【要約】ハンター大全/【考察】
"ハンター大全"。それは、"王立古生物書士隊"によって記された"モンスターハンターの世界"。
これを読むことで、モンハンというゲームとしてだけではなく、一種のアートの文脈として理解し、玄人として楽しむことができる。
たとえば「カブトムシ」。玄人になれば、"モンハン カブトムシ" と聞くと理解できる。ほかには「絶滅種」。これはモンスターを理解する上で最も重要な要素かもしれない。
今、モンスターハンター:ワールド、DLCにアイスボーンなど、ハンターにとっても世界観が重要視されている。ただ狩るだけではない楽しみを増大させようではないか。カプコンさんも、「楽しみ方はそれぞれです。」としている。それにハンター大全からわかる、これだけの裏設定と世界観。知らずにはいられない。
これは公式情報とそれを元にした僕の考察もあるので、想像の部分も含みますが、特にこのハンター大全から、現在のモンスターハンターに裏設定と、それがいかされてるであろうことを書いていきます。
そしてそのなかで僕が大好きな考察に「ハップル&IRIS」という二人のYouTubeの動画があります。これがまたかわいいイラストと共に裏付けまで考察されていますので、そちらも参考にしています!!
【考察】ーーーーーーーーーー
●没ネタも、要素によっていかされている?
その理由として、「ガイアドラゴン」には、亜種や、環境によって性質が変わったり、老年期など年齢によって変化するところはミラ系に似ていたり、苔なんかはドボルベルク、何か体に付着させる獣竜種(ブラキやボルボロ)の生態系、ガララアジャラが生息域によって体色変化などがハンター大全から確認できる。
他にもイコールドラゴンウェポン(ハンター大全より。竜機兵。)はアトラル・カが糸で構造物を操りドラゴンのようにする(メカラオシャンロンみたい)ところに裏設定を感じる。
●ハンターには人間と竜人がいる?
ハンター大全の竜大戦時代や、MHWで話されている五匹の竜の話。つまり竜大戦によって滅びる前と後の、旧と現が歴史に存在しているのではないか。ちなみに今の我々がプレイしているハンターは人間です。しかしおかしな点があります。
ポッケ村の巨大な剣。これは人間には到底扱えない大きさ。
そしてドンドルマの大長老。人間のハンターの約10倍(ハンター大全のイラストより)はある大きさ。大長老は竜人族の1000年に1人の大きさと称されているので、もしかすると、竜大戦をモチーフにした装備や、これからのモンスターハンターに「竜人族のハンター」や「大長老サイズの竜人族のハンター」が扱えるようになるかもしれない。
●なぜハンターは最大4人編成?(MHFは除く。)
ハンター大全には、「ココット村の竜人族の村長が5人でドラゴン討伐に向かったところ、編成していた1人の婚約者を亡くしてしまった。それからかけがえのない仲間に対する想いから4人まで」だといわれている。
ちなみにこの村長が一角竜(モノブロス)に1人で討伐に成功したことが、ハンターの職業に功績をもたらしたようだ。1ヶ月の死闘だったらしい。それ以来、1人でモノブロスを狩ることが英雄の条件となった。
現実世界でも、YouTuberという職業に功績をもたらした者もいるが。
他にもサッカーの11人なのも諸説ある。もしサッカーをモチーフに何か創作するのであれば、12人目から死人が出た、というような裏設定をつければ、より作品に深みが出そうだ。
●まだ見ぬゴブリンの存在。
モンスターものの作品といえば、ゴブリンの存在だ。しかしこのモンスターハンターにおいて、ゴブリンは登場しない。
しかし、ハンター大全には未確認モンスターとしてゴブリンの姿が多く描かれている。そこには「ハンターを襲ったり拾ったものを持っている」や「仮面」などの特徴。そこから思い当たるモンスター。
チャチャブーである。
モンスターハンターでは、ゴブリンはいわゆるチャチャブーとして認識されている。ハンター大全にもゴブリンのスケッチとチャチャブーの類似について書かれている。ゴブリンの裏設定がこのチャチャブーに強く残っているのではないだろうか。
ちなみに【食雑目】にあたります。アイルーもこれやね。
●剥ぎ取り回数少なくない??
