exD DDC —— USB to SDIF & Dual AES コンバーター
exD DDCとは
exD DDCは、USB入力をDual AES出力やSDIF出力に変換するDDCです。香港のガレージメーカーであるexDが製造販売しています。2024年現在は国内に代理店がないため、exD DDCを個人で輸入しました。
exD DDCの機能
exD DDCは、USBから入力された信号を以下の出力に変換します。
S/PDIF
AES/EBU (Single AES)
Dual AES
SDIF-2, SDIF-3
S/PDIFとAES/EBUは一般的なDDCと同様ですが、Dual AESとSDIFは主に業務用の機器で用いられる方式です。これらに対応していることがexD DDCの特徴なので、ここで詳しく紹介します。
業務用デジタル伝送規格 —— Dual AESとSDIF
Dual AES
名称のとおり、AESケーブルを2本使用する伝送方式です。サンプリングレートを分割して伝送することで、高サンプリングレートでも低ジッターで伝送できます。
dCS が開発した方式ですが、後にAES3規格に組み込まれ、一部の他社製品にも採用されています。
SDIF
Sony Digital Interface Formatの略称です。S/PDIF (Sony/Philips Digital Interface) と似た名称ですが、全く異なる規格です。世代に応じてSDIF-1~SDIF-3があり、いずれもステレオ信号を複数のBNCケーブルで伝送します。SDIF-2は右ch、左ch、ワードクロックを個別に伝送するため、ケーブルが計3本必要です。一方、SDIF-3はワードクロックが左右chに重畳されており、ケーブルが計2本で済みます。
https://www.sweetwater.com/insync/sdif/
最初期のデジタル伝送規格のひとつですが、2024年現在でも一部の業務用機材には搭載されており、主にDSD信号の伝送に使用されています。
dCS 954との接続テスト
Dual AESとSDIFを試すため、dCS 954に接続してみました。dCS 954は1997年に発売された最初期のDSD対応DACですが、2024年現在でも複数の音楽制作スタジオで使用されています。
Dual AESとSDIFの両方に対応しており、SDIFはSDIF-2とSDIF-3の両方に対応しています。今回はSDIF-2で接続しました。
次に、exD DDCをコンピュータとUSBで接続します。DSDおよび88.2kHz以上のPCMを再生するには、USB Audio Class 2.0で接続する必要があります。今回試したLinuxはUSB Audio Class 2.0に標準対応しているため、接続すると自動的に認識されました。ただし、Windowsでは専用のドライバーが必要です。
まずはDual AES接続を試します。
exD DDC本体を2-wireに設定します。
PCM(88.2kHz以上)を再生します。ただし、この段階では正しく再生されません*。
dCS 954を操作し、手動でDual AES入力に切り替えます。
PCMが認識され、楽曲が再生されます。
(*dCS 954には、Single AESとDual AESを識別して、入力を自動で切り替える機能が備わっています。ただし、これは音声信号にdCS独自のフラグを付与することで行われており、dCS製品間でのみ有効です。exD DDCはこの機能は非対応なので、dCS 954の入力を手動で切り替える必要があります。具体的には、AES1を押しながら、AES2のスイッチを押し、指を離すとDual AESに切り替わります。)
次にSDIF接続を試します。
dCS 954を操作し、メニューで「BNC I: SDIF」「BNC: Input」「DSD: On」に設定します。
exD DDCを操作し、本体のトグルスイッチをSDIF-2に切り替えます。
DSDをDoPで再生します。ただし、この段階では正しく再生されません。
dCS 954を操作し、手動でBNC入力に切り替えます。
DSDが認識され、楽曲が再生されます。
まとめ
exD DDCを使って、dCS 954でDSDとハイレゾPCMを再生できました。ほとんどの業務用DACはUSB入力が非搭載ですが、exD DDCを介せば間接的にUSB接続できます。つまり、古い業務用DACを、最新の民生用PCやネットワークプレイヤーで鳴らせるのです。機会があれば、EMM labsやMytekなど他社のDACでも試してみます。
補足
中文のページですが、exD DDCの詳細レビューもあります。
http://www.feversound1.com/150610-exd/