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ポパイと千夜千冊のあいだ

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読んだ本を雑に、不定期に振り返ってみる。
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#書評

なぜデータ主義は失敗するのか?

 『なぜデータ主義は失敗するのか?』は、北欧の戦略コンサルティングファームの創業パートナーによって書かれた本。  近年、小島武仁氏や中室牧子氏のような実社会のデータを用いる経済学者らによって、経済学的手法を用いた政策の立案や企業の制度改革などが進められている。いわゆる「エビデンス・ベースド(Evidence Based)」の動きは、政治や民間企業に留まらず様々な領域(*1)に広がっているが、本書はそうしたデータ主義に異を唱える一冊と言える。  筆者はデータに基づいた分析や

22年12月に読んだ(読んでない)本

 2022年12月に読んだ本を備忘録的に雑感とともに列挙。基本雑レビューなのでご容赦ください。読んだ(読んでない)は文字通り、読んだかもしれないし、読んでないかもしれないという意味です。本当はあと2冊(「教養としての認知科学」と「エスノメソドロジー」)あるけど感想も出てこないほど読んでないので1月に。 ◯Niklas Luhmann ドイツの社会学者、Niklas Luhmannの著作。特に面白かったのは「プロテスト」。全く無意味とは言わないまでも社会運動がオルタナティブな