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【回答例つき】社費留学MBA 社内選考の面接攻略法と必ず聞かれる質問11個の回答ポイント

MBA留学を目指しているみなさん、下記のような悩みを持っていませんか?

・MBA社費留学を目指しているが、社内選考のプロセスを知りたい
・社内選考の面接で聞かれる質問を具体的に知りたい
・社内選考の面接攻略法と、社費留学経験者の回答例を知りたい

この記事を読めば、MBA社費留学の社内選考で重要な『面接対策』の概要を知ることができるだけでなく、面接で必ず聞かれる質問とその『質問の意図』を正しく理解し、面接官に響くポイントを理解することができます。

なぜなら、倍率60倍の社内選考を突破した私が、自分の経験と複数のMBA社費留学生にヒアリングした内容をもとにアドバイスしているからです。

それでは早速はじめましょう!

MBA社内選考のプロセス

まずはMBA社内選考のプロセスはどのようなものか、全体像を知ることが重要です。会社により多少の違いはありますが、以下が一般的な社内選考のプロセスになります。

① 社費選考募集開始
② 応募条件・制度を確認してアプライ(or 上司からの推薦)
③ 小論文提出
④ 面接(1回~2回、場合によっては集団面接も)
⑤ 結果発表 (9月~12月の企業が多い)

社費留学突破の鬼門は小論文と面接です。実際に選考を突破してMBA留学すると、会社から約2,000万円の金額を投資してもらえるわけですから、しっかりと準備して臨みたいものです。

小論文の攻略法については以下の記事で詳しく紹介しています。学びたい方はぜひ参考にして下さい。

MBA社費留学制度の具体的な注意点や、派遣制度の例については以下の記事で紹介していますので、詳しく知りたい方は参考にしてください。

MBA社内選考の面接における戦略

私自身、社費留学を経験し、これまでに留学カウンセラーやMBA同期とも話した内容を踏まえると『MBA社内選考におけるポイント』は以下の3つになります。

① 会社に貢献できるか? → 会社の課題、解決策を語る
② 会社を辞めないか? → 長期的な目標・キャリアゴールを語る
③ MBA派遣させる資質・資格はあるか? → これまでの仕事の成果とMBA留学への準備を見せる

つまり、派遣元の企業および人事部の目線から見て『将来、会社の経営者候補を育成する上で相応しいか?』が問われるわけです。

これらの質問を答える際のポイントは、以下の4点を踏まえて論理的に答えることです。

・Why MBA?
・Why now? 
・Why me?
・Why this school?

どういうことか、具体的に解説していきます。

① 会社に貢献できるか?(Why MBA? Why now? Why me?)

社費留学の候補者はこれからMBAを学びにいくわけですから、一担当者の視点に留まっていてはいけません。経営者目線で会社の課題を捉え、解決策を提示することは非常に重要です。

会社のあるべき姿を描き、自社の経営方針や今後のマーケットの流れを意識しつつ、解決策を具体的に語れるようにしましょう。そして、『解決策を実行するために今必要なものがMBAである』ということを論理的に示すことが重要です。

加えて、忘れてはいけないのが『Why me?』の要素です。MBAに行くだけで解決できるほど経営課題は単純ではありません。『これまでの経歴で〇〇のような経験をしている自分だからこそ、この課題を解決できる』という、あなただからこそ解決できる理由をしっかり示しましょう。

このあたりの要素(Why MBA? Why now? Why me?)は後述の “私の回答例⑧、⑨、⑩” に盛り込んでいます。

② 会社を辞めないか?(Why MBA? Why me?)

会社にとって①と同様に重要なのが『MBAを取得した後に会社を辞めないか?』ということです。
この点に関する対策は、『長期的な視点(5年以上)』を加えることが重要です。

会社の課題に対する解決策や、自分のキャリアプランについて、短期的な視点(3~5年後)と長期的な視点(10年後)を両方準備しておきましょう。

そして、MBAの一般的なキャリアパスであるコンサルや投資銀行に行くことより、『会社に残る方が魅力的である理由』をしっかり用意しておくべきです。

ここについては、後述の “私の回答例⑤ MBA取得後に、あなたが実現したいこと、あなたのキャリアプランは?” の中で述べています。

③ MBA派遣させる資質・資格はあるか?(Why me?)

