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1997年1月7日そのドラマは始まった

僕が15歳中学生で、ちょうど進路が決まって、初めてポケベルを持った頃にこのドラマとの出会いがあった。僕は、ドラマからテレビスペシャル、映画まで全ての作品を見ているはずだ。

ドラマのスタートから6年。
21歳になり社会人になったその頃もこのドラマは色褪せるどころか、映画のヒットもあり、ますます人気を増していた。
その当時の上司に和久さんのような暖かさを求め、チームに強行班係のような結束を求め、室井さんのようなトップの下で働きたいと思っていた人も少なくなかったのではないだろうか。
もちろん、すみれさんも必須登場人物だ。
自分自身も青島くんのように「正しい事がしたい」とか青臭いこと言って走り回っている現場の人間が理想の社会人だった。

それから28年。
僕の解釈は当時と大きく変わってきた。
時代も変わり、1900年代の日本の状況とは全く違う現代に、かつての理想や憧れ、その考えそのものが大きく変わってきている。
当時の理想は、今では輝かない。
ただ、同時にどこかでそれは寂しい気持ちでもあった。

そんな時、突然『室井慎次』を主人公にした映画の告知を目にしてその映画を見に行くことに決めた。

僕にとっての室井慎次

かつては理想の上司、現場を信じて業界を上から変えてくれる人のイメージでそんな人の下で働きたい!と思っていた室井さん像。
ただ、それは自分が会社を始めた頃から意識は変わった。

自分自身が室井さん。

自由気ままに走り回れる青島くんとは違い、組織を重んじ責任を取る立場。
個の想いや行動で判断でなく、組織としての判断の難しさ。
やってみないとわからない苦しさや、思いを持って動いたつもりでも、それは現場には届かないもどかしさ。
ドラマの中にもそんなシーンがあったな、と振り返る。

それでも、本当に信じて約束した人がいるから諦めずにやれる。
室井さんと青島くんの絆に似た、そんな思いが僕を奮い立たせたこともあったと思う。

室井慎次 破れざる者・生き続ける者を見て

全体的には、全盛期の踊るを愛してやまない僕からするとちょっとテンポや歯切れが悪くて残念な印象。

それでもところどころの場面で感慨深いシーンやセリフがありました。
最後は室井さんは死んでしまうのだけど、室井さんの終わり方を考えるとこれしかないのか、、、と残念さと寂しさが強く残りました。。。

僕がなぜかとても泣けてしまったシーン。
「新城、俺は負けたんだ。負け犬だ。」
そう言って、青島との約束を守れなくて、ここに逃げてきた。といった室井さん。
僕の今の境遇にも重なってか、なぜかとても切なくて泣けてきた。

負けようが生きてる限り人生は続いていく。
その人生の生き方を選んでいくのは自分。
室井さんの選んだような人生を僕はまだ選ばないだろう。

なぜなら、どう生きるのかはこれまで果たせなかったことなども含めて、自分との戦いの途中だと思うからだ。
人生はまだ長い。が、時間はあっという間に過ぎる。

今度は青島くんが映画になって帰ってくるらしい。
彼の生き方も楽しみだけど、僕はその生き方に負けないくらい面白い人生を送っていこうと思う。

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