「管理会社が大手だから安心」は間違い?マンション管理状態の見極め方とは?【住まい探し】
こんにちは。ありのまま不動産です!
今回は中古マンションの選び方についての話です。
良い中古マンション選びは管理の良いマンション選びと言っても過言ではありません!
管理状態は、日々の住まい心地はもちろん、今後の資産価値にも影響しますからね。
そこで、管理状態の良し悪しの見極め方をお教えします!
「重要事項調査報告書」ご存知ですか?
「重要事項調査報告書」はマンション売買の際に、管理会社から取得する書類になります。
先に警告しておきますが、この書類の内容を教えてくれない不動産業者さんは危険ですので注意してくださいね。
それだけ重要なことが書いてある書類です。
マンションに今いくらお金が貯まっているのか、共益費値上げの予定があるか、大規模修繕は予定されているかなど、大切なことがいくつも書いてあります。
我々不動産業者は主にこの書類から管理状態の良し悪しを判断しています。
管理を見極める3つのポイント
管理を見極める上で以下の3点が重要ですね。
①今までにどのような修繕をしてきたか
「重要事項調査報告書」には過去にどのような修繕をしてきたのかが記載されています(別紙になっていることもあります)。
一番大事な修繕は大規模修繕工事(外壁塗装・屋上防水・鉄分塗装)です。それが適切なタイミング(約12〜15年スパン)で実施されているかどうかを確認します。
あとは、給排水管の更新、エレベーターリニューアル、窓サッシや玄関扉の交換がされているかどうか。などですかね。
窓サッシや玄関扉の交換に関しては、お金がかかるものの大規模修繕等に比べるとそこまで重要な修繕では無いため、そこまで実施されているとお金に余裕があるマンションなんだなという印象を受けますね。
②今現在どのくらいお金があるか
月々マンションに支払う「修繕積立金」がありますよね?
それが、マンション全体で今現在どのくらい貯まっているのかというのも確認できます。
そこで、今後実施されるであろう大規模修繕工事ができるお金があるかどうかを確認します。
大規模修繕工事にどのくらいお金がかかるかと言うと、実際のところマンション規模や備わっている設備などによって変わるので一概には言えないです。
あくまで目安ですが、国土交通省の調査によると、戸当たり100〜125万円を大規模修繕費にかけるマンションの割合が最も多いようです。
50戸のマンションの場合5000〜6250万円ですね。
国土交通省「令和3年度マンション大規模修繕に関する実態調査」
③今後どのような修繕が計画されているか
今後予定されている修繕工事も決まっていれば書かれていますので確認します。
また、別途管理会社が試算した「長期修繕計画書」があるマンションもあります。
今度どのタイミングで、どのくらいお金を使って、どのような修繕工事を実施するのが良さそうか。それを試算している計画書になります。
今あるお金でその工事が出来そうか。見比べてみると良いですね。
「管理会社が大手だから安心」ではない
たまに「大手の管理会社が入っているから安心ですね」という話を聞きます。
不動産業者さんからそう言われたという方も多いのではないでしょうか?
でも、一概にそうとは言えません。
管理会社はあくまで「このように管理をしていきましょう」とアドバイスをするだけです。
そのアドバイスを受けた上で、実施するかどうかは、住民の皆さん「管理組合」次第です。
管理組合で話し合いが行われ、その修繕工事をやるのか、次どんな修繕工事をやるのかなどが決議されます。
大手の管理会社が入っていても、管理組合の意識が低くて適正に管理されていないマンションも多くあります。
逆に、管理会社に委託しないで管理組合のみで管理をしている「自主管理」のマンションもあり、自主管理でも管理の良いマンションもあります。
「どの管理会社が入っているか」では無く、実態で判断しましょうね。
もっと簡単に見極めたい!※丸呑み注意
とはいえ、重要事項調査報告書を個人で取得することは難しいです。
実際には、案内を受ける不動産業者さん経由で内容を聞く形になりますので、しっかりと上記3点を不動産業者さんに確認すると良いかと思います。
でも、もっと簡単に自分で管理状態を見極めたいですよね?
これだけで判断するのはご法度ですが、以下の3点を目安にすると良いかもしれませんよ。
①マンション総戸数
一般的に総戸数が多いとお金が貯まりやすい傾向にあり、小規模だと貯まりにくい傾向にあります。
修繕費で使うお金を大規模な戸数で割るか、小規模な戸数で割るかと考えると、小規模だとそれなりに修繕費を高くしないといけないですが、それは住民の皆さんが嫌うので、上げにくい。
そうすると、お金が貯まりにくいですよね。
あくまで個人的な感覚ですが、小規模は20戸以下、50戸で中規模、100戸以上で大規模という感覚です。
②修繕積立金の額
適正な額の修繕積立金が徴収されているかも一つの目安になります。
国土交通省が公開している「マンション修繕積立金に関するガイドライン」では修繕積立金の目安を以下としています。
この額より極端に低すぎないかどうか、確認してみると良さそうですね。
③管理形態
管理会社の話の中で、管理の良い「自主管理」のマンションもあると書きました。
ですが、一般的にはやはり自主管理だと管理のノウハウが無い場合が多く、あまり適正に管理がなされていないマンションが多いのも事実です。
特に管理費と修繕積立金の会計を分けていない自主管理のマンションもありますので注意が必要です。
まずは自分で、目安の3点を確認した上で、重要事項調査報告書等の内容から実態を把握するという手順が良いかと思います!