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建築ビジュアライゼーションの本質は建築を◯◯すること ビジュアルをより魅力的にする意外な視点とは・・・

写真を中心に、noteやXで斬新な視点を発信をされている林さんをご存知の方も多いと思います。

その林さんがXで写真の本質について示唆に富む投稿をされていました。

これは私が行っている建築ビジュアライゼーションにも通じると感じたので(勝手に)掘り下げてみたいと思います。

以下が林さんの元の投稿です。

この2つめの投稿に

建築写真家の方が撮る写真を見ると、建築の褒める部分を見つけてそこを褒めている写真であることがわかる。
褒めの語彙=写真の上手さ。

とあります。

CGによる建築ビジュアライズはまだ建っていない建築の写真を撮ることと同義なので、この投稿の【建築写真】は【建築ビジュアライゼーション】に置き換えても同じ意味で考えられます。

そして

褒めの語彙=写真(CG)のうまさ

これはすごくしっくりくる言い回しだと思います。

良い建築写真(又はCGのビジュアル)はその建築がもっている魅力がぱっと見ただけで伝わるものです。

設計者が意図してつくった魅力も、意図せずできた魅力も、その両方が浮かび上がってくるような場所が1枚の画面に収まっている状態です。

良いところを見つけて褒めるからこそ、そんなイメージがつくれるのだと思います。

そして、魅力をうまく伝えるためには語彙力が必要ということも、とてもよくわかります。

ここでいう語彙力とは魅力を伝える手段の引き出しの多さだと思います。

建築ビジュアライゼーションに求められる語彙力とは光の扱い方や空間に対する構図の取り方などに現れるものだと思います。


実際に私がどんなところを褒めながらビジュアライゼーションを行っているか、実例を見ながら紹介していきます。

下の画像はミース・ファン・デル・ローエ設計のファンズワース邸のCGによる模写です。

実際にある建築で、アメリカのイリノイ州、シカゴから車で1時間ほど西に行った場所に建つ現代建築の代表的な建築の1つです。

ファンズワース邸の外観 CGによる模写

褒めポイントは人によって様々ですが、私は森の中に浮かぶ白いフレームが何よりもこの建築のもつ魅力だと感じています。

木々に囲まれた中に人工物がポツンと置かれている佇まいが、とても爽やかな対比を生み出していると感じるからです。

そのため、この魅力が最大限生きるような撮り方を心がけています。

たとえば、建物に正対する構図にすることで水平性を強調したり、床と屋根のスラブの間に切り取られる森の背景を中心に据えてみたり、などです。

緑の中に浮かぶ白い構造体のかっこよさを褒めるような撮り方を目指してビジュアライゼーションを行っています。


同じ建築の内観も見てみましょう。

ファンズワース邸の内観 CGによる模写

メインの空間はあえて影の中にして、奥の新緑と、画面の後ろからくる光を映すことで、周囲を明るい森に囲まれている情景の描写を試みています。

目に見えている風景だけではなく、カメラの背後の雰囲気も合わせて捉えるように気を配っています。

そうすることで、木々の中の環境と人工物との対比を描けるのではないかと考えたからです。


【褒める】というキーワードから、建築ビジュアライゼーションの魅力を高めるための新たな視点を得られ、自分の目が捉えていることを言語化できたように思います。

今回のように、何気なくやっていたことが、言葉を変えて別の視点から見ることで、急に歯車が噛み合うという感覚になることがあるので、言葉とは面白いものだなと、ひしひしと感じます。


余談ですが、この記事を書くきっかけになった林さんはnoteでメンバーシップをやられています。

普通の人には無い視点で物事を捉えられていて、とても学びが多い記事を書かれていて、とてもおすすめです。

記事の内容は500円で得られる情報の域を軽く超えているので、ぜひ読んでみてください。

きっと、昨日までは考えもしなかった視点が得られると思います。

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堀江優太|Yuta Horie
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