旅人への第三歩 【 ジョージア🇬🇪 】
二日目はこちらから
二日目が終わり、朝早く起きて準備を始めます。
水を準備、荷物を準備、ルートも確認。
今日は背負う荷物を交換して進みます。
僕らはこんな過酷なトレッキングになるとは全く思っていなかったのでかなりの荷物を持ち歩いていました。そこでお互いの体力を維持するためにも背負う荷物を交換して三日目を登り切ることを決めました。
二人で元気にウシュグリに到達するために!!!
さぁ、出発!!
僕らは山登りに慣れていないので早朝から出発です。
きっとどんどん追い越していく旅人も大勢いるだろう。
同じ宿や他の宿でまだ眠っているであろう旅人を起こさないようにそっと歩き始めます。
三日目もめちゃくちゃ良い天気。
一日目も二日目も途中で雨は降ったりするけれど、毎朝絶対に晴れているんです。
それは本当に幸せでした。だって元気に一日を始められるから。
今日は一番辛い日で越えなければいけない障害もある。一日目から、今回のルートを教えてもらったときに「今日は大きめの川を渡るよ」と言われてました。そう、一日目にわーわー言っていた川なんて比じゃない川です。
デケェのかどうしたら良いのだろうか
ま、ここまでなんとなってるし、なんとかなるだろう。
友達もいるし(とても頼もしいのです)。
さぁ、スタートはお馬さんと一緒に。颯爽と追い越され彼らは朝食の時間のようです。
すぐそばにはこうした川がありました、そして復讐の塔がそびえ立つ。しかし朽ちているようだ。
昨日のお宿を振り返ると、う、牛さん・・・。
そして変わらず景色は美しい。
本日も松の木が倒れています。枝の間をすり抜け、てくてく歩いていきます。
三日目ともなると、悪路を歩くことや川・沢を渡ったり汚れたりするのは慣れっこになります。三日目の始まりは、歩きやすい道から徐々にぬかるんでいく道や沼地のようなところを歩いていきました。三日目の終盤には”あんな”ところ行きました。
草が生えているせいなのか見た目はかたい土の上という感じですが、歩いてみるとふわふわ、しかも一歩ごとに沈んでいくんです。足が取られてしまう。そんなふわふわの地面。さらに、ゴツゴツした道(川に近いせいか丸っこい石が多め)しかしルートは正しいのです。
遠くに見えるのは?巨大な氷河!!!
おお!!遠くに氷河が見えている。デケェ。いちいち大きいんです、自然が!
しかも、この日の旅路でもっと良く見えるところに行けるんだそうだ。
なんと、楽しみのオンパレードじゃないか!!!
で、ついにやってきました。こちら"川"でぇーす。
正真正銘の川。
勢いのある川。
デケェ川。
一日目なんて比じゃない川。
目が点になる川。
川?河?かわ?
え?ここ渡るんですか?
馬に乗せてもらって渡ることもできるそうです。
しかし、もちろんお金がかかります。
僕らは決して裕福ではありません。このウシュグリの旅は銀行もATMすらない地域を歩いていくので現金を持ち歩いてます。たくさん持ち歩けません。だから余分に払うことなんてできません。
限りある資金を大切に。
じゃ、どうする??歩いて渡るんだよね。どきどき。
おや?他の旅人も止まっています。
僕らの前にいた旅人は馬を選びました。
そうですよね、そうなりますよね、この後も大変ですもんね。
もう一組の旅人は歩くことを選びました。
そうですよね、そうなりますよね、え!行くんですか!!!!
ここで友達が「彼らが歩くルートを通ろう」と一言
先人に学べとはこう言うことか。
逞しい友達と共に、歩いて渡る旅人を凝視、瞬時に脳内で再生。
あのルートをいき、あそこは深いのか、ふむふむ、そういうふうに行くんだね、
ぼくたちも・・・。
覚悟を決めた友達が先に渡り、その後、僕が歩くところを写真に撮ってくれると。
「うん」と塩対応(笑)して、川歩きに備えます。
荷物をまとめ、靴をカバンにくくり付け、ズボンを脱ぎ、上半身そのままパンツ一丁になります。寒いなんて言ってられねぇ、こちとら生きるか死ぬかだぜぇ!!
友達がザブザブと寒々しい格好で歩いていく。
「わかった」そこを歩くんだね。
と再度先人に学び、""大丈夫""と何度も自分に言い聞かせ、すぐあとに続きます。
ごうごうという水の音とともに
どきどきと心臓の音もきこえる
ざぶざぶと歩く。
水の勢いがやばい。
冷たい。
裸足だから滑らないかな。
「痛っ」なんか踏んだ。
ちょ!ここフケェ!
わ、滑った
太ももまで水が!
あーーーーー、
わーーーーーーーーーーーーーーーー
およそ1分もかからず渡りきりました。俺やり遂げた!
