心が寒さに追いつかない
一雨ごとに寒くなる
そんな季節
毎年のことなのだが
この時期は
何かさびしいような
どこかに忘れ物をしているような
不安な気持になる
歳を重ねた分だけ
もの悲しさが
蓄積されて行くのだろうか?
雨上がりの秋の日の午後
嫌いではないのだけど
このさみしさ
いかんともしがたい
暖かい部屋で
温かいミルクティーを飲めば
少し気が紛れる
オレンジ色のルームソックスを
お守り代わりにして
夏に買って
読めないままだった
本を手に取る
気の晴れることは
何もないけれど
秋が暮れてゆく