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旅は身軽に

旅に出る時は、バックパックか、トートバッグ1つで行く。

1泊2日でも、2週間の旅でも、荷物はあまり変わらない。

リュック1つでどこへでも行けるんだ、と自分が強い存在になれる気がするから、私は少ない荷物で出かける。

誰かに頼らずとも、自分でここまで来れたのだ、という自信。船でもLCCでもぎゅうぎゅう詰のバスでも、どこへでも、好きなように行ける身軽さ。

自分で持ち運べる分だけの荷物しかないので、徒歩での移動も苦にならない。ちょっと遠いけど歩いて隣の街まで移動しよう、ということもできる。タクシー代も節約できるし、コインロッカーに荷物を預ける必要もない。

あれを持ってこればよかった、念のためこれを持っていこう、せっかくだから旅先で何々を買わなきゃ、というような、心配や後悔も最近は全然しなくなった。

実は一番ストレスなのは「モノが足りない」ことなのではなく、「モノが多すぎで重い、両手がふさがって動きがとれない」ことなのだと気づいたのである。

仕事の時にはいつも荷物が多くなってしまう。
物理的な荷物だけじゃなく、責任感も納期もめんどくささものしかかってくる。イラっとすることもぎゅっと噛み殺してしまうから、どんどん肩がこわばっていく。

そんな風に、肩に心に色々溜め込んだ週末、バッグ1つで下り電車に乗り込む。景色が田園風景になっていく。ああそうだ、私はこのバッグだけで遠くに行こうとしているのだ。まさか同じ電車に乗り合わせている人達も、私がこの小さなバッグで旅行しているとは思うまい。フラッと遠くの町に行ける、身軽な自分が誇らしい。

たくさん荷物を持たなくてもなんとかなる。
どこへ行っても、何があっても生きていける、と思う。

少ない荷物で旅することは私に自信を与えてくれる。



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