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2025年2月公開の注目映画 10選(+α)~あらすじとおすすめポイント~
2025年2月に公開される映画の中から
個人的に注目している、観たい映画をまとめていきます(公開日順)
あらすじは映画ドットコムの引用。
監督、脚本、キャスト等の観点を中心に、観たい理由を。
とりあえず予告編だけでも観てみてください。
きっと観たい映画がみつかります。
【注目度】
無星 :気になる
⭐️ :できれば観たい
⭐️⭐️ :絶対観たい
⭐️⭐️⭐️:仕事を休んででも観る
1. ファーストキス 1ST KISS(2/7~)⭐️⭐️⭐️
待望の一作。この1年で最も楽しみな映画。
脚本は坂元裕二。
「花束みたいな恋をした」や「怪物」、「いつ恋」「カルテット」「大豆田とわ子」等々、すべての作品が話題を呼ぶ、言わずと知れた脚本家。
監督は塚原あゆ子。
2024年に「ラストマイル」や「グランメゾンパリ」を手掛け、過去にも、「Nのために」「アンナチュラル」「最愛」などのTVドラマの演出を手掛けてきた。
キャストは松たか子、松村北斗、吉岡里帆、リリーフランキー、森七菜と、日本を代表する圧倒的な演技派俳優が並ぶ。
最近の松村北斗は強すぎる。なにをやってもいい。
もう、期待しかない。楽しみすぎる。絶対に観る。
「花束みたいな恋をした」「怪物」の脚本家・坂元裕二と「ラストマイル」「わたしの幸せな結婚」の監督・塚原あゆ子が初タッグを組み、オリジナルストーリーで描いた恋愛映画。
結婚して15年になる夫を事故で亡くした硯カンナ。夫の駈とはずっと前から倦怠期が続いており、不仲なままだった。第二の人生を歩もうとしていた矢先、タイムトラベルする手段を得たカンナは過去に戻り、自分と出会う直前の駈と再会。やはり駈のことが好きだったと気づき、もう一度恋に落ちたカンナは、15年後に起こる事故から彼を救うことを決意する。
主人公カンナを松たか子、夫・駈をアイドルグループ「SixTONES」の松村北斗が演じ、研究員の駈のことを気にかける大学教授・天馬市郎役でリリー・フランキー、駈に恋心を抱く天馬の娘・里津役で吉岡里帆、カンナと共に働く美術スタッフ・世木杏里役で森七菜が共演。
2. 世界征服やめた(2/7~)
企画・脚本・監督:北村匠海
北村匠海の監督デビューとなる短編映画(51分)。
北村匠海が高校時代に出会い、「人生を変えた曲」と公言している、不可思議/wonderboyの代表曲「世界征服やめた」。
この曲からインスパイアされた映画がどんなものなのか。音楽も俳優もできる北村匠海が、どんな映画を作っていくのか。とても楽しみな一本。
公式HPに記載されている北村匠海のコメントから抜粋
『社会人として生きるということ、そこには生活があるということ、期待していた自由ではなく絶望すらも滲む大人という概念の中で、生きて生きて生きて生きて生きるということ、生きているということは何なのか。笑うということなのか、ご飯が美味しいということなのか、友達がいるということなのか、暗闇ということなのか、小さな光を掴むということなのか。』
これを読んで、観たくならないわけがない。
俳優でアーティストとしても活動する北村匠海の初監督作品。2011年6⽉に不慮の事故で亡くなったポエトリーラッパー、不可思議/wonderboyの代表曲「世界征服やめた」からインスパイアされ、北村が脚本を書き下ろした。
内向的な社会⼈の彼方は「自分は誰からも必要とされていないのではないか」と無力さを感じながら、絶望の中で変化のない日々をやり過ごしていた。一方、彼⽅の同僚の星野は飄々として明るい性格の持ち主だ。常に物事を白黒はっきりさせたがる星野が選んだある決断により、2人の日常が大きく揺れ動いていく。
彼方役を「美しい彼」シリーズや「キングダム」シリーズ、「ミステリと言う勿れ」の萩原利久、星野役を「東京リベンジャーズ」シリーズ、「遺書、公開。」の藤堂日向がそれぞれ演じる。北村主演の「スクロール」を手がけた映像作家・清水康彦、「正体」などの映画作品の他、広告写真も手がける川上智之といったクリエイター陣がスタッフとして参加。
