・・その・・・葵こそこんなところでどうしたんだ???」
「ここのホットドッグとコーヒーが美味しかったからお兄様にも食べてもらいたいと思って・・・買いにきたの。藤木くんのバイト先なのよ」
「な・・・・そ、そうだったのか・・・・・」
「どうやら・・・杞憂だったみたいだな財前」
「そうみたい・・・だな・・・」
「???仕事終わりなら、冷めない内に一緒にどうですか?」
「は・・・ははは、そうだな。せっかく買ってくれたのだし、頂こうか」
「財前、俺は帰るぞ・・・俺もエマの分も買っていくか・・・」
~END~
ヴ見てて辛かったので幻を書きなぐりました
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