狩った後、素材を剥ぎ取るだろう。この素材のおかげでハンターや村は発展している。しかし、剥ぎ取り回数が少なくないだろうか。ということはもしかしたら、他の素材はギルドが、イコールドラゴンウェポン(ハンター大全より。竜機兵。1体につき30体のドラゴンの素材が必要。)の造竜を内密にしているのではないか??と思ったが、よく考えれば「報酬画面」もあるので、そこは検討違いだろう。ゲームバランス的な。
とはいえ、モンスターを狩り、その素材から武器や防具を作ったり調合したり、という設定は当初からあったであろうと考察できる。しかしギルドの謎は多い。
★生物樹形図。
作り込みすごくて草。
ハンター大全では、ジョン=アーサーが生態系を調べて綴ったもので、【長鼻目、偶蹄目、竜盤目、魚竜目、古虫目、古龍目…】などなど、樹形図として、ものすごい裏設定だ。のちに考察する【絶滅種】についてもこの樹形図に重要な役割を果たしている。これはぜひハンター大全を購入して感動してほしい。
そこで今回は、そのなかでも"奇蹄目"に注目した。いわゆるウマやラマラダである。
しかし、なぜかまだ"奇蹄目のモンスター"は出ていないのだ(2019年)。が、わざわざ樹形図に組み込んでいる当たり、実装を予定しているか、ネタ切れのときに使うのではないか。キリンはウマっぼいが、古龍だ。又、ケルビやガウシカは偶蹄目だ。
となると、新モンスターとしてウマ系のモンスターが見られるのでは??
そしてさらに考察すると、ウマは珍しく人が手なずけることができる動物でもある。もしかすると、モンハンストーリーズのライドオンのように、狩る対象ではなく、乗ったりしてハンターに協力するモンスターとして、登場を控えているのかもしれない。現にガーグァやポポやアプトノスのようなモンスターもいる。
そしてこの樹形図。おそらくダーヴィンの進化論を参考に作られていると思う。
他にもMHWでは翼竜で飛べたり、小型モンスターが味方になってくれたりする。これはハンターがモンスターを狩りの対象だけではなく、「なかま」として戦うことを世界観に取り込んでいるのではないか。
★絶滅種
ハンター大全に書かれている、MHに出てくるモンスターの祖先とも言える存在。化石や骨として確認はされている。しかし謎が多いということから、モンスターの制作にあたっての軸になっているとも言えるか。ネタ切れのときとかに。
この絶滅種。なんとスケッチや解説があるだけでなく、生物樹形図にも組み込まれている。そのなかに"ワイバーンレックス"がいるが、そのスケッチはまるでティガレックスだ。
そしてこの絶滅種、生物樹形図により、あのモンスターたちの【骨格】が見られる。骨格とは、モンハンをプレイするにあたって見られるモンスターの動き。あのモンスターと似た動きだ!のやつだ。そして"エンシェントサーベント"というモンスター。こいつはまるでウナギ。ほかにも"シェルレウス"なんかは硬そうな甲殻に強そうな見た目。アルバトリオンのように首をもたげている。しかし、この強さを誇るシェルレウスは絶滅種。環境に適応できなかったとされている。
このように、絶滅してもなお、現在のモンスターハンターの裏設定として、生きつづけているのだ。新たに追加されるモンスターのヒントとして考察ができる。
●リオレイアはなんで"地上"なんだ?
と一度は疑問に感じただろう。なぜ陸の女王なんだ、と。しかし、これについてはハンター大全に書かれている。実は、「火竜の子育ての餌の調達はリオレイアが行っていて、地上の方が餌が豊富だから」だという。現にリオレイアは棘が発達し、リオレウスは空気抵抗を減らすため退化している。
ちなみにリオレウスについても「高い飛行能力は巣を見張るためである」そうだ。
だから卵は標高の高いところに多かったりするのか。
●フルフルさん。
こいつは目がない。それは暗い洞窟に必要がなく退化したからだ。発達ではなく退化した。それだと敵にも餌にも気づけない!そのために麻痺させる電撃、解明されていない器官を用いて居場所を嗅ぎとる。この謎の能力もまたゲームのおもしろさだ。
鼻すすりのような音を反射させて、コウモリみたいなことをしているのかな。
●ガノトトスとジャングルガビアル。ボルボロスとジュラトドス。
題名の通りである。実は"ジャングルガビアル"というヘビのような海竜のような長いワニが水棲生物の頂点に君臨していた。が、ガノトトスにはひとたまりもなく破れたようだ。そしてそれを表すイラストがハンター大全に描かれている。それはまるで泥の生態系に君臨していたボルボロスに巻き付くジュラトドスとの縄張り争いの関係に見えた。
ちなみにハンター大全より、ボルボロスは卵生で卵を生む。意外。
●古龍渡りは実装を予定していた??