3. セプテンバー5(2/14~)⭐️⭐️
<コンペティション情報>
👑第82回 ゴールデングローブ賞(2025): 最優秀作品賞(ドラマ) ノミネート
👑第97回 アカデミー賞(2025): 脚本賞 ノミネート
アカデミー賞の脚本賞ノミネート作品なので、取り合えず観ることは確定。
ミュンヘンオリンピックの選手村で実際に起きた人質テロ事件をテーマにした映画。95分と観やすい長さなのもとってもありがたい。
ティムフェールバウムの過去作はあまり知らないが、スイス生まれの43歳。
これからいい作品がどんどん出てくるかもしれない。
「パストライブス」でめちゃくちゃいい味を出していたジョン・マガロにも期待。
1972年のミュンヘンオリンピックで起きたパレスチナ武装組織によるイスラエル選手団の人質テロ事件の顛末を、事件を生中継したテレビクルーたちの視点から映画化したサスペンスドラマ。「HELL」のティム・フェールバウムが監督・脚本を手がけ、報道の自由、事件当事者の人権、報道がもたらす結果の責任など現代社会にも通じる問題提起を盛り込みながら緊迫感たっぷりに描く。
1972年9月5日。ミュンヘンオリンピックの選手村で、パレスチナ武装組織「黒い九月」がイスラエル選手団を人質に立てこもる事件が発生した。そのテレビ中継を担ったのは、ニュース番組とは無縁であるスポーツ番組の放送クルーたちだった。エスカレートするテロリストの要求、錯綜する情報、機能しない現地警察。全世界が固唾を飲んで事件の行方を見守るなか、テロリストが定めた交渉期限は刻一刻と近づき、中継チームは極限状況で選択を迫られる。
出演は「ニュースの天才」のピーター・サースガード、「パスト ライブス 再会」のジョン・マガロ、「ありふれた教室」のレオニー・ベネシュ。第82回ゴールデングローブ賞の作品賞(ドラマ部門)ノミネート、第97回アカデミー賞の脚本賞ノミネート。
4. ドライブ・イン・マンハッタン(2/14~)⭐️⭐️
きっと自分の癖に刺さる映画。
「ナイト・オン・ザ・プラネット」「ちょっと思い出しただけ」「偶然と想像」等々、タクシーはいつだって切ない。
そこではさまざまな愛と人生が語られる。
アカデミー賞俳優のショーンペンと、「マダムウェブ」などで知られるダコタジョンソンのダブル主演。
脚本・監督は本作がデビュー作となるクリスティ・ホール
元々は劇作家で、本作も舞台脚本として制作されたが、脚本家専門サイトThe Black Listのトップ3に選出されたことをきっかけに映画化。
今後も複数の映画化が決まっており、いま期待の作家。
プロデューサーは「ジョーカー」「ウルフ・オブ・ウォールストリート」「アイリッシュマン」で3度アカデミー賞を取ったエマ・ティリンガー・コスコフ。
撮影監督は、これまでに5本の作品でアカデミー賞の作品賞にノミネートされた経験のあるフェドン・パパマイケル。
タクシーという素晴らしいシチュエーションで、期待の新鋭脚本家の作品を、盤石のキャストとスタッフが集まり映画化した本作。
安心して映画館に泣きにいきましょう。
「フィフティ・シェイズ」シリーズのダコタ・ジョンソンと「ミスティック・リバー」のショーン・ペンが共演し、真夜中のタクシー内を舞台に2人だけの芝居で織りなすワンシチュエーションの会話劇。
夜のニューヨークを走るタクシーに、ジョン・F・ケネディ空港から1人の女性客が乗り込む。運転手はシニカルなジョークで車内を和ませ、2人は会話を弾ませる。運転手は2度の結婚を経験し、幸せも失敗も味わってきた。一方、プログラマーとしてキャリアを築いてきた女性は、恋人が既婚者であることを運転手に見抜かれてしまう。もう2度と会うことのない関係だからこそ、お互いの本音を赤裸々に語りあう2人。他愛ない内容のはずだった会話はいつしか予想もしなかった方向へと展開し、女性は誰にも打ち明けられなかった秘密を告白しはじめる。
「ふたりで終わらせる IT ENDS WITH US」の脚本家クリスティ・ホールが、自身の執筆による脚本をもとに長編初メガホンをとった。「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」などのフェドン・パパマイケルが撮影を担当。
