ワークショップ前に「人間には認知の歪みがある」ことを知る..
初回の記事で、これからは自分自身の「マインドセットを変える」必要があるとお伝えしました。おそらくあなたのマインドセットとはこれまでの自分の社会経験、業務経験、様々な体験を通じ、先入観から作られた「思考がパターン化」され更に「固定化」されたものです。いわゆる「決めつけ」です。私も自分自身しばしば、物の見方が偏ってしまったり。極端な考え方をしたりする事があります。
「多分あの人は XXXだよね」
「それは以前の経験からきっとXXXだよ」
よくある会話ですよね?
システム思考、デザイン思考では、不確実性の時代を突破する為に「1人で考えるより、多様な価値観を認め合い、皆で知恵を絞って難局を乗り切るアイデアを考える。そして、それを実装し合理的に実行する」という事なのですが、そもそも「人間には認知の歪みが」存在していている事を改めて認識してください。
精神科医の和田秀樹氏は、著書『「判断力」の磨き方 常に冷静かつ客観的な選択をする技術』の中で、「不適応思考」の存在を指摘しています。この不適応思考には13のパターンがあるのだそうです。あなたご自身にも当てはまるものがありますか?
1.【二分割思考】白か黒かをはっきりと分ける
例:「敵か味方か」「善か悪か」のような極端な判断を下す
2.【完璧主義思考】「100点でなければ0点と同じ」と考える
例:自分の要望をすべて通そうとし、ひとつの妥協も許さない
3.【過度の一般化】ひとつの事象を見て、それを一般的なものと見てしまう
例:数人の若者を見て「最近の若者は◯◯だ」と一般化する
4.【選択的抽出】ある一面だけに注意を注いで、その他の側面を無視してしまう
例:いつも賛成してくれる人が一度反対しただけで、敵とみなす
5.【肯定的な側面の否定】いい面があっても「たいしたことはない」と否定する
例:嫌いな人のいい面は目に入らず、悪い面しか見えなくなってしまう
6.【読心】根拠がないのに、相手の気持ちを決めつけて勝手な解釈をする
例:「上司は私を嫌っている」と勝手に思い込む
7.【占い】「予測」をあたかも「事実」であるようにとらえる
例:「どうせうまくいかない」と予想して決めてしまう
8.【破局視】あるひとつの出来事で、破局的な見方をしてしまう
例:内定が出なかっただけで、この世の終わりのように考える
9.【縮小視】肯定的な特徴や経験を「取るに足りないもの」ととらえる
例:TOEIC900点を保有していることに対して「こんなの誰でも取れる」と考える
10.【情緒的理由付け】感情的なことが現実の見方を変えてしまう
例:気分がいいときは「何をやってもうまくいく」と考え、気分が悪いときは「何をやってもダメだ」と考える
11.【「すべき」という言い方】「~すべきである」という言い方が動機や行動を支配している
例:「管理職たるもの、少々の熱では休むべきではない」と考える
12.【レッテル貼り】わかりやすいラベルをつけてイメージを固定化する
例:大企業勤務者を「勝ち組」、そうでない人を「負け組」と決めつける
13.【自己関連づけ】物事は複数の要因が関連しているのに、自分こそが最大もしくは唯一の原因であると考える
例:自分とまったく関係ないことに対して「私がいけなかったんだ」と考える
今日のポイント
システム思考やデザイン思考のワークショップに参加させる前に、このような “思考のバイアス” の存在に気づくことが、冷静に思考できるようになるための第一ステップになります。何か新たなアイデアを考える時には、自分の思考を上記の不適当思考と照らし合わせてみるとよいでしょう。
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