ハンター大全を見ると、ガイアドラゴンや霊木ヒヨスの"ベノムワイバーン"といったものがあり、記載によると、「死期を悟ると、死に場所を訪れ最期の時を迎える」と書かれている。
そしてMHWの新大陸の古龍渡りの謎。ここの裏設定に繋がってくるのではないか。
とすると、モンスターは死期を悟ると"死に場所を求める"世界観はすでにあったかともいえる。
●"黒龍"
ハンター大全には黒龍は「龍の始祖の姿を、最も色濃く残す」とされていて、決して「始祖そのもの」ではない。おそらくミラボレアスのような、禁忌を指すと思われるが、ミラボレアスにはバルカン、ルーツなどが存在する。しかし同一のミラボレアスの表記。
そこでガイアドラゴンの設定から考察すると、これは【ボレアス(グランドドラゴン)幼年期→バルカン(アースドラゴン)青年期→ルーツ(ガイアドラゴン)老年期】にあたるのではないか。そしてハップル&IRISの動画では、これは熱がモチーフで、ボレアスに火属性が弱点なのは、バルカンのように成長仕切っていないからで、ルーツのときにはプラズマを表しているのではないか。と考察していた。
ちなみに、ゲーム内では当然のように狩りしているが、本来はお目にかかれないモンスターなのだ。
また、ハンター大全より、古シュレイド王国の東西分断は、黒龍との戦争が原因とされている。これも竜大戦時代の裏設定と関わるのだろうか。
●絶一門と竜大戦時代
"さびた小剣"という発掘される錆びた武器がある。これを加工すると、封龍剣【絶一門】という武器になる。ハンター大全によると「大地に一匹の龍がいた。そこで108日もの間打ち続けて龍を封じるための剣を作り上げた。しかし、龍の焰で溶けていびつな形になったとわかったが、精製方法はわからず、加工する他ない。」とある。他にも"さびた塊"からアルトエレガンという武器になり、ハンター大全には「ずば抜けて高い龍属性」と書かれている。
つまり、竜大戦時代の武器で、古代の技術によって生み出された剣だとも言えるのではないか。今のモンハンの人々にはできない技術力…。古代遺跡の数々…。
●"古龍"と"大雷光虫"の謎
ハンター大全に、大雷光虫について「古龍の体内で突然変異したと考えられ、攻撃性が強い」と書かれている。注目したいのは「考えられ」の部分。言い切れないというところだ。古龍にはまだ謎が多い。
また、刺がとまらないネルギガンテ、爆弾が制御できないバゼルギウス、骨がはえすぎるラドバルキン、エネルギーの増大が抑えられないゼノシーヴァ。古龍の秘密には、力の増幅的なものがあるのか。ないのか。また別のものなのか…。
★古龍。
ハンター大全より、「生物学上どの種にも分類されない、強い力をもつモンスターで、長寿であり、超回復である、無比の存在である。」これが指すことは、2つ考えられる。
1つは「宇宙からの外来生物」
言われてみれば、新大陸が隕石のクレーターにも見えてくる。
そしてもう1つは「人為的な関与」である。
これはイコールドラゴンウェポンの造竜技術が近いかも知れない。
そして、古龍にも種類がある。つまり、「宇宙からの外来生物」と「人為的な関与」の2種に分けられる可能性もある。
また、生物樹形図には古龍の源龍亜目が不明になっている。ここは黒龍ミラボレアスになるのではないだろうか。
また、記載の仕方が「ここでいう古龍とは、」としているところ、まだ不確定要素が多いと思われる。
しかし、MHWの新大陸は古龍がテーマ。もうすでに何かが解明されたのではないか!開発者さんたちよ!!