5. 聖なるイチジクの種(2/14~)⭐️
<コンペティション情報>
👑第82回 ゴールデングローブ賞(2025)
最優秀非英語映画賞 ノミネート
👑第97回 アカデミー賞(2025)
国際長編映画賞 ノミネート
👑第77回 カンヌ国際映画祭(2024)
コンペティション部門 特別賞
2022年にイランで実際に起き社会問題となった、ある若い女性の不審死に対する市民による政府への抗議運動をきっかけにした、とある出来事についての映画。
映画を制作したことがきっかけとなり、監督のモハメド・ラスロフはイラン政府を批判したとして、懲役8年、鞭打ち、財産没収の実刑判決を受けた。
そこで彼は、イランを秘密裏に抜け出し、28日間かけてヨーロッパへ亡命。
やっとの思いでカンヌ国際映画祭の舞台に立った。
ちなみに、この映画の主演を務めるミシャク・ザラとソヘイラ・ゴレスターニは、イラン政府から出国を禁じられており、カンヌの舞台には立てなかった。
数々の制約とリスクを乗り越えて、監督が人生をかけて出した一本。
イランの実態を知るという意味でも、観るべき一本と言える。
また、本作はアカデミー賞国際長編映画賞ノミネートされた。
国際長編映画賞といえば、日本から「ドライブ・マイ・カー」(2022)や「PERFECT DAYS」(2024)がノミネートされたことで記憶に新しい。
各国を代表する作品が集まり、非常に面白い作品が多い賞。
そのような観点でも、期待できる作品。
家の中で消えた銃をめぐって家庭内に疑心暗鬼が広がっていく様子をスリリングに描いたサスペンススリラー。2024年・第77回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞し、第97回アカデミー賞では国際長編映画賞にノミネートされるなど高い評価を獲得した。
「悪は存在せず」などで国際的に高く評価されながらも母国イランでは自作映画で政府を批判したとして複数の有罪判決を受けたモハマド・ラスロフ監督が、2022年に1人の女性の不審死をきっかけに起きた抗議運動を背景に、実際の映像も盛り込みながら描きだす。
テヘランで妻や2人の娘と暮らすイマンは20年にわたる勤勉さと愛国心を評価され、念願だった予審判事に昇進する。しかし仕事の内容は、反政府デモ逮捕者に不当な刑罰を下すための国家の下働きだった。報復の危険があるため家族を守る護身用の銃が国から支給されるが、ある日、家庭内でその銃が消えてしまう。当初はイマンの不始末による紛失と思われたが、次第に妻ナジメ、長女レズワン、次女サナの3人に疑惑の目が向けられるように。捜索が進むにつれて家族でさえ知らなかったそれぞれの顔が浮かびあがり、事態は思わぬ方向へと狂いはじめる。
6. ノー・アザー・ランド 故郷は他にない(2/21~)
<コンペティション情報>
👑第97回 アカデミー賞(2025)
長編ドキュメンタリー賞 ノミネート
👑第74回 ベルリン国際映画祭(2024)
最優秀ドキュメンタリー賞
観客賞
イスラエル軍による侵攻と破壊行為が続くパレスチナ。
その現状を世界に伝えるためにカメラを回すパレスチナ人バーセル・アドラーと、彼に協力するためにやってきたイスラエル人ユヴァル・アブラハーム。
敵対する国で生まれた2人の4年間の活動を収めたドキュメンタリー作品。
監督は、彼ら自身を含むパレスチナ人2人・イスラエル人2人の4人が務めた。
「イスラエル人とパレスチナ人が、抑圧する側とされる側ではなく、本当の平等の中で生きる道を問いかけたい」という思いのもと、手持ちカメラで現地の惨状を克明に記録する。
また、敵対する人たちの姿と、自分たちの友情を通して、「どうしたら人は分かり合えるのか?」という、人間の本質的な問いを提起する。
安全な国に住み、平和ボケした私たち日本人にとって、世界の惨状を理解し、世界の歪みを知るために、しっかりと心に焼き付けるべき映画かもしれない。
破壊される故郷を撮影するパレスチナ人青年と、彼の活動を支えるイスラエル人青年の友情を、2023年10月までの4年間にわたり記録したドキュメンタリー。
