#32 母が夢に出た _家族の話
先ほど、明け方4:00頃だろうか。母さんが夢に出てきた。(嬉しい)
場所は実家で、安定して太っていて笑、なんだかノソノソと動いていた。そうだ確かそんな動き方してたなと思った。セイウチのような。(ヤメロ)
太ってるから膝が悪かったんだ。
母さんの写真、数枚だけあったっけな。
昔の記憶。
僕は五人家族の末っ子として育った。三人姉弟で、姉二人。父からの暴言暴力が酷かったこともあって随分と前からもうバラバラのボロボロだ。
上の姉、長女のユミちゃんは精神が壊れてしまっていて、もう20年ほど精神病院に入院している。とても手先が器用で美術の才能が素晴らしく、とてつもない絵や彫り物をいくつか残していたと思う。
油断するとすぐ自殺しようとするから子供の頃大変だった。テレビは幻聴を悪化させるからつけられなかったし、紐状のものも首をくくれるから隠した。刃物でお腹をアレしたこともあったからハサミなど含めそれらも隠す生活だった。それでも二階から飛び降りてしまってなんか色々骨折したりと、自分のこと以外でも気が抜けないというかなんというか、とにかくそれが僕の子供の頃の日常だった。
下の姉、次女のサトも少し危うく、現在は精神病院に通院しながら頑張っている。一人暮らししながら頑張って働いているようだ。姉だけど僕は次女姉だけを呼び捨てでサトと呼んでいる。とても優しくて頭が異常に良い。あまり勉強してる姿は見たことがなかったのだが、高校は進学校へと進んでいた。進学校なのに、髪の毛は金髪にしていた。通常有り得ない話だ。
それをどう乗りきっていたかというと、サトはちびまる子ちゃんみたいな黒髪のカツラをどこからか手に入れ笑、そのカツラを父の前や学校に行く時だけ装着して過ごしていたのだ。信じがたい話だが、まさしくそうして過ごしていたのだ。カツラを被る前に、カツラの下にネットみたいなやつを被るというルールがあるらしいのだが、それで金髪をピッチリと上手くおさえつけているその姿があまりにも可笑しくて、僕はいつも笑いながらそれをイジッていた。
油断すると時々ちょっと浮いたりして妙にデコから上が長い変な奴になってたりしてそれも笑えた。あれはまるでディズニーのホーンテッドマンションの伸びる壁の様だった。マリカーとか姉と友人と一緒にやっていたら、やる前とやり終わったあとで頭の長さが違っていて何も知らない僕の友人が怖がっていたりもした。あれはまさに日野家のホーンテッドマンションだった。
ふいに父が、「お前髪の毛全然伸びんな」とか言っててそれも可笑しかった。
サトは音楽が、パンクやロックバンドが大好きだった。僕がギターを始めたのはサトの影響。それでサトはそんな髪型をしていた。そんなサトだがその進学校で成績はトップだった。当時子供が多くマンモス校だらけだったなかで学年で一番だ。しかしホーンテッドマンションはしばらくしてから成績を落とし、高校を中退した。中退した理由は、「ライブツアーにもっと行きたいから。お金がほしい。あとスノボで山にこもりたいのです」とかそんなんだったと思う。
サトはなんでもできた。僕もわりとその部類だけど、僕を10倍くらいにした人だ。天才過ぎて、でも優しすぎて。ある時飼い犬のサモエドのレオが病気して、それを看病する為に仕事をやめ友達との連絡も断ち、一年ほど朝から晩まで付き添う生活になって、と、やはりちょっと感性が普通ではない感じで、生きにくそうだった。
そんなこんなでサトは何周か回って今は納棺師、"おくりびと"として死者を綺麗にし棺に納める日々に落ち着いている。もうベテランの領域かと思う。僕からするとそこに落ち着いたことに、違和感はない。
サトのこと書くとこんな風に長くなるな(笑)、まぁつまりそんな人ってことか。
母もまた精神が壊れていて、僕が小学生の頃からなんだかおかしかったけど、ここ10年ほどでそれは特に悪化してしまい、姉と同じく精神病院に長らく入院している。昔は太ってたのに、今はガリガリだ。ご飯を食べると誰かが死んでしまうらしい。あとオナラをしても誰かが死ぬらしい(キツイネ)。それに僕のことはもうあまり認識できていない。"あらゆる悪事を尽くした犯罪者で生きてちゃいけない息子ならいた、既に死んでいるはずだけど"、と、以前面会した時に言っていたが、それが今の母の中の僕だろう。
ちなみにユミちゃんはなんか退化してて子供の妖精みたいになってます笑。
父とは大人になってからはあまり関わっていないからよく分からないが、ここ数年は体調が良くないようで、加えて半年ほど前に、ガンが見つかったらしいと次女のサトから聞いた。更に加えて、三日ほど前に体調不良で入院したと聞いた。僕は、ざまぁみろ。と思った。正直いうと早く死んでほしいと今も思っている。毎日思っている。その入院の手続きや雑用等だって、忙しいなかサトがやってくれているわけで。サトに迷惑かけるなよクズ親父が!というのが本音だ。
僕は随分早くに戻れる場所を失ってしまったように思える。14歳頃か。まぁそれも人生か。
なんてこうして割りきったようなこと口から言ってみたりもするが、実のところ凄く苦しくなってしまうのは、そこが原因のような気がしている。息子はもうすぐ、14歳だ。あの頃の僕と、並ぶのか。あまりに早いな。
もう戻れる場所がない。
昔はあぁだったね、こうだったよね、なんていう昔話の一つも誰ともできやしない。全部壊したのは誰だ。父だろう。お前こそ壊れてしまえよ。早く。早く。。!
