「部分的な正しさ」を言語化する
この記事は「THINKAHOLIC -思考を言語化するラジオ」の配信をもとに作成されています。今回は、第3回の放送より。
インテグラル理論「全ては正しい、しかし部分的である」
「インテグラル理論」って聞いたことありますか?
私も2年くらい前にこの概念をたまたま知ったのですが、「インテグラル」という言葉自体には「統合的」みたいな意味合いがあって、同名の書籍が出版されています。
「インテグラル理論」は、組織論で有名な「ティール理論」のベースとなっている概念です。
本は、一冊を通じて一つのテーマについて語られており、それは「全ては正しい、しかし部分的である」というものです。
「部分的な正しさ」って何?ということなのですが、例えば誰かと話し合いをするときに、話が噛み合わなかったり、理解できずぶつかることってありますよね。
そもそも自分と相手では目線が違っていますし、それには発達段階の違い(例:自分目線でしか考えられない人、相手目線で考えられる人、世界目線で考えられる人、等)も関係しています。
また、朝起きたばかりでぼーっとしているのか、覚醒しているのか、とか、恋愛中みたいに何かに没頭して他のものが見えない状況なのか、とか。
人はいろんな状態に置かれていて、しかもそれが常に変異し続けている、ということも関係しています。
だから、今相手がどの状況(ステータス)にいるんだろう?ということを正しく捉えないと、いつまでも議論が噛み合いません。
これを理解することで、相手が語っていること、自分が今信じているもの、どちらも絶対に正しいものではなくて、「部分的な正しさ」の上に成り立って話していることが見えてきます。
みんな「個別最適」をはかっている
このインテグラル理論に出会ってから、「全面的な正しさ」というのはそもそも存在しない、ということに気づきました。
世の中の全ての人は、今自分が置かれている状況(ステータス)に応じて、「個別最適」をはかっているんだ、ということが見えるようになったんです。
ビジネスの場でも、働いているスタッフは「自分が働く理由」とか「チームに属する理由」と言った面で「個別最適」をはかって仕事をしているし、
クライアントも自分の会社にとっての「個別最適」をはかっている。
経営者も同じです。
多くの情報を持っていたり、意思決定の権限を持っているから、より広い範囲に対して最適をはかることはできるけれど、それですら「全体最適」とは程遠く、やはり経営者としての「個別最適」をはかっています。
このラジオを聴いている方も、多分色々とぶつかることがあると思います。
経営者が何言ってるかわからない、自分の意見が通らない、とか、
一方経営者からすると、自分はこんなに貢献しているのになんで従業員の子たちはついてきてくれないんだろう、とか。
仕事の場面だけでなく、夫婦関係、パートナーシップ、子供とのコミュニケーションとかいろんなところで、意見が食い違ったり、相手に伝わらないことがあると思います。
そんな時に、みんな結局「個別最適」をはかっている、という前提に立ってみることが大切なんじゃないかなーと。
相手が今持っている情報は何か、相手が自分の世界の中で正しいと振りかざしているもの、そしてその背景に何があるのか、に想像力をはたらかせられると、それぞれの人生がすこし豊かになるんだと思います。
今日はインテグラル理論を引き合いに出しながら、部分的な正しさって何かについて言語化してみました。
今回の配信はここまで!お付き合いいただきありがとうございます。