ヨルダン川西岸のパレスチナ人居住地区マサーフェル・ヤッタで生まれ育ったバーセル・アドラーは、イスラエル軍による占領が進む故郷の様子を幼い頃からカメラに収め、世界へ向けて発信してきた。そんな彼のもとに、自国政府の非人道的な行為に心を痛めるイスラエル人ジャーナリストのユバル・アブラハームが訪ねてくる。同じ思いで行動をともにし、パレスチナ人とイスラエル人という立場を越えて対話を重ねるなかで、2人の間には友情が芽生えはじめる。しかしその間にも軍の破壊行為は過激さを増し、彼らが撮影する映像にも痛ましい犠牲者の姿が増えていく。
バーセルとユバルを含む2人のパレスチナ人と2人のイスラエル人による映像作家兼活動家が共同で監督を務め、不条理な占領行為とそれに立ち向かう人々の姿を、当事者だからこそ撮影できる至近距離からの映像で描きだす。2024年・第74回ベルリン国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞と観客賞を受賞し、第97回アカデミー賞では長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた。
7. ゆきてかへらぬ(2/21~)⭐️⭐️⭐️
広瀬すずと木戸大聖と岡田将生、この3人がメインを飾る時点で観ないといけない。
実在した女優長谷川泰子と、中原中也、小林秀雄、この3人の間に実際にあった、三角関係を描いた人間ドラマ。
タイトルの「ゆきてかへらぬ」は中原が小林に託し、中原の没後に出版された詩集「在りし日の歌」に掲載されている1編の詩からとられたもので、脚本家の田中陽造が40年以上温めてきた"幻の脚本"がついに映画化された。
公式HPの"出逢ってしまった"という紹介文がとても秀逸。
「駆け出しの女優、長谷川泰子は、不世出の天才詩人、中原中也に出逢ってしまった。中也に出逢うということは、後に日本を代表することになる文芸評論家、小林秀雄に出逢ってしまうことだった。」
「『ゆきてかえらぬ』は、その名があらわすとおり、後戻りすることのない3人の生き方を追いかける。傷だらけになりながらも、進んでいく。いや、傷だらけだからこそ、生きている。こんな人々がかつていた、ではなく。わたしたちもまた、こんなふうに愛し愛され傷つき生き進んでいる。」
大正時代の文学界を生きた彼らの愛の物語。
きっと切なくてしんどいだろうけれど、覗いてみたくなる。
大正時代の京都と東京を舞台に、実在した女優・長谷川泰子と詩人・中原中也、文芸評論家・小林秀雄という男女3人の愛と青春を描いたドラマ。
大正時代の京都。20歳の新進女優・長谷川泰子は、17歳の学生・中原中也と出会う。どこか虚勢を張る2人は互いにひかれあい、一緒に暮らしはじめる。やがて東京に引越した2人の家を、小林秀雄が訪れる。小林は詩人としての中也の才能を誰よりも認めており、中也も批評の達人である小林に一目置かれることを誇りに思っていた。中也と小林の仲むつまじい様子を目の当たりにした泰子は、才気あふれる創作者たる彼らに置いてけぼりにされたような寂しさを感じる。やがて小林も泰子の魅力と女優としての才能に気づき、後戻りできない複雑で歪な三角関係が始まる。
広瀬すずが長谷川泰子、木戸大聖が中原中也、岡田将生が小林秀雄を演じた。「探偵物語」「ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ」の名匠・根岸吉太郎監督が16年ぶりに長編映画のメガホンをとり、「ツィゴイネルワイゼン」の田中陽造が脚本を担当。
8. ブルータリスト(2/21~)⭐️⭐️⭐️
<コンペティション情報>
👑第81回 ベネチア国際映画祭(2024)
銀獅子賞(最優秀監督賞)- 受賞 : ブラディ・コーベット
コンペティション部門 - 出品
👑第82回 ゴールデングローブ賞(2025)
最優秀作品賞(ドラマ)- 受賞
最優秀主演男優賞(ドラマ)- 受賞 : エイドリアン・ブロディ
最優秀監督賞 - 受賞 : ブラディ・コーベット
最優秀助演女優賞 - ノミネート : フェリシティ・ジョーンズ
最優秀助演男優賞 - ノミネート : ガイ・ピアース