最後に、MBA留学に対する本気度と熱意、そしてこれまで仕事でどれだけの成果を残してきたかを問われます。

MBA留学への熱意という点においては、社内選考を受ける時点でTOEFL、(可能であればGMAT)のスコアをある程度伸ばしておくと良いです。

TOEFLはMBA受験の過程で最も準備時間が必要とされます。社内選考時点で一定のスコアを達成していれば、自主的に計画して準備を進めているという本気度を評価してもらえるでしょう。目標スコアが出ていなくても、初受験のスコアから何点伸びたかなど、目標に向けて計画的に取り組んでいることは評価に繋がります。

これからMBA留学を目指されているみなさんへのアドバイスは、『MBA合格を最優先した行動・先行投資をする覚悟』をすることです。私はMBA準備費用に250万円ほどかけましたが、結果会社から2,000万円以上の投資をしてもらったことになるので十分にペイしています。

同時に、これまでの仕事で達成したことや成果をまとめておきましょう。自身のキャリアを振り返り、達成したことを踏まえて、『このような(独自の)キャリアを積んできた自分だからこそ会社に貢献できる』という自分だけが発揮できる価値に繋げていくことが重要です。

ここについては後述の “私の回答例 ②、③、④および ⑩なぜ会社にとって『あなたをMBA派遣させること』がメリットになるのか?” に盛り込んでいます。

MBA社内選考で必ず聞かれる質問リスト、質問の意図と回答のポイント

それではここから実際に社内選考で質問された内容と、その質問の意図(Question behind the question)を解説していきます。なぜ質問の意図を意識することが重要かというと、社内選考では、面接官は先述した3つの『MBA社内選考におけるポイント』を念頭に置きながら候補者を評価しているからです。

したがって、面接では『質問の意図』を正しく理解し、論理的に回答することが社内選考突破のカギになります。

① MBA社費派遣制度に応募した理由(志望動機)は?

(質問の意図)
Why MBA?に繋がる質問です。意図としては、なぜこのタイミングでMBA社費派遣を志望したのか?つまり、会社のあるべき姿に対してどんな課題を感じていて、なぜMBAが必要なのかを簡潔に答えましょう。

(回答のポイント)
まずは結論を簡潔に書くことで、あなたのキャリアゴールを明確にしましょう。次にMBAがどのようにそのキャリアゴールに寄与しているか、MBAを通した自分の成長と、会社の課題解決がどのように連動しているのか、全体像を語りましょう。(多くの場合、詳細なFollow-up Questionがあるので、あくまで簡潔に留めましょう)

② これまでの業務でやりとげた/達成した成果は?

(質問の意図)
これまでの仕事の成果、達成したことに関する問いです。派遣元の企業にとっては、会社で仕事をしている以上、業務で成果を上げてもらうことが一番の優先事項になります。理想を追うだけでなく目の前の業務でしっかり成果を出しているかを確認するための質問になります。

(回答のポイント)
これまでの成果を定量で示し、簡潔にまとめましょう。真剣に業務に取り組むことで、会社の課題もより明確になってくるはずです。業務を通して得られた課題感も示しながら、自分なりの視点を持って成果を上げたことを語れると効果的です。同世代と比較して自分の強みは何か?ということも意識しながら答えられると良いでしょう。

③ これまでの業務において直面した困難は?それをどう乗り越えたか?

(質問の意図)
仕事をする上で避けては通れない『困難』に直面した時の行動やマインドを問う質問です。これはMBA受験の本番でも必ず聞かれます。人は困難に直面した際に本質が現れると言われます。つまり、間接的にはその困難に対してどのように向き合うのか?という『候補者のリーダーシップの本質』を問う質問になります。これまでの経験を振り返り、あなた自身の『強み』が発揮されたエピソードに関連付けて答えると良いです。

(回答のポイント)
回答におけるポイントは、MBAエッセイの書き方ガイドで紹介した『5段落構成』の考え方を活かすことです。

ステップ①:状況説明
ステップ②:あなたのタスク
ステップ③:あなたの起こしたアクション
ステップ④:結果
ステップ⑤:一連のアクションと結果から学んだこと

面接なので完全に5ステップに分ける必要はありませんが、これら5つの要素を意識して話すと面接官にもストーリーが伝わりやすいです。私の回答例では5つの要素のうち、4つ目までを盛り込んでいます。

④ ③で困難を乗り越えた経験から何を学んだか?

