「浪漫飛行トリビュートアルバム」について20文で綴る
※本稿は別の場所に書いた文章「『浪漫飛行トリビュートアルバム』を20文で綴る」を、改題した上で移設したものです。そのため、語尾が普段の「です」「ます」ではなく、「だ」「である」になっています。
※本稿は『米米CLUB』に関する『COLUMN(コラム)』、すなわち、『米米COLUMN』(米米コラム)に分類されます。
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1:少し前に、米米CLUBのトリビュートアルバムがリリースされた。
2:全曲「浪漫飛行」という変わった作品である。
3:いくら「浪漫飛行」が名曲だからといっても、また、各ミュージシャンによるバージョンが、それぞれ個性的で味わい深いものだとしても、全曲通して聴きたい気分にはなれなかった。
4:トリビュートの趣旨からは外れるが、米米CLUBの「浪漫飛行」が1990年にシングル・カットされた際、カップリング曲として収録された2種類のインストゥルメンタル、「ジェットストリーム浪漫飛行」、「そらいけ!浪漫飛行」を収録するというようなアイディアなら歓迎だ。
5:このトリビュート盤には未収録だったが、「浪漫飛行」関連では、シーモネーター&DJ TAKI-SHITによる「浪漫ストリーム」や、満島ひかりがカヴァーしたヴァージョンといった変わり種もある。
6:満島ひかりの「浪漫飛行」は、2013年の春に、彼女が出演した大塚製薬カロリーメイトのテレヴィCM──新入生応援というコンセプトだったと思う──において、ア・カペラで2番を歌ったものだが、正式にレコーディングされ、リリースされてはいないはずだ。
9:「浪漫飛行」の2番は、応援ソングである。
10:米米CLUBのメンバーは、カールスモーキー石井が書いた歌詞が、人を励まし、応援するようなものだったことに、驚いたという。
11:そんなの普通の事じゃないか、と思うかもしれないが、当時、石井がそのような歌詞を書くことはほとんどなかったのである。
12:石井と地元が一緒で、多分同じタイミングで上京してきた親友の男性は、漫画家を志し、新人賞に応募する等していたのだが、ある時、その夢をあきらめて地元に帰ることを考えている、と、石井に告げたという。
13:朝まで酒を──酒が飲めない石井だったが──飲みながら、親友を励ましつつ、もう少し頑張ってみないか、と説得を試みるも、結局、親友は夢をあきらめたようだ。
14:「浪漫飛行」の詩には、このエピソードが反映されている。
15:ところで(Part1)、「浪漫飛行」は石井による造語ではなく、寺山修司が、①かつて俳句を投稿していた雑誌の名前、②自選句集を制作した際、これにつけた名前、の、いずれかだと思われる。
16:少年期、あるいは青年期の石井は、寺山修司を読んでいたのだろうか。
17:ところで(Part2)、1990年にリリースされたシングル「浪漫飛行」のカップリング曲には2種類あり、その1つは先述の通り「そら行け!浪漫飛行」なのだが、こともあろうに米米CLUBの公式ウェブサイトでは、この曲を「そら.行け! 浪漫飛行」と表記している。
18:さらに、作品名を「浪漫飛行(ソレイケ!)」と表記するという、ひどい有様だ。
19:「もう一度、空へ」と歌う「浪漫飛行」だから、「それ行け!」ではなく、「そら行け!」なのだ。
20:米米CLUBのスタッフさん、ちゃんとしてくださいね。
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執筆日 2024年5月30日
初出日 2024年5月30日
更新日 2024年6月30日
改題、微修正および当サイトでの公開 2024年7月17日
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