そして実の父のことをそんな風に考えている僕が、僕自身が現在二児の実の父なのだから…なかなかこれは厳しくも根深い問題であると自覚している。
それに、そんな父が肺炎で死にかけた時に僕は、集中治療室の前でなぜか泣いてしまったことも、なんだか心がバランスがとれていないなと感じるというか、これもまた問題だなと感じている。
親子って、ずるいんだよな。どんなに酷いことされても、ほんの少しの優しかった記憶や嬉しかった記憶が強く残っているもので、僕はあの時、些細なそれを思い出して泣いてしまっていた。キャッチボールしてくれたこととか、風邪ひいた時にうがい用に塩水作ってくれたこととか、そんなん思い出してたかな。されてきたことと釣り合わなすぎワロタですけども。
大人になってから家族が奇跡的に集まった写真がある。祖父の葬式の時に、ユミちゃんも一時退院&外出の許可がおり愛媛で僕らは集まった。
親子って、ずるいんだ。子供は何をされたって、親は親。親を無条件に愛していたりする。その大前提を大人である親が裏切っちゃうのは、本当に良くない。どうしたって愛してしまうんだ。きっと子は、親に殺されると感じても、殺される寸前まで親を愛している。
虐待は卑怯だ。ダメ、絶対。
そう、夢を見た。母さんの夢だ。
母さんは、カラフルで綺麗な花をいくつか、実家の二階の父さんの部屋の前の吹き抜けの手すりの上に置いてある花瓶に生けていた。古くなった花を捨て、新しい花を生けていた。そんなことをする人だったっけか…?ん、いやでも父さんって、意外と生花が好きだったなそういえば。それで花がよく家に生けてあったのかな。暗い家には救いの彩りだったなあれは。
ってことは母は、そんなことをする人だったのか。なんて思いながら写真を探していたら、奇跡的に母さんがまさに花を生けようとしている写真があった。
ってか夢の中の設定だから何も思わなかったけど、あんな二階の手すりのとこに花瓶はなかったけどな。あんな落ちたら危ないところになぜ花瓶。
しかしまぁ、ホント鮮やかな花を丁寧に生けかえていた。カラフルで、濃い色だった。
余談だけど、その夢の中で花瓶を置いていたのは父さんの部屋の前。その父さんの部屋の中では、元カノと昔の友達がエッチしていました。(ヨダンダナ!)
元カノは、「ごめんね、ごめんね…!」と、ドアの隙間から裸で僕に言っていました(笑)。
僕は「いいんだよ、大丈夫だよ」と返していました。
立ちバックしてました。(ヤメロ)
ごめんねって、そんな…全然いいのに。
むしろそういうの好きです!(オイ?!)
そのあとは、わりかし元気にみんなの夕食を作っていたな、母さん。美味しそうだった。食べれば良かったんだけど僕は、どうでもいい用事で少し出掛けなくちゃならなくて…それを食べられなかった。(ここだけの話だが僕も元カノとエッチしたくて(オイ?!)、お見送りの時にあわよくば…!と欲を出して少しついていったのだ)
だけど用事を終えてわりと早く帰ってこれたから(断られたのだ笑)、よーしご飯食べれるー!とか、思ったところで、目が覚めてしまった。本当になぜ、、僕は母の手料理を食べなかったのか。。。(バカダネ)
悔やんでも悔やみきれない。そんな夢をみたのが、今から3時間前の出来事でした。
母さんが夢に出てくることなんて滅多にないから、ホーンテッドマンションにすぐにLINEしました。嬉しくなったと同時に、なんだか寂しくなった。そして、なんか少しだけ嫌な予感がした。母か、父か。なんもないと良いけど。
母さんやユミちゃんはもう、治らないのかな。オロナインじゃさすがに無理か?(ムリカモ…)
今は、会えばとんでもないことを言われて僕が落ち込んでしまうから、最近はなかなか会いに行くのもためらってしまっている。いつかまた、できれば普通に話がしたい。僕の宝物のような子供達とも話してほしい。小さい頃、僕のことを眠る時に宝物だと言ってくれていた母さん。僕もそれを、やっているよ。本当に素敵な子供達だ。素直に育った。
母さんに伝えたいことがまだたくさんあるのにな~
家族の話、でした。
今週も頑張ろう!