(質問の意図)
過去の成功体験から学んだことを問われます。この質問の意図は、『過去に発揮したパフォーマンスを再現可能か?』ということです。成果からの学びを本質的に理解し、違う環境やタスクでも一定の成果が発揮できるかを試されています。

(回答のポイント)
前問に引き続き、『5段落構成』の考え方を活かしましょう。私の回答例では、5つ目の要素である『一連のアクションと結果から学んだこと』を語っています。

⑤ MBA取得後に、あなたが実現したいこと、あなたのキャリアプランは?

(質問の意図)
MBA社内選考の中でも最も重要な質問の1つが『MBA取得後のゴール、キャリアプラン』になります。質問の意図としては、MBA卒業後、会社にどんな利益をもたらしてくれるか?会社を辞めずに長期的に貢献してくれるか?を問うための質問です。①で問われた『Why MBA?』の回答と連動させることが重要になります。

(回答のポイント)
MBA取得後に成し遂げたい事と、自身のキャリアプランは面接の中で最も重要な質問の1つです。ポイントは、『長期的(Long-term)』な姿勢を見せることです。会社と人事担当者側から見て、MBA取得後、5年後~10年後の目標を持っていると候補者のほうが『帰国後も会社に残ってくれる』という印象に繋がるからです。できれば3~5年後(Short-term)、10年後(Long-term)を両方用意しておきましょう。

具体的にPost-MBAのキャリアビジョンを描けているかどうかはMBA本番のエッセイやインタビューでも必ず聞かれるので、早めに準備しておくことで当然MBA受験にも役立ちます。私は社内選考の準備のおかげで、本番のエッセイを書くのがかなり楽になりました。

⑥ これまでの業務で失敗した経験は?それをどのように改善したか?

(質問の意図)
この質問にはいくつかの意図があります。主に面接官は、あなたがどれほど『正直』であるか、そしてあなたが何に対して『動揺』するのかを見極めようとしています。 この種の質問は、私たち全員が間違いを犯した経験があることを前提としています。面接官はあなたがプレッシャーの下でどのように対処し、学んだ教訓をどれだけうまく吸収できるかに関心を持っているのです。

(回答のポイント)
質問の意図からも分かるように、第一に『本当に失敗した経験』を語りましょう。そして、困難や失敗を経験した際、そこからどのように学び、次の行動に繋げたかに焦点を当てましょう。将来の経営者候補やグローバルリーダーとして失敗から学ぶ姿勢は非常に重要で、いかに失敗体験を自分の成長に繋げられるかを試されています。

⑦ あなたにとってのリーダーシップとは?どのようなリーダーが理想と考えているか?

(質問の意図)
自分の理想とするリーダーシップを理解しているか?それに向かって日々努力をしているかという問いです。リーダーシップは先天的に備わっているものではなく、日々の行動を通して培われていくものであり、自身にとってのリーダー像やあるべき姿を描けているかが問われています。

(回答のポイント)
MBAにおいてはハードスキルだけでなく、リーダーシップのようなソフトスキルも重要視され、ビジネススクールでも様々な場面でリーダーシップを発揮することが求められます。

この問いでは、これまでに経験した理想とするリーダーとしてエピソード(上司、取引先、MBAホルダーなど)や、自分のリーダーシップスタイル、リーダーに必要な要素、などを一般論『The Answer』ではなく、自分がリーダーになるならこのやり方、という『My Answer』を用意することが重要です。

私の回答例でも、自分だけのエピソードを盛り込んでリーダー像の『My Answer』を語っています。

⑧ なぜ海外MBAなのか?(国内MBAではだめなのか?)

(質問の意図)
Why MBA?に関連する質問です。質問の意図として、国内MBAのカリキュラムではなく、海外MBAで習得したい知識・経験・スキルが明確で、それらが学べる環境をしっかり調査しているか?が問われています。つまり、スコアメイクや面接対策と並行して、スクール調査も進めておくことが大切です。

(回答のポイント)
この質問に答えるには、文脈をしっかり面接官に伝えることが重要です。まず、あなたのこれまでのキャリアを整理して簡潔に伝えます。次に、『将来のキャリアプラン』を詳しく説明します。そして、これらの計画の実現可能性を評価し、『海外MBA』でなければ達成が困難である理由をロジカルに説明しましょう。これらをプレッシャーのかかる実際の面接のなかで説明するのは難易度が高いので、十分に準備してから臨みましょう。

⑨ なぜ “今” MBAが必要なのか?