「あれっ?もう渡ったの?」
友達の言葉で我にかるわれ。あ、写真撮ってもらえるんだった・・・。
ごめん、渡ることに全力だった。
渡る前に、約束していたはずが、すっかり忘れて勢いで渡ってしまった。
先ほど確認されたとき、塩対応してましたが、これにはちゃんと理由があります。実は・・・、
マジで怖かったんです!結構流れ早いんすよ!!
写真だと止まってるけど、流れ早いんすよ。「写真撮るね」って言う言葉は今でも鮮明に覚えていますが心はそこにないんです。だから、返事はしてるんですけど、僕の頭の中は「カワ、アルク、ワタル、イキル」でいっぱい。
友達よ、本当にごめんなさい。
でも、僕たち渡りきったね!!写真がなくても経験したことは消えない!最高の体験だった。怖かったけど、こうして歩いて渡ることなんてそうそうないし、何より友達と乗り越えられたってことがとにかく嬉しい。
私はドキドキがピークでこの時の感情は無に近い。
そうこうしている内に、他の旅人もここに集まってきます。
結構な人数いらっしゃいましたが、皆さんどうしたかといえば、ほぼ全員歩いて渡っていました。馬に乗せようとしていた人たちは残念そう。そりゃそうだよね。
山を歩くためのステッキを使い、足元を確認しながら渡る人・3人一組で肩を組み、安全に渡る人・川を渡る用なのか、専用のサンダルに履き替える人も多かった。
渡ってから怪我をした人もいて、絆創膏を貼っている姿も。
やはり、危険はそばにあるんだなぁとおもいつつ・・・、
ステッキもサンダルも絆創膏もなんもない状態で、パンツ一丁裸足で渡ったのって結構すごいことなんじゃないだろうか??
馬で渡るのも手段の一つだと改めて思う。馬で渡ることもなかなかできない体験です。
わたしたちはこの川渡りの経験で旅人のレベルが一つ上がったと思います。グンっと上がったと思う。
三日目の最大の難関”川渡り”を終え、他の旅人と渡りきった喜びを共有し、お互いに旅の無事を祈り、各々再スタートをします。そして道の先にはやはり、登りますよね、山を。足元は昨日の雨のせいか、ぬかるんでいます。
晴れていれば歩きやすい道も、雨のせいで水が流れ、道が沢となり、ぬかるみに足をとられていきます。それでも、のぼる、登る、この先にゴールがあるんだと言い聞かせ、登る。雨も降り出しました、都会で降る雨より冷たく感じます。
友達との口数も減り、休み休み進み、歩くことに必死。どこでお昼を取ったか覚えていないくらい必死でした。少しひらけたView Pointにつきました。そう、ここはあの大きな氷河を見渡せるところ。いやぁ、絶景なんです。
雲がかかっているけど、氷河の大きさに圧倒されます。
別の方向をふりかえると渡った川と山の向こうに昨日のお宿がある様子。
そう!確実に進んでいるんです!
ぬかるんだ沢を歩き、口数も減ってる。懸命に歩きその背中を見せてくれる友達。
たまに会う他の旅人との声の掛け合い。
それぞれのペースがあるけれど、ちゃんと前に進んでいるんだ。
だから、もっと進むのだ。
雨も降ったり止んだりしている。
どこまで行ったらいいんだろう。
歩くだけ、登るだけの時間。もっと素敵な景色が待っているんだろうか。
うわー雨が!急に!!強いよー!!!
でも、どうやら登りきったようです。
ここまで書いてみて気がつきました。
二日目のスキー場が一番高い山だと思ってました。
振り返ってみたら、今日のこの場所が一番高い山でした。わー!記憶って曖昧ね。
それなりに急なくだりですけど、勢いつくけど、結構あぶないけども。
ぬかるみは変わらずあるし、けれどもう少しで今日のお宿に着くのかもしれない。
一山超えて、二人にも会話が戻ってきました。
「くだりは怖いねぇ」とか「雨がひどかったねぇ」とか「あの旅人はどこどこの国の人だったねぇ」とか、少しずつ余裕が生まれてきた。雨も上がり少し晴れ間も見えてきました。ひとまず休憩しよう。
ここで、僕らの近くにいた一団も休憩のため止まった様子でした。すると・・・、ドローンで撮影始めてました。そりゃ撮りたくなりますよね。
写真の左側に、細い白い線が見えますでしょうか?はい、そこの道をひたすら下っていくんですね。何やら小屋も見えますが宿ではございません。
ところでいつまで続くの?三日目は・・・・。
このあと、私たちは山頂で浴びた雨より、もっと強烈な雨に見舞われます。
山の天気変わりすぎ。さっき雨が上がって太陽出てましたよね??
ばしゃばしゃと濡れまくり、それでも休まず進む、休めそうな場所もありません。
ほんとに強烈な雨。ゲリラ豪雨Georgia Ver。
三日目はいつでもどこでも試練だらけだ。
ただ
このあと私にとってかなり衝撃的な光景を目にすることになります。三日目のご褒美のような光景。
後半に続きます、三日目ボリュームありすぎ!!!