上野国立博物館 宝石展
東京でも桜の開花発表がされました。
ちーがです。
先日上野の国立科学博物館で行われている特別展 宝石 を見に行きました。
のだめカンタービレの作者の方が描いた「七つ屋志のぶの宝石匣」とコラボレーションしており、宝石の原石の展示のみならず、指輪の作り方や宝石のカットの仕方などが漫画のイラストを用いながら解説されており、とても勉強になりました。
展示全体の感想は 科博の展示担当の人、かなりサボったな? という感想です。(以下展示の内容に少し触れます。ネタバレが嫌な方は是非今すぐ特別展へ!!!!)
宝石の原石、宝石を展示し、キャプションで鉱物名と産地を載せ、最後に提供者(所蔵者)を記載する形式だったのですが、宝石なのに化学組成が記載されていないことに怠惰1を感じました。
博物館の展示は一般の人向けだから、は通用しません。一般の人のレベルを勝手に設定し観覧者の興味の幅を大きく狭めることになります。
これに付随し、怠惰2、解説パネルの密度が低い。
これってなんで光るんだろうね〜?、なんで削れやすいんだろうね〜?なんでこんな綺麗な色をしているんだろう? という観覧者の疑問が至る所で聞こえましたが、解説パネルが答えてくれるのはおそらく10個の疑問に対し、よくて1個でしょう。
展示の後に調べればいいのかもしれませんが、博物館は観覧者が観覧しているその瞬間、標本を見ているその瞬間の直感の疑問、それに対する答えを結びつける体験を提供しなくてはいけません。明らかに怠惰です。
次に宝石の解説パネルの上位版として、別にダイヤモンドカットの歴史を語る年表などの展示する側が工夫して標本と解説をうまく関わらせたアトラクションがあるのですが、それが突貫工事にしか見えない。昨日作りましたか?というレベル。
これは怠惰2よりも重い罪です。怠惰3。
最後は産出地がアバウトすぎる。ダイヤモンドの産出地が南アフリカ、とはどういうことでしょうか?私の出身がアジアと言っているようなものです。
おそらくキンバレーかと思いますが(母岩がキンバライトに見えた)、そこまで特定できない標本は展示しない方がいいと思います(ダイヤモンドが高価なため具体的な地名は出したくなかった?いやキンバレーがダイヤの一大産出地だったことは周知の事実ですが…キンバレー以外であればたしかに産出地は言いたくないかもしれません。)。怠惰4。
以上が展示に対する僕が感じた怠惰の数々ですが、良かったところももちろんあります。
標本の種類が多く、同じ宝石、鉱物でもいろいろな見た目の、大きさの標本が見ることができました。
こんなにたくさん、綺麗な宝石を見ることができるなんて一体この展示の宝石全部換金するといくらになるんだ…と想像してしまいました。良1。
解説の密度が一般の人レベルになっている。
先ほど言ったことと逆やん!って言われると思いますが、一般の人のレベルに合わせた展示をすることもまた大切です。そのレベル感が難しいのですが、今回は綺麗な宝石を見にきた人が体感9割でした。是非アンケートを実施して観覧者の傾向を知りたいのですが、特にそんなこともやっていなかったので科博もわかっているのかもしれません。良2。
ここまで色々書きましたが、総合点評価は75点です。
今までの特別展に比べたらレベルは少し落ちますがとてもいい展示だったと思います。
みなさんも是非行ってみてください。