(質問の意図)
これもWhy MBA?に関連する質問です。これまでのあなたの経歴を整理した上で、今MBAを学ぶ必要性を『目指すべきキャリアゴール』と『現状の課題』を踏まえた上で論理的に説明できるかを問われています。現在→MBA→キャリアゴールが一直線に繋がるようにストーリーを語れるようにしましょう。

(回答のポイント)
前問と同様、この質問に答えるにはいくつかの前提条件を説明することが必要です。まず、あなたの『過去の経歴』についてポイントを整理して伝えます。次に、『将来のキャリアプラン』を詳しく説明します。そして、これらの計画実現性を鑑みた上で、MBAなしでは達成が非常に困難であり、今がMBAを取得する上で最良のタイミングであることを説明します。事前の準備が非常に重要な質問になります。

⑩ なぜ会社にとって『あなたをMBA派遣させること』がメリットになるのか?

(質問の意図)
言い換えれば『Why me?』という質問です。意図としては、『あなたにしか解決できない課題は何ですか?』という問いにロジカルに答えることが要求されます。つまり、これまでのあなたの独自のキャリアに加えて、MBA習得によるあなたの成長と会社の成長をリンクさせることが重要です。

(回答のポイント)
まずは、あなたが歩んできたキャリアを棚卸しして、人とは違うユニークな部分に目をつけましょう。例えば、『営業を経験して現場を知っているマーケターである』や、『工場のオペレーションを知っていて、かつ経営企画部で経営的な視点もある』など、何でもいいので会社の人材の中でユニークな部分を見つけます。そこにMBAで学びたいことを加えることで、あなたにしか解決できない課題はこれです!ということを示していきます。

自分か経験したキャリアを踏まえて、自分だけが出せるバリューにフォーカスし、あなたがMBAに行くことが会社の成長とどう繋がるのかを明確に示しましょう。

⑪ 志望校は決まっているか?

(質問の意図)
MBAに対する本気度が試されている質問です。意図としては、自分がMBAで習得したいことが定まっており、それを学べるスクールの選択基準が明確かどうかを問われています。

(回答のポイント)
社内選考の時点ではスクール調査はそれほど進んでいない方が多いかもしれません。気をつけたい点としては、中途半端なスクール調査は逆効果です。面接官がMBA出身であった場合、スクール調査が浅いと逆に突っ込まれる可能性があります。例えば、『アントレプレナーシップを学びたいのでスタンフォードを志望しています』と答えた場合、『なぜバブソンでななく、スタンフォードなの?』のように深く聞かれることもあります。

ポイントは、学校名を挙げるよりも自分の選択基準を明確にすることです。『少人数制でマーケティング教育とコンサルプロジェクトが充実している』など、『Why MBA?』の質問と連動させて選択基準をロジカルに説明しましょう。

MBA社内選考の面接 - 私の回答例を紹介

これまでに解説した『質問の意図』と『回答のポイント』を踏まえて、私の回答例を紹介します。あくまで一例になりますが、みなさんも社内選考の面接イメージを膨らませて、ご自身のキャリアを踏まえた上で戦略を立ててみて下さい。

※会社名、部署名等は伏せさせて頂いております。

① MBA社費派遣制度に応募した理由(志望動機)は?

MBA派遣制度に応募した理由は、セールス&オペレーションズプランニング(S&OP)、並びにそれを推進する強力なリーダーシップスキルを習得するためです。日本では馴染みのないS&OPは、アメリカでは会社の利益創出エンジンとして重要視され、産学共同の最先端スキルを多くの大学院で学ぶ事が可能です。さらに、海外のビジネススクールには国籍・文化・職種・業種が異なる人材が集結し、互いの価値観と考えを尊重した上で日々切磋琢磨できるため、リーダーシップを養うには絶好の環境です。これら2つを海外MBAで学び、経営に導入することで●●(会社名)を事業基盤が強固な利益体質の会社に変革させます。

質問の②~⑪に対する回答は以下有料で販売しておりますので、もし興味があればご確認ください。

先にも書いたように、社内選考の面接対策をすることは、MBA本番のエッセイ、インタビューにも強力に役に立ちます。ぜひ、社内選考を勝ち抜いてMBA社費留学を勝ち取ってください!

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