最優秀脚本賞 - ノミネート : ブラディ・コーベット モナ・ファストボールド
最優秀作曲賞 ノミネート : ダニエル・ブルンバーグ
👑第97回 アカデミー賞(2025)
作品賞 - ノミネート
監督賞 - ノミネート : ブラディ・コーベット
主演男優賞 - ノミネート : エイドリアン・ブロディ
助演男優賞 - ノミネート : ガイ・ピアース
助演女優賞 - ノミネート : フェリシティ・ジョーンズ
脚本賞 - ノミネート : ブラディ・コーベット, モナ・ファストボールド
美術賞- ノミネート
撮影賞 - ノミネート : ロル・クローリー
編集賞 - ノミネート : ダービド・ヤンチョ
作曲賞 - ノミネート : ダニエル・ブルンバーグ
2024年にベネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した後、2025年には、アカデミー賞前哨戦と呼ばれるゴールデングローブ賞で、最優秀作品賞(ドラマ)、最優秀主演男優賞(ドラマ)、最優秀監督賞の3部門で受賞。
アカデミー賞でもノミネート発表段階で作品賞を含む10部門にノミネートされている。
つまり、2025年で世界的に最も注目されている映画といっていい。
今年見なくてはいけない映画を一本上げろと言われたら本作なのかもしれない。
監督・脚本・製作を務めるのは、新進気鋭、36歳の若手脚本家、ブラディ・コーベット。
第二次世界大戦下にホロコーストを生き延び、アメリカンドリームを夢見てアメリカへと渡った、ハンガリー系ユダヤ人建築家の半生を描く。
主人公を務めるのは、「戦場のピアニスト」でアカデミー賞を受賞したオスカー俳優のエイドリアン・ブロディ。その妻を、こちらもオスカー女優のフェリシティ・ジョーンズが演じた。
上映時間215分という長さが少し懸念点ではあるものの、その懸念をもってしても必ず映画館で観たい一本。
きっと今年の顔になる作品。
「戦場のピアニスト」のエイドリアン・ブロディが主演を務め、ホロコーストを生き延びてアメリカへ渡ったハンガリー系ユダヤ人建築家の数奇な半生を描いたヒューマンドラマ。2024年・第81回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞し、第97回アカデミー賞でも作品賞ほか計10部門にノミネートされた。
ハンガリー系ユダヤ人の建築家ラースロー・トートは第2次世界大戦下のホロコーストを生き延びるが、妻エルジェーベトや姪ジョーフィアと強制的に引き離されてしまう。家族と新しい生活を始めるためアメリカのペンシルベニアに移住した彼は、著名な実業家ハリソンと出会う。建築家ラースローのハンガリーでの輝かしい実績を知ったハリソンは、彼の家族の早期アメリカ移住と引き換えに、あらゆる設備を備えた礼拝堂の設計と建築を依頼。しかし母国とは文化もルールも異なるアメリカでの設計作業には、多くの困難が立ちはだかる。
「博士と彼女のセオリー」のフェリシティ・ジョーンズが妻エルジェーベト、「メメント」のガイ・ピアースが実業家ハリソンを演じた。「ポップスター」のブラディ・コーベット監督がメガホンをとった。
9. アノーラ(2/28~)⭐️⭐️⭐️
<コンペティション情報>
👑第77回 カンヌ国際映画祭(2024)
コンペティション部門 - パルムドール : ショーン・ベイカー
👑第82回 ゴールデングローブ賞(2025)
最優秀作品賞(ミュージカル/コメディ) - ノミネート
最優秀主演女優賞(ミュージカル/コメディ) - ノミネート : マイキー・マディソン
最優秀助演男優賞 - ノミネート : ユーリー・ボリソフ
最優秀監督賞 - ノミネート : ショーン・ベイカー
最優秀脚本賞 - ノミネート : ショーン・ベイカー
👑第97回 アカデミー賞(2025)
作品賞 - ノミネート
監督賞 - ノミネート : ショーン・ベイカー
主演女優賞 - ノミネート : マイキー・マディソン
助演男優賞 - ノミネート : ユーリー・ボリソフ
脚本賞 - ノミネート : ショーン・ベイカー
編集賞 - ノミネート : ショーン・ベイカー
