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経営者はだいたい迷子になりやすい~壁打ちでNO.1の相談内容は?~

今朝スケジュールを確認したら、都内で壁打ちの予定が3件はいっていた。

私との壁打ちでは、
経営者にその時抱えている状態や悩みを吐き出してもらい、
現状の問題を確認しながら、
進むべき道をいっしょに一緒に探していく。

私が受ける壁打ちで一番多いのが、
「自分の会社は今うまくいっているのか」という相談だ。経営者というのは、得てして迷子になりやすいのだ。

一番多い相談内容は「自分の会社はうまくいっているのか?」

「自分の会社は今、どんな状況なのか」
「うまくいっているのか、どうなのか、よくわからない」
そんな迷子のような質問が多くある、と言うと、

「どうして自分の会社のことなのにわからないのだろう」
「自分で経営しているのに、感覚値ってないのだろうか」
と思う人もいるだろう。

そんなことになるのは、周りが見れず横の関係を築けないコミュニケーション力のない経営者だけ、情報収集能力の低い経営者だけ、と思われる方もいるかもしれないが、実はそんなことはない。
中小企業はそれぞれが自立した存在であるが故、隣り合う情報を知りえる術が極めて少ない。また横のつながりを持っていたとしても、その中で自社の情報を詳細に開示してくるような関係性というのは、基本的にありえない。同業他社がどれくらい売り上げているのか、どれぐらい売れていれば平均的なのかなど、自社の業績を判断する基準になるものを得るというのは、とても難しいのだ。地方になれば尚のことだ。

例えば個人でイメージしてもらっても、
「今貯金いくら?」「年収ってどれくらい?」「月どれくらいで生活しているの?」といったことを聞かれることは、あまりないと思う。
そういう踏み込んだ話をするとなると、聞くもの答えるのも、かなり相手を選ぶものだ。
やはりそこは信頼できる関係性かどうかが物を言う。

だから経営者というのは、不安を抱えながら、とても孤独でいることが多い。
故に、迷子になりやすいのだ。

同業他社の経営状態が見えない、つまり、
周りがわからない状態で、
自分が「できている」のか「できていない」のか、
判断するのは難しい。
判断基準が見えないのだから、いくら数字が出ていても、何に対してのその数字なのかがわからないのだ。
着実に梯子をのぼっているつもりでも、全然進んでいないかもしれない。
もしかしたら掛け違えて、全くちがうところにむかっているかもしれない。
見えないということは、とても不安なことだ。
暗がりで手探りで進むのは誰だって恐ろしい。

「ちょっと土橋さん、相談に乗ってほしいんですけど」がくるのはなぜか。

「うちの会社って、今うまくいっているのかな?」
「今やっていることが間違えていないか教えてほしい」

特に営業活動をしているわけでもない中でこういう相談が私のところに頻繁にくる理由としては、やはり私の経営者としての経歴の長さと、幅広い経験値に期待して、というところが多い。

実際長く経営者をやってきて、見てきたものや得てきた知識・情報はかなり多く蓄積されている。
また(株)M&Aコンサルティングは会計事務所を母体としている関係から、さまざまな業界において多くの企業と接点を持っている。
経営に関して、うまくいった例も失敗例も、これでもかというほどたくさん見てきた。自分自身にもどちらの経験もある。
情報量で言えば、期待に応えて余りあるものがあると自負している。

経営者は、孤独で、不安であるが故、そうした経験に基づく知識と多くの情報に裏打ちされたアドバイスを、いつも求めているのだ。

だからこそ私は、自分にしかできない支援があると感じながら壁打ちをしている。

相談相手との出会いはどこにあるのか。

こういう相談ができる相手は、探すのがとても難しい。
営業に来たコンサルタントに、簡単に心を許せるかと言えば、そうではないと思う。
やはり関係値がどれくらいできているのか、というのがとても重要になる。

私で言えば、トライアスロンでのつながりから、そうしたお話をいただくこともある。知人のつてや紹介で相談に乗るケースも多いが、やはりプライベートでのつながりも大きな安心感につながるのだろう。
そういった点を鑑みると、経営者にとっては、プライベートを充実させておくことも、相談相手を見つけ、孤独な経営者になってしまわないために必要なことかもしれない。

自分の立ち位置が見えてくれば、次の一手が見えてくる。

私の壁打ちではまずそんなところから話を進めていく経営者が多い。

まずは実力値を知ってから、次の一手を。

「1日に壁打ちが3件入っている」と聞いて、あなたは多いと思っただろうか、少ないと思っただろうか。
もちろん絶対的な基準で「多い」「少ない」という判断はできないが、少なくとも、土橋裕太は1日に3件の壁打ちをすることもある。
この基準をもっていれば、多いか少ないか、判断する一助になる。

どんなことでもそうなのだ。
自分の実力値をしらないまま、前に進むというのは危険な行為だ。船のサイズもわからず大海に漕ぎ出していくようなものだ。大海原に出てから、自分の乗っているのが筏だと気づいたら、と思うと、おそろしくはないか…
どこへ向かうのか、どうやって進むのか、
すべてはまず現状の把握から。自分自身の把握からだ。

だから自分の会社の現状を聞きたいといって相談してくれる経営者の方というのは、とても堅実だし賢い経営者の方ばかりだ。

力になれたらと、今日も3件の壁打ちに、心血を注ぐ。


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