VOiCE、やらせじゃね?と言われる話
「VOiCE」を立ち上げて、もうすぐ2年。この2年はダイレクトに企業の経営者様や人事担当者様と対話しながらプロダクトを磨いていくことを優先するべく、大々的なマーケや広報をせずに直販体制に力を入れてきました。
「現職社員、それも活躍人材の声だけを集めた口コミサイト」という独自のポジショニングから、退職者の声ばかりが投稿される口コミシーンに疑問を持つ経営層や人事の方々から力強い賛同を頂く半面、
「現職社員だから良いことしか書かないんじゃないか」という声、また「良い声ばかりの口コミをユーザーは信じるのか」という声など、否定的な意見も一部寄せられることもありました。
要するに、やらせなんじゃないの?ということですね。
今日はそんなご意見に対するアンサーを記事としてまとめます。
まず、どんな世界を創りたいか
既存の口コミサイトに書き込まれる「退職検討理由」は本音で、
VOiCEで社員に回答頂く「今ここにいる理由」はやらせになる…?
じゃあ、居酒屋で花が咲く愚痴話は本音からくるもので
居酒屋で盛り上がる真面目な話は忖度…?
…みたいな世界観をぶっ壊して変えたいな、という世界観の中に僕は身を置いてます。
なので、上記にある前者側の意見がまん延する世の中に居心地の良さを感じるなら、ずっとそこにいれば良いんじゃないですか?というのが僕の意見でもあります。否定するつもりもないです。
またこれらは二項対立ではなく、グラデーションのように、行き来できるものでもあるとも思っています。だから僕は常に端っこ(後者)のほうに振り切った「狂気」を持っていようと思うわけです。少しでも、僕の思う「良い」影響を与えられるように。
というのが前提にあることを、この話題の出発点とします。
既存の企業口コミサイトに書き込む人々とは
そもそも、口コミサイトというもの自体、就職・転職活動時に用いられるもので、書かないと読めない構造上、転職検討ユーザーや退職済みユーザーが書き込むケースが圧倒的に多い。
それでいて、マネジメントに携わったことがある人はよりイメージしやすいことなんですが、既存の投稿型口コミサイトに書き込んでいる人たちって、ごく一部の辞めた人が多かったりします。
人によっては前の職場や同僚に感謝している人もいる。その人たちは足を引っ張るのも申し訳ないな…と思って、わざわざあれがダメこれがダメと公の場に書き込もうとは思わない。
なので、わざわざ書き込みにいくほどの強い憎悪や怒り、あるいは嫉みや妬みの気持ちがある人はよっぽどなんだと思います。もちろん、だからこそ、重要な声だと理解もしています。
じゃあ、VOiCEに書き込んでもらう人々は
で、本題ですが、VOiCEに書き込んでもらう人々は、活躍人材です。これまたごく一部です。
ここまでの流れからご理解頂けると思いますが、したがって、既存の口コミサイトに書き込む人だって辞めた人のごく一部だし、VOiCEに書き込んでもらう人だって現職社員のごく一部です。
これで初めてフェアな状態になれると思うわけです。いや、本質的にはフェアじゃないんですけど。だって「社名+口コミ」で検索した時に上から10サイト中1サイトがVOiCEになっても、9サイトは退職者の口コミなんで。
すると、こんなこともよく言われます。
「口コミを見に行く人は悪口を見たいんじゃないの?」問題
これ、本当によく言われます。
よく言われるんですけど、おもしろいデータがあります。
とりわけ調べている側の学生さんは、悪口を見たいというよりも、もっと奥の、自分自身の志望動機をどう言語化するか、ESに何を書こうか、面接で何を話そうか、内定承諾をするべきかなど、前向きな姿勢で情報収集することが目的で、口コミを閲覧しています。もちろん、上記のグラフが全てではありませんが。
なんですけど、見に行った先で、思いのほかネガティブな意見に出くわす。
すると、何が起きるか。
多くの人が「静かな離脱」を起こします。
もともと応募しよう、選考を受けてみよう、入社してみよう、という前向きな気持ちで情報収集をする中で、出くわす意見は辞めた人の辞めた理由。
それでは調べる側(求職者)も、調べられる側(企業)も、不幸な機会損失を起こしている可能性がありますよね。
で、ちょっとだけ、話を遠回りさせて頂きます。
私が一番好きな中華屋さんと食べログの話
私が学生の頃から通う大好きな中華屋さんが神楽坂にあります。お昼時になると、とてつもない行列が生まれるお店です。ですが、お店はお世辞にも綺麗とは言えない。店員さんも結構雑です。
じゃあ、なんでこんなに並ぶんだろう?と食べログを見ます。すると、「チャーハン」を目当てに行列が生まれていることがわかります。麺類は美味しくないという意見もままあります。店員さんへの文句も多数見られます。
でも、このお店を選ぶ人は「チャーハン」を選んでいるわけです。
会社だって、同じじゃない?と思うのです。
「大企業と比べればいまのウチは給料が安い」
「時期的にどうしても残業が多くなる」
「会社のフェーズ的にまだ教育体制が不十分だ」
など、イケてないところを挙げたらキリがない。
それでも、その会社を選び、働き続けている人もいる。チャーハンを選ぶのと同じように、その人がその会社を選ぶ理由がある。
話を戻します。
だから「辞めた理由」より「今ここにいる理由」を
VOiCEは、だから、「辞めた理由ではなく、今ここにいる理由」を届ける場所にしました。
会社や仕事が合わず、辞めていった一部の人の声だって重要だし、会社や仕事が好きで、続けている人の一部の声だって重要。
だったら、そうした活躍人材がどんな気持ちや価値観で働き、どのような努力を重ねて活躍しているのか、またどんな人たちと日々切磋琢磨しているのか。そんな数々の意見から自分の成長イメージ・活躍イメージを持ちながら、ポジティブな意思決定をしていく。
辞めた理由が辞退理由になるなら、今ここにいる理由は志望理由になる。
そんな、もう一つの選択肢をこの世界に増やすことが、VOiCEで実現したいことなのです。