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作品は◯◯からしか生まれない 創作の起源を考える

わたくしごとですが、本日36歳になりました。

数字だけ見るとずいぶんと大人になったように感じますが、中身はこどもの頃と何も変わっていないように思います。

私の中で誕生日は何となくこれまでの人生を振り返って、これからの人生を考える日になっています。

気づけば何かをつくるようになって10数年経ちますが、おかげさまで何かをつくることで生活の糧を得られるようになりました。

せっかくの機会なので、この場を借りて、私の創作活動に大きな影響を与えたものたちを紹介したいと思います。


創作欲の根源 小学3年生が受けた『もののけ姫』の衝撃

人生で最も影響を受けたものは間違いなくコレです。

1997年、当時小学3年生だったのですが、テレビのCMで流れてきた時点で圧倒されました。

それまでアニメと言ったらクレヨンしんちゃんやドラゴンボールなど、子供向けのものしか知りませんでしたが、CMで流れた野武士の腕が吹き飛ぶシーンに度肝を抜かれました

(当時のCMを探してみましたが、残念ながら見つからず…)

その後、家族にねだって公開当日に地元の映画館に連れて行ってもらって観てきました。

当時はストーリーを100%理解していなかったと思いますが、それでも圧倒的な熱量を受け取ったことは間違いありません。

その後は劇場で6回、VHSが発売されてからはテープが擦り切れるほど、繰り返し見ています。

小学生ながらに劇場で6回も見てるのは異常ですね。笑

人の手でここまで壮大なものが作れるのがとにかく衝撃的でした。

もともと絵を描いたりするのは好きな方でしたが、これを観てからはスタジオ・ジブリに入りたくて色んなところに絵を描いていました。

間違いなく私の人生を大きく舵取った作品だと思います。



空間を生み出すことに魅了される 荒川修作と養老天命反転地

もののけ姫の公開以降、すっかりスタジオ・ジブリの動向を追っかけるオタクと化していました。

すると、もののけ姫公開翌年の1998年に宮崎駿が私の地元にやってくるという大事件が起こります。

平日の昼間に隣の小学校区にある岐阜県立美術館で講演会があるというものだから、小学校を無理やり休んで勇み足で行ってきました。

平成初期の平日昼間なので、客層は淑女のみなさまばかりでしたが、その中に小学生が1人、異常な光景だったと思います。

その講演会は宮崎駿と荒川修作による対談でした。

荒川修作は美術家で、養老天命反転地や三鷹の天命反転住宅などを手掛けているのでご存知の方も多いかもしれません。

養老天命反転地は私の実家から車で40分くらいの場所にあるので、この講演会以前に行ったことがありました。

対談の中で、荒川修作が養老天命反転地をつくっていた時に描いていたドローイングが紹介されていて、

そのドローイングに魅せられて、こんな仕事があるんだとワクワクしたものです。

(ちなみにこのドローイングは岐阜県立美術館の収蔵品にあります)

当時、絵は好んで描いていましたが、人の顔を描くのがめちゃくちゃ苦手だったので、このままだと憧れのアニメーターになれないんじゃないかと勝手に不安になっていた頃でした。

(今思えばアニメーターといっても人物を描く人もいれば背景を描く人もいるので、早計な判断だったかもしれません)

そんな折に荒川修作のドローイングを見て空間を考えることに興味を持ち始めました。

建築設計を志したのはこの頃からです。


仮想空間を自由に歩き回れる体験 ゼルダの伝説 時のオカリナ

もののけ姫公開翌年の1998年冬に『ゼルダの伝説 時のオカリナ』が発売されました。

こちらも当時のTVCMを見て目を輝かせたのを覚えています。

同じく3Dゲームのスーパーマリオ64は前々年に発売していて、友達の家で遊ばせてもらっていましたが、そこまで唆られてはいませんでした。

もののけ姫にも似て少しダークな世界観だったからでしょうか。

なぜか時のオカリナにはめちゃくちゃ惹かれたのでお金を貯めて買って、夢中で遊んでました。

オープンワールドの先駆け的なゲームで、時間や空間を自由に行き来できるシステムにはとても没頭しました。

何をやるでもなくハイラル平原をエポナに跨って走り回っているだけでも楽しかったのです。

ちなみに近作のゼルダの伝説ブレスオブザワイルドとティアーズオブザキングダムはそれぞれ200時間以上やってます。笑

この3D空間を自由に駆け回る体験がすごく好きなことが、今Unreal Engineをつかって空間をつくるモチベーションになっているのは言うまでもありません。


世界観に圧倒された MATRIXとGHOST IN THE SHELL

1999年、小学5年生時に公開された『MATRIX』にも大きく影響を受けています。

記憶の限りでは私が初めて見たSF作品です。

モーフィアスの救出シーンやエージェント・スミスとの格闘シーンのカッコよさには小学生の男子には最高に刺激的でした。

そして、それ以上に設定の奥深さや展開の面白さに圧倒されました。

それぞれの事象にすべて科学的な設定があり、でも見る分にはまるで魔法のような、そんなギャップに完全にやられました。

こちらも劇場だけでは飽き足らず、VHSが擦り切れるほど見ています。


同様に押井守監督の『GHOST IN THE SHELL』も外せません。


実はGHOST IN THE SHELLはオンタイムではなく大学生になって初めて見ました。

オープニングの映像とそれに合わせた『Making of Cyborg』から一気にその世界に引きずり込まれ、気づいたら無我夢中で電脳の世界に浸っていました。

さすが、MATRIXに影響を与えた作品なだけあってどストライクだったようです。

そこからS.A.C.やS.S.S、原作も読みました。

それぞれ大好きな作品ですが、押井守監督のGHOST IN THE SHELLの衝撃は私の中ではとても大きいです。

そもそも『ブレード・ランナー』『スターウォーズ』『2001年宇宙の旅』などのSFは全般大好きなのですが、この2つは私の中では別格です。

私の描くCGのコントラストが強めなのは確実にこれら作品の影響が強いといえます。


超絶グラフィックの暴力 FINAL FANTASY X

中学生になった2001年、FINAL FANTASY Xが発売されます。

当時クラスメートからオススメされたので、その彼から借りてプレイしたのですが、その圧倒的なグラフィックに衝撃を受けました。

どのシーンも鳥肌無しでは見られません。

私見ですが、このFINAL FANTASY Xからフル3DCGは不気味の谷を超えたと感じています。

それくらい圧倒的なグラフィックによる臨場感がこのゲームにはありました。

余談ですが、この中に登場するプレイアブルキャラクターで最年長のアーロンさんは35歳なので、ついにアーロンさんよりも年上になってしまったことに再度驚いています。笑


さいごに

ものすごく自分語りになってしまったので、ここまで読んでいる方はもういないかもしれませんね。笑

とはいえ、一応締めさせてください。

三つ子の魂百までとはよく言ったもので、36歳になった今でも、小学生~中学生くらいの体験の中で得た衝撃は残り続けていますし、今の好みもこの頃から大きく変わってはいません。

大学生の頃に建築家の先生から「作品は自分で体験したものからしか生まれない」と教えを受けましたが、振り返ってみるとまさにその通りだと思います。

みなさんが影響を受けた作品は何でしょうか?

振り返ってみると新たな発見があるかもしれません。

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堀江優太|Yuta Horie
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