ロルフィングの「メニュー」について。
知り合いの人と話している時に、「ロルフィングは気になるんだけど、10回必ず受けなきゃいけないんだよね?」と、質問されることがよくあります。
「ロルフィング」には、「10シリーズ」と呼ばれる、「テーマの違う10回のセッションを受けることで、身体の構造を、表面的にではなく内側の深いところから、段階的に、無理なくバランスを整えていく」というコンセプト、考えがあります。
「自然に全体のバランスが取れてくる」ためには、「時間をかける」のが大切だということです。
けど実は、「単発セッション」というものもしていて、こちらは「一回完結」で、「その時の身体にとって、必要なことをする」ことにポイントを置いています。
そこで、ロルフィングの「メニュー」に関して、下にまとめてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。
【10シリーズの深堀り】
「10シリーズ」に関しては、「家のフルリフォーム」のようなイメージで、「症状が出てきたら、その度に対症療法的に施術してもらうのではなく、そもそも症状が出てきにくい身体になりたい」という方には、すごくおすすめです。
僕も基本的には、「10シリーズ」を受けてもらいたいなと思っています。
10回のセッションの最初は、「呼吸」からアプローチしていって、次に、身体の構造の「基礎」に当たる「足」、そして、少しずつ「下から上に」向かって整えていきます。7回目のセッションでは、身体の構造の一番上にある「頭、首、肩周り」を解放することで、「重力と調和した」状態になり、力を抜いて立っているのに、足元は「グランディング」しつつ、「上に伸びていく」ような感覚が得られます。
構造のバランスが取れてくると、長年あった痛みや、なかなかどこに行っても改善しなかった不調、違和感が、すっきりとしていることもあります。内臓の活動にも変化が出るので、日々の身体の代謝、循環が効率的になり、朝の目覚めがよくなったり、きつい便秘が楽になった方もいらっしゃいました。
また、「構造」と「機能」は、互いに影響し合っているので、歩き方が変わって、家の階段を楽に上れるようになったり、スポーツのパフォーマンスが向上することもあります。
さらには、「感情」「考え」の変化を感じる人も多く、身近な人への接し方が柔らかくなったり、仕事の取り組み方や、自分の人生を見つめ直すきっかけになる方もいます。「精神疾患」がある方も、医療機関の継続的なサポートを得ながら、少しずつ快方に向かっていくケースもあります。
「あるべき状態に還る」
「本を正す」
そこを大事にすることによって、身体には本当にいろいろな変化が起こってきます。それは、ロルフィングをする僕が決められることではなく、受け手の人の身体が持っている「可能性」によって、「期待できる効果」は変わります。いつもそんな、多様でダイナミックな変化を目の当たりにさせてもらって、「身体って不思議だな、すごいな」と、毎回のセッションで新鮮な驚きがあります。
【単発セッションについて】
「festaのロルフィング」を受けてくださっている方の中には、「なかなか遠方なので、定期的に通うのは難しい」という方や、「金銭的に10回を連続で受けるのは厳しい」という方もいらっしゃいます。
そんな方には、「単発セッション」をおすすめしています。
ちなみに、東京と関西の芦屋に「出張ロルフィング」をしていますが、そこでは「単発セッションのみの提供」になります。出張するペースが、「10シリーズ」をするのに適した頻度ではないのが、その理由です。(補:東京でも、「10シリーズ」を提供できるようになりました。)
「たっぷり120分」は、「説明、着替え、問診、施術、フィードバック」をすべて含んだ時間になります。もっと短い時間でセッションをする人もいますが、僕にはこれくらいの時間が合っているので、時間は長めにいただいています。身体の状態によっては、少し短めに終わることもあります。けど、「身体は生き物」なので、こちらがあらかじめ決めれるわけではなく、時間には少し幅があります。(これは、「10シリーズ」の各セッションでも同じです。)
「身体の状態がかなりきつい場合」には、「2、3回くらい」続けて来てもらうこともありますが、大体は1回で済むことが多い印象です。
「すっきり60分」は、「仕事が忙しくて、自分の身体になかなか時間をかけられない」という方や、「子育て」「介護」によって、自分の時間を取ることが難しい方もいらっしゃるので、新しく「メニュー」に追加しました。
あるクライアントさんから、「もう少し時間が短くて、料金も安いと、ちょこちょこと通いやすいのにな」という感想をいただいたので、同じような考えの方もいらっしゃるかもしれません。
【はじめての方へ】
以前は、「おためしセッション」をしていたのですが、「ロルフィングが気になって、はじめて受けるんだけど」という方には、先に書いた「すっきり60分」を体験してもらえたらと思います。
特に「はじめての方」には、「今、現時点の身体の状況を、一緒に共有すること」を一番大事にしています。平たく言うと、「評価(現状把握)」に重きを置いています。「どんな感じの施術をするのか」に興味がある方が圧倒的だと思うのですが、ロルフィングのような「ボディワーク」は「治療」ではないので、「何をしてもらうのかは、施術者におまかせして、自分は寝ていればいい」というものではありません。
「自分の身体の健やかさ」は、自分で「責任」を持つという「主体性」がとても大切なポイントで、そのためには「自分の身体を知る」ことが欠かせません。
僕はその「サポート(ガイド)」をさせてもらうだけで、不思議なことに、「(ガイドをしてもらいながら)自分の身体の現在地を知る」と、「身体全体のバランスが変わる」のです。
「知ること」と、「変わること」の距離は、思っているよりもずっと近いということです。
