自動車 x ゲーミフィケーション
ゲーミフィケーションとは、遊びや競争など、人を楽しませて熱中させるゲームの思考プロセスやメカニズムを、ゲームが本来の目的ではないサービスやシステムに応用し、ユーザーのモチベーションやロイヤリティの向上を図る仕組みを指します。直接的には、ゲーミフィケーションをサービスに取り入れることで、ユーザーがコンテンツに費やす時間を増やし、サービスとユーザーとの関与をより強化することが可能となり、間接的な結果として、自動車そのものやサービスの売上拡大や、顧客の満足度向上につなげることが出来る。
今後シェアリングの世界が広がり、自動車においても大幅な台数増を目指すよりは、カスタマーサクセスを意識して既存のお客様の満足度を向上させ、サブスクリプションにて、収益を稼いでいくことが大事になってくるはずである。そういったところを踏まえ、いくつか自動車関連にまつわるゲーミフィケーションの事例をいくつかピックアップしたいと思います。
損保ジャパン ポータブルスマイリングロード
安全とエコの観点(アクセル、ブレーキ、ハンドリング、エコの4項目)から運転を診断・採点。それによって、運転診断のランキングやメダル獲得で楽しめ、結果に応じて、ポイントを貯めてプレゼントに応募できたり、損保ジャパンの自動車保険が最大で20%割引になったりするようです。
デンソー yuriCargo
yuriCargoは、スマートフォンに内蔵されている加速度センサーやGPSなどの情報で、自動で運転を検知し、運転中の急ブレーキ、急ハンドル、急加速、速度超過、スマートフォンの操作などを検出し、運転終了後に運転スコアを算出することで、安全運転意識を高めるアプリケーション。企業や自治体は、それぞれが持つサービスやアプリケーションにyuriCargoを組み込むことが可能。
ポータブルスマイリングロードと似ていますが、地域の飲食店やモビリティサービスの割引と紐づけなどの組み込みができるところが違うところでしょうか。
まとめ
このような取り組みは中国のタクシー会社のDidiの取り組みから真似ているところがあると思っています。
ドライバーに運転中に専用アプリを開くことを義務付け、
早く配車リクエストに答えたか
早く客をピックアップできたか
適正なスピードで正しいルートで送り届けられたか
上記のような「タクシー体験の満足度に関わる、速度と安全性」のデータを取って評価に使い、Didiの示すルール通りに頑張れば、給料が上がり、社会的信頼まで得られるため、街中にある普通のタクシーとは全く異なるサービス品質を獲得し、業界に大きなディスラプションを起こしています。
安全に運転しているか、頻繁に使っているか、エコに寄与しているか、そういう良いことをしている人に対しては割引が受けれるようなことを個別に最適化したものをデータの取れる時代にはもっと有効に生かすべきですかね。それをゲーミフィケーションとして与え、熱中させていくサイクル。それは自動車のサービスの一つとして当たり前になっていくかもしれません。