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ふぐ刺しはなぜあんなに薄い?

フグ料理店でフグの刺身を注文すると大皿にこれ以上切れないのではないくらい薄く切られたフグがきれいに並べられて出てきます。

皿の模様が透けて見えるくらいの薄さだから初めて食べる人はたいてい驚くでしょう。

「さすがは高級品、分厚く切ったのでは大勢で食べるわけにはいかないのだから、薄く切って数を増やしているのだな?」

などと考えがち?いえ、そうではないのです。

フグの実は良く締まっており、堅い。これを厚く切ったのでは、噛み切るのが大変で、とても味わうどころではないというわけです。

薄く切ってあるからこそ、堪能することもできるのです。逆に、マグロの赤身など比較的柔らかいものは薄く切ったのでは歯ごたえがなく、味もそっけもなく感じるでしょう。

厚く切ると歯ごたえもあり、風味も生きるというわけです。切り方ひとつで味わいが変わってしまうほど刺身というものはデリケートなものというわけです。

フグ料理と言えば高級料理というのが現代の常識ですが、18世紀末までフグは卑賤な食べ物とされていたそうです。それが文化年間になって武士が好んで食べるようになって、高値になっってしまったという話です。

それでも庶民にフグを食べるものは多く、毒にあたるものも多かったらしいです。

伊藤博文が下関でフグを食して以来、フグと言えば下関・・・になった感がありますが、ここ下関ではフグは不具に通じるとし、フクと呼ばれています。

日本一の大きさを誇るフグの像(ということは世界一でしょう)もありますし、市内のいたるところにフグの像を見ることができます。水道のマンホールもフグの絵柄がデザインされていますし。

フグは高級品と書きましたが、やはり地元だからでしょうか、スーパーでも買い求めることができますし、ほかの地域に比べると割安ではないでしょうか。

おいでませ下関へ!です!!


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