2022 ロバパンCUP U12 優勝
この度、HKD FC U12は
ロバパンCUP 札幌地区予選Fブロックにて
優勝することができました。
チームは7/29〜7/31に北見市で行われる
全道大会に出場します。
今回の記事は大会の詳細や
試合中の秘話などを書いていきます。
昨年、全ての札幌地区予選を優勝(4回)という
実績を引っ提げ、期待とプレッシャーで
スタートしたこの世代。
「たしかに昨年よりは選手全体の能力は低い」
「でも全体的に面白いメンバーが揃っている」
「今年も何かは起こせるはず」
僕自身そんなイメージを持ちながら
開幕した新シーズンでした。
今年のチームは
「全道大会出場」
「2部リーグ優勝・1部昇格」
を目標として掲げていました。
その全道大会に出場するための
予選であった今回のロバパンCUP。
大会は選手16名で参加しました。
1回戦、2回戦を勝利し
順調に駒を進め、迎えた7月3日。
準決勝と決勝戦の日でした。
気温は30℃近くある炎天下。
飲水タイムも取らなければならないほど
おそらく今年1の暑さを感じる日でした。
1日2試合あり、体力も疲弊するため
冷静にプランを考えました。
準決勝は全選手が出場する総力戦で勝利。
できるだけ体力を分散させ、
決勝戦にパワーを蓄えました。
そして迎えた決勝戦。
相手は札幌1部Aブロック所属で現在4位の
好位置をキープする札幌ジュニアFC。
僕たちからすると「格上」の相手でした。
10:45 キックオフ
相手の圧力はやはり凄まじく、
開始早々ペナルティエリア付近まで押し込まれますが、逆にカウンターで反撃しCKを獲得します。
右サイドからのCK。
前半最初のチャンスでした。
ニアに蹴り込まれたボールを
Sが完璧なヘディングを叩き込み先制。
普段からヘディングで頭には当てるものの、
全くゴールを決められなかった彼が
大一番で勝負強さを発揮してくれました。
チームに勢いをもたらす
前半2分の貴重な先制点でした。
先制したとはいえ、時間はまだまだある。
もう一度守備から整え、
試合を安定させることを伝えました。
しかしそれでも相手のダイナミックな攻撃、
迫力、スピードが少しずつこちらを壊しにきます。
前半15分、相手に最終ラインを突破され
GKが勇気を持って飛び出すもPKを献上。
前半残り5分の嫌な時間帯に
同点ゴールを決められてしまいます。
そのまま1-1で前半終了。
今までの試合経験や流れ、試合勘が働き
「このままの戦い方を続けると逆転される」
と感じました。
しかし、冷静に考えると
「負けて当然の相手」
「相手に力があるのは当たり前」
その割り切った発想が強気なスイッチに
切り替わるきっかけとなりました。
ハーフタイムではまず選手を励まし
その後は戦術的な改善点を2つ伝えました。
1つ目は守備、
相手がロングボールを多用してくることから
DFラインを前半よりもあえて低めに設定すること。
どうせ蹴られるなら割り切って引いて
そこで構えていようという作戦です。
下手にボールや相手FWに食いつきすぎることで
裏に抜け出される危険があったからです。
2つ目は攻撃、
GKからしっかりビルドアップしていくこと。
具体的には相手の1トップを横パスで揺さぶり
空いた時に前進、その先にいるFWの足元や裏、
サイドバックの足元からFWのスペースへ
という狙いを持つことを伝えました。
何度も言うように相手は格上。
その相手がロングボールで圧力をかけてくる中
こちらも同じ戦い方で返し続けても
いつかパワーで押し負けると判断したからです。
それなら自分達の真骨頂である
パスを繋ぐ、ボールを大切にすることを
表現して負ける方がよっぽどマシ。
もちろんそれで勝てたらそれほど凄いことはない。
そんなことを心の中で思いながら
後半へ送り出しました。
後半キックオフ
選手達はハーフタイムの改善点を
しっかりと実行し、ピンチがありながらも
チャンスも少しずつ増えてきます。
一進一退 互角 死闘
両チームの思いがぶつかり合っていました。
そして迎えた後半10分過ぎ、試合が動きます。
相手の攻撃をDFラインでしっかり返し、
ボールがエースに繋がります。
ハーフラインを越える手前でしたが
Yがドリブルを開始しました。
「おいおい、急ぐなよ…」
僕はそんなことを思いました。
いや、そう思ってしまいました。
しかし彼はど真ん中から相手を切り裂き
最後はトーキックでゴールを奪って見せました。
会場の熱が最も高まった瞬間でした。
スーパーゴール
2-1
試合時間は残り8分
まだ時間がある。
相手に一点返される可能性は十分にある。
案の定、その後大ピンチを迎えます。
裏に抜け出されたボールがGKの頭も越えてしまい、
無人のゴールにヘディングを打たれますが
センターバックのKがスーパークリア。
それと同時に出た彼の魂の雄叫び
『この試合絶対に勝てる』
言葉では説明できないですが、
彼のそのプレーがそう感じさせてくれました。
その後は全員に思いが乗り移ったのか
選手達がゾーンに入っているかのような
気持ちの伝わる素晴らしいプレーの連続。
そして迎えた試合終了のホイッスル
喜びが爆発し、ピッチに倒れ込み
涙を流す選手もいました。
本当によく頑張った
よく耐えた
よく戦った
本当にサッカーは最高のスポーツだなと
改めて彼らから感じさせられました。
いつもこのような大一番になると
自分自身に言い聞かせることがあります。
それは
「負けてもいいという覚悟がなければ
ゲームには勝てない」
ということです。
選手に直接伝えたこともあります。
もちろん
「ワンチャン勝てればいいよ!」
という軽い発想ではなく、
勝つためにあらゆる準備を尽くしてきた中で
その方法を思いきって選択し、
自分達のサッカーを表現できるかということです。
負けることを恐れない
選手達を信じる
自分達を信じる
やってきたことを信じる
このような心の待ち方で時には大胆な采配も
できるようになります。
人は全てにおいて「腹を括った時」というのは
だいたい勝負に勝てるものです。
もちろん、日頃のトレーニングと準備が全てですが
最後の最後に辿り着くのが僕はここです。
暑さも吹き飛ぶ最高の1日になりました。
世間の皆さんは今回の勝利を
ラッキーや運が良かったと思うでしょうか。
僕が数える限り、2年間での公式戦、
ジャイキリ(下剋上)回数はこれで5回目です。
ラッキーや運だけで昨年からこんなに
格上を倒せるチームを僕は見たことがありません。
HKDにはサッカーの理論、闘争心、感覚、
全てを調合する強烈なメソッドがあります。
もちろん目先の勝利だけを追い求めてはいません。
決勝で展開したサッカーを見ていた方々には
それをわかっていただけると思います。
今後も『勝利と育成』を同時に追い求めながら
子どもたちの成長をサポートしていきます。
とにかく選手・保護者の皆様、お疲れ様でした!
おめでとうございます。
全道大会での新たな目標に向けて
さらにチーム力を上げていきましょう。
また1つ上の新しい景色を見に行こう!
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【追記】
一つだけ悔しいことがあります。
この大会期間中に6年生が1人
クラブを退団してしまったことです。
彼にもこの優勝を味わってほしかった。
メダルをかけてあげたかった。
1つだけ残った金メダルから
そんなことを思いました。
それでもサッカーがまた彼らを出会わせてくれる。
その時には真剣勝負だ。頑張れよ!
ずっと応援しています。
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