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私が複業を通して変わったこと #私と複業
複業は現業に対して悪影響を与えるのではないか?
この問いに対しての僕の答えはこうです。
複業は間違いなく現業(本業)に良いフィードバックをくれる。だから絶対、やった方が良い。
僕がどうしてそう思うようになったのか、少し振り返ってみたいと思います。
■そもそもなぜ複業を始めたのか
複業の始め方は人それぞれだと思います。
好きなことを突き詰めていったら複業になった方もいれば、
本業で専門としている分野で個人的に声をかけられてお仕事になっていった方もいれば、
やりたいことがあったらから起業してしまったという方もいます。
僕が出会った複業家たちは、こういう風に「結果的に複業家になっていた」という方が結構多いなと思います。
僕の場合は逆で、「そうだ、複業やってみよう」ということを先に決めて、そこから「じゃあ何をしようか」という風にやることを考えていきました。
どうしてそう思うに至ったかは以前にこちらのnoteに書いた通り、
一言でいうとやりたいことを見つけたかったんです。
■複業を始める過程で強みを知る
僕が複業をやろうと思い立ったのは2017年1月1日、実際に対価をいただいて複業をし始めたのが2017年10月からなので、その準備期間に9ヶ月くらいを費やしたことになります。
その過程で色々なことをしました。
ブログを書いてみて、動画をアップしてみて、イベントを企画してみて、インタビュー記事を書いてみて、色々なイベントに参加してみて。
僕はこの過程がとても大切だったと思っていて、
「自分は何をやりたいか」ということはもちろんのこと、それよりもむしろ「自分は何が(提供)できるか」を常に考え続けることになりました。
僕のような複業の始め方をすると最初にぶつかる壁はココだと思います。
何か提供価値がわかりやすいスキルや経験を持っていて、それを例えばビザスクのようなプラットフォーム上でシェアする、ということがすぐに出来る人は良いのですが、僕にはそんなにわかりやすく売れるスキルがなかったんです。
なので、まずは自分の興味が湧くことを追いかけることにしました。
僕がやったことは「面白いキャリア、素敵なキャリアだな」と自分が感じる方を探して話をしてみるということ。
「自分はそういうキャリアを歩んでいない」というコンプレックスがあったからです。
彼ら、彼女らは全員、「自分はこれがやりたいんだ、なぜかというと…」ということを自分の言葉で語れる人たちでした。
こういう方々は優しい方が非常に多いので、今に至るキャリアの過程を色々と教えてくれました。
最初はただ興味深いなと思って話を聞いているだけでしたが、ある時にこんな風に思い始めます。
どうしたらこういうキャリアが歩めるようになるんだろう
「自分らしく輝くキャリアの作り方」がいつしか僕の研究テーマになっていきました。
そして同時に思います。
話を聞かせてもらっているだけでは彼ら彼女らに何も返せていない
そこで僕は、自分のように「何をしたいのかがわからない」という人に読んでもらうことを目的に、出会った面白い人たちの半生をインタビューされてもらい、それをブログに書き起こすことを始めます。
この時、僕が使っていたスキルは、本業で培ったものでした。
新卒で入ってからずっとやっていた「住宅アドバイザー」として人の話を引き出し、整理するという一連の流れを人のキャリアに当てはめてやっていたのです。
これがインタビューさせていただいた皆様から好評で、とても楽しかった。
でも、長続きしませんでした。
それは、インタビューを文字に起こすライティングが苦手だったから。
でも、何かアウトプットしない限り、価値を返すことはできない。
僕が選んだのは「話を聞くだけで、文字起こしをしなくても価値があること」。
それがトークイベントのモデレーターでした。
■複業は意思決定の連続
初めて複業収入を得てから約1年。
これまでに、大小さまざまなイベントを30回程企画し、司会をやり、
コミュニティマネージャーを経験させていただき、
今では、イベント企画・モデレーター以外にも、
キャリア相談のアドバイザーや複業家のための学校のメンターを依頼していただけるようになりました。
その過程で、経験不足からイベントの司会でも失敗し、
イベントの集客でも失敗し(1人も参加者が来なかったこともあります)、
キャパフルになりご迷惑をおかけし…
そんな一年で大きく僕が変わったなと思うことがあります。
それは、
意思決定をする
ということ。
新しいことに挑戦し、意志を持って辞め、どのくらいの対価でこのお仕事を引き受けるか。
この自分の意志で決めるという至極当たり前なことを、僕はずっとやらずに生きてきたんだなということに、複業をするようになってから気付きました。
会社員をやっていると、基本的には仕事を振ってもらえます。
そしていくら対価をもらうかは基本、給与テーブルと上司の評価が決めます。
何をするか、いくらでやるか、その仕事をやり続けるか、ということは
自分で意思決定していないことがほとんどなのです。
複業を始めてからは、自分自身が"株式会社自分”の社長であり、自分の可処分所得と可処分時間を何に投資するのかを決めるシーンが非常に多くなります。
これを小さなスケールでもやり続けていると、いつの間にか本業の中でも全く同じ思考をするようになってきます。
いま、本当にこの仕事をすべきなのか、このゴール設定で本当に良いのか、それは自分の意志で言葉で説明できることなのか、自分ならばこの企画に投資できるのか。
僕はこういう思考ができるようになってから、会社での仕事が前よりも数段楽しくなり、結果的に社内での評価も上がっていきました。
最初の問いに戻ります。
複業は現業に対して悪影響を与えるのではないか?
僕の答えは、Noです。
むしろ自分自身の力で意志決定できる人材を増やすためにも、僕のような会社員こそ、複業をすべきだと。