ここがなかなか伝わりにくいのですが、「施術者の超絶技巧」によって、「(一方的に)身体のダイナミックな変化」が引き起こされるわけではなく、「ああ、ちょうど今、触ってもらってるところが、普段苦しくなるところで、そこのスペースが縮んで狭くなってるのに気づきました。そしたら、なんだか、ふっとそこが軽くなりました」という感じで、僕が「手で触れる」ことで、「自分の身体の状態に気づきやすく」なります。
「(適切に)気づく」と、身体がそれに「反応」してくれます。その結果として、強張っていた筋膜がゆるんだり、動きがなかった内臓が動き出したり、背骨が自律的な調整をはじめたりします。
「手を置いているだけのように感じるんですけど、なんで身体は変わるんですか?」と、みなさん不思議そうに聞いてくれますが、身体の「常に最適なバランスを保とうとする働き(自己調整能力、自然治癒力)」を、少しだけ「手助け」しているのです。
話がうねうねと脱線してしまいましたが、「はじめての方」には、「僕(ロルファー)が何をするのか」ももちろん大切なのですが、「あなたの身体はどんな状態なのか」を、まずは優先しています。
ここでは伝わらない内容も、「すっきり60分」の中で、時間をかけて説明させていただきますし、「質問」は何でも答えます。
「どこに行っても、この痛みと違和感は良くならないって言われるのですが、どう思いますか?」
「枕ってどんなのを使ったらいいですか?」
「何か運動した方がいいですか?」
「なるべくフラットに、全体的な視点に立ったアドバイス」をしたいと思っているので、身体に関することであれば、何でも気になることは聞いてくださいね。
【お子さん、学生の方へのロルフィングについて】
ロルフィングの創始者である「アイダ・ロルフ(Ida Rolf)」さんは、「生まれたばかりの赤ちゃん」や「小さな子どもたち」へロルフィングするのが好きだったと、アイダさんから直接学んだ先生から教えてもらいました。(写真は、アイダさんが実際に赤ちゃんにロルフィングしている様子です。)
「生まれてすぐの赤ちゃんにロルフィング?」と、不思議に感じる方も多いかと思いますが、赤ちゃんは、お母さんのお腹の中という、光、音、重力などの影響を受けにくい安全な環境で、10ヶ月程度の期間を過ごし、そこから、自らの力で狭い産道をくぐり抜け、眩しい光、周りの大人たちの声や音、そして自分自身の身体の重さを一気に体験することになります。
環境が「がらり」と変わるわけですね。
あるボディワークでは、そんな赤ちゃんが体験する壮絶なプロセスを、「バーストラウマ(出生トラウマ)」と呼んで、「一番最初に誰もが受けるトラウマである」というような考え方もあったりします。
「整体の祖」である「野口晴哉(野口整体の創始者)」さんは、「どのようにこの世に生まれ出るかが、その子の人生を左右する」とも考えていたようで、「出産前後に、母親はもちろん、周りのサポートする家族も、いかに気を集中させるか」ということを大切していたとも言われています。
僕が赤ちゃんにセッションをさせてもらってきた経験では、生まれてきてすぐであっても、「脊柱にわずかな歪み」があったり、「頭蓋骨に凹み」があったり、「左右で股関節の動き方が違う」といったようなお子さんは、割と多い印象です。
でも、赤ちゃんや子どもたちは、「ほとんど圧をかけずに、優しく触れているだけの必要最低限のアプローチ」をするだけでも、「驚くほど短時間(10〜15分程度、早い時には数分)」で変化が出てきます。
それだけ、「変化の可能性に満ち溢れている(変化が早い)」のです。
グッと「強く押す」ことも、バキッと「急な力を加える」こともないので、ご安心ください。
赤ちゃんから少し大きくなった、幼稚園、保育園、小学校のお子さんへのセッションもしていますが、それくらいの年齢のお子さんには、「原始反射」という、僕ら人間が生きていくために「誰もが持っている反射」があって、それらが「より高次の脳機能」に統合されずに、「残存」している場合もあります。
それが上手に「自然な発達のプロセス、流れ」に乗っていくように、セッションでサポートすることも可能です。(原始反射が残存していることは、特段「珍しい」ことでもなく、僕たち大人でも、「気づいていない」人はたくさんいます。)
それ以外にも、中学生、高校生、さらには大学生、専門学校生で、「部活動、クラブ活動」などで、「スポーツを熱心に取り組んでいる学生の方」にも、ロルフィングはとてもおすすめです。スポーツで起きる怪我、障害は、「部分に負荷がかかり過ぎている」ことによって発生していることが多く、ロルフィングで「身体全体の構造のバランス」を整えることで、「痛みや違和感の軽減」も期待できます。
さらには、僕自身、プロスポーツ選手、オリンピック出場選手などの「トップアスリート」の方にも、ロルフィングのセッションを提供してきたこともあるので、「パフォーマンス向上」のためにロルフィングを受けるのもいいかと思います。
以上のように、様々な年齢の方にもロルフィングを受けていただきたいと考えているので、「キッズロルフィング」「学生ロルフィング」という「メニュー」もあります。
「うちの子にも、ロルフィングがいいのかわからない」という方は、下記の連絡先から、お電話またはメールで、気軽にご相談、お問い合わせください。
長くはなりましたが、ロルフィングの「全体的なアプローチ」が、多くのお子さん、学生の方の力になるとうれしいです。
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お問い合わせ先
以上、ロルフィングの「メニュー」についてでした。
さらなる情報、「実際に受けてみたい」という方は、上のお問い合わせ先からご連絡ください。
みなさんにお会いして、ロルフィングのセッションをできることを楽しみにしています。
Rolfing House festa | 大友 勇太