●古龍にならなかったアカムとウカム
飛竜種か、古龍種か。飛竜の特徴が見られることから、竜脚亜目に追加された。
つまり、のちに古龍を解き明かす上で、「アカムとウカムは古龍ではない」ということが重要になるのではないか。この見た目なら古龍でも違和感はないが、わざわざ生物樹形図に追加してまでの実装ならば、意味があるように感じる。
「古龍にあって、アカムとウカムにない。」で考えられるのは、他の生態学上、飛竜にあてはまったことだろう。翼の痕跡が見られたためだ。
●マム・タロト、ヴォルガノス、黄金魚
MHWで登場した2体。そして題名の3つに共通するのが、「黄金」である。だがハンター大全でも謎のままだ。
また、リオレイア希少種については、突然変異と書かれているので省きました。
●ハンターズギルドってなんぞや。
ギルドはギルドマスターをボスとして形成され、そのしたにギルドナイトがいる。ギルドに所属せず悪どい仕事をしている"もぐりのハンター"を厳しく取り締まっている。
また、なにげにハンターである私たちはマイハウスを無料で利用しているが、狩りで得た素材の一部を徴収し、運営資金として活用している。もしかすると、イコールドラゴンウェポンの素材になっているかもしれない…。
●クルペッコの一番の死亡原因
ハンター大全より、クルペッコの雛は発声器官で無意識に外敵を呼びよせてしまうと、親がさらに高位のモンスターを呼びやり過ごす。そして題名のとおり、一番の死亡原因は、躍りの練習中に高い場所にある巣からの転落死である。それを防ぐため、親が尻尾の膜を広げて防ぐらしい。
ダンスの練習中に死亡するなんて。なんて命懸けなのだろう。
★立証:MHWは水中ステージがあった。
これはハップル&IRISの動画で考察されていました。興奮です
こちらURLから
なぜか消されていたので、こちらからどぞ!
●煌黒龍
ただ、これだけは言えるーー世界には触れずにおいたほうがいいものもあるということを。
つまり、この煌黒龍アルバトリオンのふざけた神のような能力は、世界観をぶっこわすから触れないでくれ。とも聞こえてくる 笑
●ダラアマデュラの隕石
あの人智を越えたでかさのダラアマデュラが攻撃する、"凶星"という隕石のように上空から岩石を降り注ぐ天変地異の技。ハンター大全より、この凶星には現在地上では採掘されたことがない物質が混ざっているとされている。
これは古龍の秘密にも繋がるかもしれない。古龍もまた、地上では確認できない生態系だからだ。
●スパルタ式ブラキディオス
爆弾魔ともいえるブラキディオス。獣竜種でも「頭」と「前足」が珍しく発達している。爆破によって甲殻と火山の鉱物と混ざりながら爆発と再生によって発達したと考えられている。このような裏設定が、ブラキディオスの恐ろしさを引き出している。
もし体ゴツゴツした、ゴーレムのようなキャラを持ち出すのなら、対して爆破キャラをライバルにし、戦いの中、周りの火山の鉱石を取り込みながら甲殻が発達する、というように盛り込めそうだ。
★クリエイターズ座談会
・モンハンの原型は、ネットワークRPGやシミュレーションゲームだった。あのリアリティはそれが理由か。
・"耳澄まし"というアクションがあった。狩りの上では面倒かもしれないが、農場とかであると楽しそう。
・当時では今のモンハン操作は特殊すぎた。
・操作の難易度から、ポータブルでは「モンハン持ち」という持ち方があった。
・武器コンセプトに、「扱いにくくても大きな武器」というのがあったが、双剣も生まれた。
・「狩猟笛」はもともと魔法系の予定だったが、世界観にあわないので楽器になった。もはやハンターの強さが魔法だが。
・アプトノス、リオレイアがモンスターの中で最初に作られた。
・クシャルダオラは苦労した。古龍の方向性がとにかく決まらない。
・水中システムか、ラギアクルスは群を抜いて苦労した。苦労したから売れるとも限らない。大変やね。
・ラギアクルスチームという制作チームがあった。
・看板モンスターはいつも苦労する。
・世界観を重要視する。
・デザイン先行しないと全体が遅れてしまう。前倒しで進める。
・だから、イャンクックには棘がないのに、イャンクックの装備には棘がついている。開発者目線。
・MHトライGから内製のエンジンに。ソフトすら作ってしまう。さすがすぎるプログラマー。
・「次に何するの?」
藤岡「泳ぎたいよなー」
「!?」
・プログラムのこだわりは、ハンターの逃げるモーション。まさかのそこなんや笑
・歌姫の実装は難しかった。専用のカメラワークやモーションをつくるほど。
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モンスターハンターのこのような裏設定や世界観は、クリエイターのような製作側として、とっても参考になる部分も多い。現にこれだけの大ヒットを日本にとどまらず世界に広げている。ぜひみなさんも、チシキダケデハナク、チエトシテ、カテニナレバサイワイデス。
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