SONY FE 50mm F1.8ってどんなレンズだ?
レンズにはいろんな別称があるよね
開放F値2.8通しの広角/標準/望遠ズームレンズを意味する「大三元レンズ」。そして、開放F値4通しの広角/標準/望遠ズームレンズを意味する「小三元レンズ」などなど。
レンズ沼界隈に生息していると、レンズに関する別称を目にすることがしばしば。
そんな「レンズの別称」の中でも、「撒き餌レンズ」というワードはなかなかインパクトがあるのではないだろうか。
レンズ沼へ引きずり込むべく用意された低価格帯のレンズを「獲物を引き寄せるためにばらまく撒きエサ」に例えたのは言い得て妙である。
Eマウントの撒き餌レンズとは?
撒き餌レンズは画角が標準ズーム域の単焦点レンズである場合が多く、スペック的には「まあ、そこそこ」って感じのレベル感である。
特にフルサイズ機のレンズは高額になりがちな中、だいたい3万円台くらいの価格帯で売られているのも特長。
各社/各マウント用にだいたい1本は用意されているので、「キットレンズの他に始めて買う交換レンズ」としてベストマッチである。
そんな撒き餌レンズであるが、SONY Eマウントのフルサイズ機向けにももちろん用意されている。「FE 50mm F1.8(SEL50F18F)」がそれだ。
ポートレート撮影などに最適な標準域50mmの画角で、F1.8の単焦点レンズ。186gと軽量でコンパクトである。
希望小売価格は44,000円(税込)らしいが、実売価格は3~3.5万円ほど。
充分な予算や具体的なニーズなどがあるならわざわざ選ぶほどではないが、「とりあえず単焦点レンズに触れてみたい」とか「限られた予算の中でレンズを追加したい」といった場合に最適だろう。
余談:ボクの場合は……
ちなみにボクの場合、「FE 24-70mm F2.8 GM IIよりも軽くて明るい、気軽に持ち出せるレンズがほしいなー」ってことでコイツをチョイス。
某フリマサイトを利用し、安くて状態のよさそうな中古品を見つけ2万くらいでゲット。ポイントを活用したので、実際の出費はそれ以下。
どんなレンズだ?
このレンズをα7C IIにつけてみて感じたのは、「サイズ感と重さがちょうど良い」ということ。
その次に感じたのが、「AF遅い&うるさい」ということ。
合焦までにワンテンポ必要で、モーター音の「ジジッ」という音が結構大きい。とはいえ、ある程度静止した対象を撮るときにはまったく問題ない。
もし、動きの激しい対象を撮るときや動画撮影用なら、他のレンズを検討した方が良いかもしれないなぁとは思う。
そして、「割と離れないとダメ」ってのが気になった。
「最短撮影距離:0.45m」ということで、結構離れないといけない。
例えばレストランに行き、椅子に座ってカメラを構えたとしよう。自分の目の前に運ばれた料理を、お行儀良く座ったまま撮影するのはほぼ無理だろう。
価格相応のレンズである
気になる点を列挙するとダメなところが目に付きがちであるが、このレンズは3万円位のレンズであるということを忘れてはいけない。
実際に写真を撮影してみると、「低価格で単焦点特有のボケを楽しめるレンズ」という印象をうける。悪いレンズって感じはしない。
「このレンズの隠れた良いところは、付属フードが<円形>なところかもしれない」……と、習熟撮影の過程で感じたことを記しておきたい。
最後のスローシャッターのやつは、会社の窓に円形フードを押しつけて撮影したものなのだが……。
円形フードがいわゆる「写り込み防止フード」的な役割を果たし、ガラスごし特有の反射などとは無縁の綺麗な夜景を撮影できた。
正直、感動した。このレンズ、使い方次第だけど良いレンズだよ。