「万引き家族」「パラサイト」「落下の解剖学」等々、毎年話題を呼ぶ名作を表彰しているカンヌ国際映画祭パルムドール。その名誉ある賞の2024年の受賞作が本作。
まずその時点で観ることは確定。
さらに2025年のゴールデングローブ賞でも作品賞を含めた5部門でノミネートされ、続くアカデミー賞でも作品賞含む6部門にノミネートされた。
今年のコンペティションで大注目の一本。
脚本・監督を務めるのは「フロリダプロジェクト」や「レッドロケット」などで、セックスワーカーや移民などの社会問題に目を向け、社会の生きづらさをユーモアを交えて作品にしてきたショーンベイカー。
今回はアメリカのストリップダンサーとロシアの御曹司といった身分違いの恋に焦点を当てた。
まだ53歳にして8本目の長編映画となった本作は、ショーンベイカーの最高傑作と言われている。
今後歴史に名を残す監督の、代表作になることは間違いない。
アノーラを演じたマイキーマディソンは若干25歳の超新星俳優。本作でアカデミー賞主演女優賞にもノミネートされており、今後の活躍にも期待。
今年を代表する作品になることは間違いない。
絶対に観たい映画。
「タンジェリン」「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」「レッド・ロケット」などで高い評価を受けてきたショーン・ベイカー監督が手がけた人間賛歌の物語。ニューヨークを舞台に、若きストリップダンサーのアノーラが、自らの幸せを勝ち取ろうと全力で奮闘する等身大の生きざまを描いた。2024年・第77回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞。第97回アカデミー賞では作品、監督、主演女優、助演男優、脚本、編集と6部門にノミネートされた。
ニューヨークでストリップダンサーをしながら暮らすロシア系アメリカ人のアニーことアノーラは、職場のクラブでロシア人の御曹司イヴァンと出会い、彼がロシアに帰るまでの7日間、1万5000ドルの報酬で「契約彼女」になる。パーティにショッピングにと贅沢三昧の日々を過ごした2人は、休暇の締めくくりにラスベガスの教会で衝動的に結婚する。幸せ絶頂の2人だったが、ロシアにいるイヴァンの両親は、息子が娼婦と結婚したとの噂を聞いて猛反発し、結婚を阻止すべく、屈強な男たちを2人のもとへ送り込んでくる。ほどなくして、イヴァンの両親もロシアから到着するが……。
身分違いの恋という古典的なシンデレラストーリーを、現代風にリアルに映し出す。タイトルロールのアノーラ(通称アニー)を演じるのは、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」や「スクリーム」に出演してきた新星マイキー・マディソン。アノーラに夢中になるお調子者のロシア新興財閥の息子イヴァン役に、ロシアの若手俳優マーク・エイデルシュテイン。
10. 名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN(2/28~)⭐️
<コンペティション情報>
👑第82回 ゴールデングローブ賞(2025)
最優秀作品賞(ドラマ) - ノミネート
最優秀主演男優賞(ドラマ)- ノミネート : ティモシー・シャラメ
最優秀助演男優賞 - ノミネート : エドワード・ノートン
👑第97回 アカデミー賞(2025)
作品賞 - ノミネート
監督賞 - ノミネート : ジェームズ・マンゴールド
主演男優賞 - ノミネート : ティモシー・シャラメ
助演男優賞 - ノミネート : エドワード・ノートン
助演女優賞 - ノミネート : モニカ・バルバロ
脚色賞 - ノミネート : ジェームズ・マンゴールド ジェイ・コックス
衣装デザイン賞 - ノミネート
音響賞 - ノミネート
まず、アカデミー賞作品賞ノミネート作品は全部観ると決めているので、とりあえず観ることは確定。
そして、ティモシーシャラメ×ジェームズマンゴールドでボブディランの人生を映画化。それは観るしかないでしょう。
