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置かれた場所で咲く



今回は少し特殊な記事を。

HKD FOOTBALL CLUB
中学3年生の〝ある選手〟のお話。

日々頑張っている今のU12カテゴリーの選手達に
特に読んでほしい内容です。


その選手は現在
HKD U15 Top teamに所属しています。

小学生の頃からHKD一筋で育ってきました。

小学生の頃はHKDのスクールにも通い、
現中学3年生数名いるうちの
HKDっ子の1人です。

そんな彼を今回のブログに書く理由は
多くのHKD U12所属選手の
希望となれると思ったからです。



その彼は昔からDF系のポジションで、
小学生の頃はセンターバックやサイドバックで
プレーしていました。

しかし、6年生の頃はレギュラーとして
出場したことは、ほぼありませんでした。

そんな中でもよく覚えているのが
6年生の時のロバパンCUP全道大会。

当時はコロナの影響で予選リーグなしの
初日からトーナメント方式でした。

その週の練習で調子の良かった彼を
1回戦でスタメンのセンターバックとして抜擢。


大一番にスタメンで出ることが
ほとんど初めての経験だった彼は、
案の定緊張し、プレーも固く、
足が震えているのが肉眼でわかるくらい
僕の目には緊張しているように写りました。

明らかに迷いがあり、
自分の意志でプレーしていない様子。
チームも先制を許しました。

前半の途中に交代。
「まだ無理だったか…」

そんな印象、それくらいできなかった記憶が
今でも残っています。

結局その後もスタメン出場することはなく、
ベンチを温めていました。


中学の進路はHKD U15に上がり、
当時からの仲間と一緒に
頑張ることを決めてくれました。

中学生になってからはそれなりに身長も伸び、
一年ごとにU13→U15 2ndと
飛び級をすることもなく、一つずつ階段を登って
自分のペースで成長してきたと思います。

そして最終学年になった今シーズン。

彼は不動の右サイドバックとして
レギュラーポジションを獲得。


そしてなんと、
札幌ブロックカブス1部リーグ
14試合を全試合フル出場
して見せました。

しかも全選手の中で唯一の全試合フル出場です。
時間にすると1120分。

運動量も多く身体的負荷も高い
サイドバックとしては、至難の業です。

さらに、DFながら4得点も決めました。


こんな未来、誰が想像できたでしょうか。



彼は小学6年生の頃に
スタメンで試合に出ていません。

しかし、3年経った今では、
替えの効かないサイドバックへと
成長を遂げました。

6年生の頃にはあり得なかった
チームメイトからの絶大な信頼が
今ではしっかりとあります。


なぜ彼がここまで伸びたのか。


いくつかの要因を
僕なりに書かせていただきます。


◾️自分の現状に焦らずサッカーを続けた


彼は試合に出れない時期も
焦っていませんでした。

それが良いのか悪いのかは別として、
サッカーが好きで練習もほとんど休まずに
コツコツと自分のペースで
試合に出れないプレッシャーを
第三者から受けずに育ってきた印象があります。

やはり「焦る」ことで成長の歯車が
ズレてしまうケースは多いです。

僕の経験則から言うと、
ズレた歯車はそのまま壊れて止まってしまう
場合がほとんどです。

〇〇が試合に出てるからあなたも負けるな
〇〇ができないから試合に出れないのではないか
〇〇が行ってるスクールに行って練習しなさい

このように人と比べたり、
何かに追われたりするようなことは
保護者とお話する感触からも一切ありません。

その点で彼は
成長の歯車を自分のペースで動かし続けた
ことが最大の成長要因だと感じます。

歯車は「焦り・嫉妬・勘違い」などから
少しずつ狂っていきます。

育成年代ではそのような邪念が
成長を阻害することも多々あります。

彼自身はそのようなものに惑わされず、
周りの大人に慌てさせられることもなく、
このクラブで自分なりにサッカーを
楽しみ続けたのだと思います。



◾️フィジカル能力が飛躍的に伸びた

彼は小学生時代、決して足の速い方では
ありませんでした。むしろ遅かったです。

しかし今では自チームでも
トップレベルに速いです。

また、中学生ならではのパワーもついてきて、
速くて強くて動ける体に変化していきました。

今思うと、身体能力が低かった小学生時期も、
HKDのフィジカルスクール(今はない)で
コツコツ努力していたなと思います。


◾️「運ぶドリブル」が研ぎ澄まされた

HKDでは小学年代から特に大切にしている
個人技術「運ぶドリブル」が、
中学年代になって研ぎ澄まされた印象です。

先述した通り、身体能力の向上に伴って
運ぶドリブルの技能が体に馴染んできたため、
今の彼のドリブルはとても巧く、速いです。

狭い局面や追い込まれた場面でも
細かなタッチの運ぶドリブルで
状況を打開することもできます。

これは当クラブの一つの育成が
花を開いた部分だと、嬉しく思います。


◾️ご飯をたくさん食べ続けた

最後はここです。これなんです。

彼は昔からとにかくご飯をよく食べます。
遠征でもモリモリ食べます。

結局サッカーは体を使うスポーツなので
中学になるとプレー強度も上がり
怪我も必然的に増えてきます。

その中でもサイドバックとして
一度の怪我もなく全試合にフル出場できるのは
並大抵のことではありません。

小学生の頃からしっかり食べていたことで
フィジカル能力も年齢に比例して
コンスタントに上がったと思いますし、
今まで人並みだった技術も、
強度の高い中で発揮できる
真の技術に育ったのだと思います。

やはりサッカー選手、
よく食べる子は最終的に必ず伸びていきます。

これに関して信じるか信じないかはあなた次第。



彼のような事例を通して僕が言いたいことは

小学生の序列なんて3年でひっくり返る


ということです。


焦らず努力を続けていれば
3年後には全く違う自分がそこにいます。

そしてHKDの小学時代に培ったことが
花を咲かせるのは中学年代です。

これは彼のケースに限らず、
様々な選手を見てきて確信を持てることです。

しかし残念ながら現状の自分に焦ってしまい、
成長の歯車を自ら止めてしまう子もいます。

保護者を含め、
そうならないように余裕を持ってください。

答えが出る前に辞め、諦め、別のことに手を出し、
自分で自分を狂わせてしまうことほど
虚しいことはありません。


今の小学生には

〝置かれた場所で必ず咲く〟

この言葉を信じ、このクラブで
サッカーを思い切り楽しんでほしいと思います。


ちなみに彼のような選手は
他にも現U15 Top teamにいます。

みんな素晴らしいものを持っています。



彼らが歩んできた道のりが一つの成長例として、
U12年代の選手・保護者に
この記事を通して伝わると幸いです。


さあ、そんな彼らがプレーする
サッカーも最後の1試合となりました。

11/2(土)
北海道カブスリーグ参入戦
⭐︎優勝決定戦⭐︎
vs AVENDA FC(道南代表)
13:15 kick off
東雁来公園(東)


ぜひ会場に足を運び、
その姿を目に焼き付けに来てください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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