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【気にしない夫と気にする妻】結婚の決め手
なぜ夫と結婚したのだろう。
同棲したての頃なんて毎朝「横に彼が寝てる!毎日会えるなんて幸せ!」とか思っていたのに、今横でイビキをかいて幸せそうに眠る夫の顔を見てうるせぇなとしか思わない自分に驚く。
慣れとは恐ろしいものだ。
なぜ彼と結婚することにしたのだろう。
色々考えた結果、夫と結婚した1番の理由は気を遣わなくていいからというのが大きいことに気がついた。
夫と付き合ってすぐの頃の私は、コンプレックスだらけ。
遊びでも仕事でも常に相手によく見られるように髪型も化粧も洋服も行動も自分の中で1番良い状態に整え、意識し、振る舞うべきものだった。
しかし、夫は私がいつも意識していた「整えた状態」を全く求めなかった。
私基準ではダメな部分があったとしても、夫はそんな些細なことは見えていないようだった。
そんなところが私にはすごく新鮮だったし、当時の私はとても救われた。
(実際には目が悪いだけだったと後から知る。)
夫は本当に周りを気にしない。
その中の1つにどこででも大音量で屁をこくことが挙げられる。
仕事中も、車の中でも、食事中も、歩いている時も、ありとあらゆる場面で「あ、出そう」と思えばぷーとか、ブーとかブリブリブリッとかそれはそれは多種多様な音を響かせる。
それについて当時の私はというと、多分「私の前で飾らずに過ごすぴっぱ君はなんで可愛いの」とか思ってたと思う。
恋は盲目、あばたもえくぼというやつだ。
今ではそんなこと微塵も思わない。
車でやれば窓を開けるし、食事中にやればマナーがなってないと言う。
さらに今回2人目を妊娠してからというもの、ものすごく鼻が効くようにカスタマイズされた。
妊娠とは本当に不思議なものである。
臭いを感じると直ぐに
「オメェ屁ぇこいただろ!!」
と反応している。
「腸内善玉菌全滅してやがる!」
「悪玉菌培養しやがって!!」
とか、ついでに悪口まで言っている。
あの頃の「もー!ヤダァ!」とかいう可愛い女の子を装う私はいない。
そんな私を夫は「ガス探知機」と呼び、すかしっぺチャレンジを開催している。すかしっぺをして、私がどれくらいで気づくのか試されているらしい。
しかも、このすかしっぺチャレンジにより、俺はけつの穴を自在にコントロールできるようになったとまで報告を受けた。
非常にポジティブで羨ましい限りである。
彼は羞恥心をいったいいつ、どこに落としてしまったのだろうか。
話が逸れてしまったが、私はどこでも屁をこく彼を見て素敵と思ったことは一度もない。
ただ、完璧でなくても気にしない、周りの目を気にしすぎないところにすごく惹かれた。
こんな人に出会ったのは初めてだった。
当時の私はコンプレックスの塊だった。
毎日アイプチとつけまつげがなければ外出できなかったし、靴は常に8センチ以上のヒールを履いて、見た目はそれなりに良い女になるよう演出した。
今までもそれがとてもしんどかったし、ボロが出てしまうのではないかといつも緊張していた。
でもこの人なら完璧に整ってない私でも受け入れてくれる!と、気づいた。
「この人になら、すっぴんが見せられる!なんなら伸びっぱなしのわき毛も見せられるわ!」
夫の名誉のために言うが、もちろんそれ以外にも夫のいいところはある。
けれども、「この時の伸ばしっぱなしのわき毛を見せられるかどうか」という基準は結婚するかどうか判断するための重要な指針となった。
だから娘が将来恋人や結婚相手を選ぶときがきたらこう言うつもりだ。
「その人に伸ばしたわき毛を見せられるか?」と。