ティモシー・シャラメといえば、圧倒的なビジュアルと演技力で、「デューン 砂の惑星」シリーズをはじめとして、数々の映画に出演し、その全てで素晴らしいキャラクターを演じている。
彼が出ているだけで観たくなる。そんな俳優。
そんな彼が今作では40曲以上の生歌を披露するという。
注目せざるを得ない。
ジェームズ・マンゴールドといえば、個人的には「フォードvsフェラーリ」の印象が強い。実際にあったフォードとフェラーリの派遣争いを、丁寧な心理描写と圧倒的な映像迫力でダイナミックに描き、観るものの記憶に焼き付けた。
「グレイテスト・ショーマン」の制作総指揮をおこなったことでも知られており、実話×音楽映画というジャンルになりそうな本作は、相性抜群。
2015年に出版されたイライジャ・ウォルドの『Dylan Goes Electric!』を原作に、伝説のミュージシャンボブ・ディランの若き日の姿を描いた本作。
きっとボブ・ディランに詳しくなくても、楽しめる一本だと思う。
2016年に歌手として初めてノーベル文学賞を受賞したボブ・ディランの若い日を描いた伝記ドラマ。「デューン 砂の惑星」「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」のティモシー・シャラメが若き日のボブ・ディランを演じ、「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」「フォードvsフェラーリ」などを手がけてきた名匠ジェームズ・マンゴールドがメガホンをとった。
1961年の冬、わずか10ドルだけをポケットにニューヨークへと降り立った青年ボブ・ディラン。恋人のシルヴィや音楽上のパートナーである女性フォーク歌手のジョーン・バエズ、そして彼の才能を認めるウディ・ガスリーやピート・シーガーら先輩ミュージシャンたちと出会ったディランは、時代の変化に呼応するフォークミュージックシーンの中で、次第にその魅了と歌声で世間の注目を集めていく。やがて「フォーク界のプリンス」「若者の代弁者」などと祭り上げられるようになるが、そのことに次第に違和感を抱くようになるディラン。高まる名声に反して自分の進む道に悩む彼は、1965年7月25日、ある決断をする。
ミネソタ出身の無名のミュージシャンだった19歳のボブ・ディランが、時代の寵児としてスターダムを駆け上がり、世界的なセンセーションを巻き起こしていく様子を描いていく。ボブ・ディラン役のティモシー・シャラメのほか、エドワード・ノートン、エル・ファニング、モニカ・バルバロ、ボイド・ホルブルックらが共演。第97回アカデミー賞で作品賞をはじめ計8部門でノミネートされた。
番外編: ガタカ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
個人的オールタイムベスト。
好きな映画を一本あげろと言われたら、必ず「ガタカ」と答えてきた。
その「ガタカ」が、目黒シネマで2/10-15で上映される。
2月にぜっっっったいに映画館で観なくてはいけない作品。
目黒シネマありがとう。
遺伝子操作が当たり前になった近未来。
生まれつき遺伝子操作を受けた「適正者」と遺伝子操作を受けていない「不適正者」に分類され、職業もそれによって決められていた。
「不適正者」として生まれたイーサン・ホーク演じる主人公は、宇宙飛行士を夢見ていた。
しかしもちろんそれは、「適正者」の仕事。
そこで彼は、事故で下半身不髄となった「適性者」(ジュードロウ)の力を借り、適正者になりすまして宇宙飛行士を目指す。
生まれつき遺伝子レベルで能力が劣るはずの「不適正者」である主人公が、友の助けと、自分自身の圧倒的な努力で、自分の夢を勝ち取りに行く。
夢の話でもあり、友情の話でもあり、社会の話でもある。
自分の人生をもっともっと前向きに生きようと思える。
素晴らしい作品。
「ガタカ」は「TIME」などの傑作SFで知られる脚本家、アンドリュー・ニコルのデビュー作。
遺伝子操作が当たり前になる近未来。
こんなにも現実味があり、恐ろしくも興味深いテーマを、1997年に作り上げたアンドリュー・ニコルの先見の明に、驚きを隠せない。
本当に全員におすすめしたい。
ぜひ観てほしい一本。