3DCG用のパソコン選びはここを見ろ!その② -パソコンの買い方と見るべきパーツ-
前回の記事では3DCG用のパソコンを選ぶ際の大枠の考え方について解説しました。
こちらの記事ではOSはWindowsでグラフィックボードを積んだパソコン、つまりはゲーミングPCを選べば問題ないという旨の内容をまとめています。
ゲーミングPCを選べば良いというところまではわかったぞ、という方も、いざ検索してみると山のように出てきてどれを選んだらよいかわからない…となってしまうと思います。
私自身3DCGを始めるまではパソコンのパーツについては無知ここに極まれリだったので、最初はどこで何を買ったらいいのか本当に謎でした。
この記事では当時の私のような方のために、
パソコンをどこで買うのがよいか
どこを見て買えばよいのか
それぞれのパーツはどんな役割なのか
について解説していきます。
パソコンはどこで買えばいい?
あなたはパソコンを買うと決めたとき、どこで買おうと思いますか?
パソコンの入手方法ですが、主に以下の3つの方法があります。
①パーツを個別に購入して自作する
②BTOメーカーからネットで購入する
③家電量販店で買う
①は初心者では難易度が高く、
③の家電量販店はスペックの割に割高になる傾向があるので
②のBTOメーカーからネット注文で購入するのがオススメです。
BTOとはBuild to Orderの略で、セミオーダーで一定の範囲で好みのスペックにカスタマイズして購入できるメーカーのことです。
該当するメーカーは一例ですが
などでしょうか。もちろん他にもたくさんあります。
気になる方は「BTO」で検索するとたくさん出てくると思います。
最近だとメルカリなどでも買えるのですが、パソコンに詳しくない方が中古品を買うのはおすすめしません。
パソコンは精密機器なので、きちんとしたルートで入手するようにしましょう。
BTOはセミオーダーになるので、オーダーするパーツに対して一定の理解が必要です。
次の項目では、パソコンのパーツについて押さえておくべき部分を解説していきます。
3DCG用のパソコンを選びで見るべきパーツ
いざパソコンを買おうとサイトに行った際に、見た目は一緒だけど値段が大きく異なる場面に遭遇したことはないでしょうか。
スペックの違いによるものなんだろうと予想して中身を見てみるものの、慣れてない人から見ると、記載されている内容がチンプンカンプンだと思います。
私自身、3DCGを始めるまではパソコンのスペックに対して理解していなかったので、何を基準に買えば良いのかまったくわかりませんでした。
ここではパソコンのスペックを見慣れていない人でも、最低限ここを見ておけば良いという内容をお伝えします。
パソコンを買う際は、下記の4点を押さえておけば良いと思います。
CPU:PCの根幹、すべての処理を行うパーツ
GPU:画像処理に特化したパーツ
メモリ:アプリの操作時に一時的にデータをおいておく場所
ストレージ:データの保管場所
この4つが主要なパーツです。
パソコンは他にも様々なパーツで構成されていますが、3DCG用のパソコンならば最低限この4つのスペックを見ておけば大丈夫です。
主要なパーツの役割
前項で紹介した4つのパーツの役割について見ていきましょう。
少々マニアックな内容ですが、知っているとパソコンを選ぶ際に役に立つと思います。
CPU(Central Processing Unit / 中央処理装置)
CPUは、コンピューター全体の「頭脳」に相当する重要なパーツです。
プログラムやアプリケーションの動作を制御し、さまざまな計算や指示を実行するパーツです。
主にクロック周波数(GHz)やコア数、スレッド数などで性能が評価され、これらが高いほど、より高速で複雑な処理が可能です。
インターネット閲覧や文書作成などの軽作業から、動画編集や3DCGなどの高負荷な作業まで、CPUの性能が快適さを左右します。
主要メーカーはIntelとAMDで、用途に応じた製品が豊富に揃っています。
GPU(Graphics Processing Unit / グラフィックス処理装置)
GPUは画像や映像、3Dグラフィックスを描画するために特化したパーツです。
3DCGのほか、ゲームや映像制作などで不可欠な役割を果たします。
CPUが精度の高い計算処理を行うのに対し、GPUは精度を抑える代わりに大量のデータを一度に処理できるという特徴があります。
そのため、3DCGの作業中のプレビューやリアルタイムで描画が必要なゲームの画像処理がスムーズに行えます。
GPUには、CPUの中に組み込まれた【内蔵GPU】と、高性能な【専用GPU(ディスクリートGPU)】があります。
内蔵GPUのグラフィック性能は専用GPUに比べると大きく差があるため、3DCGを目的とするならば、専用GPUを選ぶようにしましょう。
専用GPUはNVIDIAやAMDが主要メーカーですが、今のところ3DCGの場合はNVIDIA製品の方が性能が良いです。
余談ですが、近年ではAIやディープラーニング、仮想通貨のマイニングなどでも利用されるなど、その大量のデータを一度に処理できるという特徴から用途が広がっています。
メモリ/RAM(Random Access Memory)
メモリ(またはRAM)は、データを一時的に保存する作業領域の役割を果たします。
メモリ容量が大きいほど、複数のアプリケーションを同時に開いたり、大規模なファイルを扱ったりする際のパフォーマンスが向上します。
例えば、アプリケーションを開いたり、ウェブページを閲覧したりするときに、そのデータは一時的にメモリに保存されます。
現在、一般的なメモリ容量は8GB~16GBですが、3DCGや動画編集を行う場合は32GB以上が推奨されます。
DDR4やDDR5といった規格によって、転送速度や消費電力も異なります。
ストレージ
ストレージは、データやファイルを長期的に保存するためのパーツです。
主にHDD(ハードディスクドライブ)とSSD(ソリッドステートドライブ)の2種類があります。
HDDはディスクを物理的に回転させてデータを読み書きする仕組みで、大容量を低価格で提供できるため、写真や動画などの大量データ保存に向いています。
一方、SSDはフラッシュメモリを利用した構造で、読み書き速度が非常に高速で、OSの起動やアプリケーションの起動が短時間で完了します。
現在の主流はSSDで、高性能なNVMe(M.2)規格のSSDは、さらに速いデータ転送が可能です。
用途に応じてHDDとSSDを併用することで、コストと性能のバランスを取ることができます。
まとめ
今回の記事ではパソコンのパーツごとの役割について、少し掘り下げて解説しました。
専門的な内容なので、少し難しかったかもしれません。
次回の記事では、3DCG向けのパソコンはどのようなスペックのものを選ぶとよいか、具体的なパーツ選定も含めて解説していきたいと思います。