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厳冬のВЛ80を追う。
こんにちは。Yutaです。今回多忙の中どうしてもとあるソ連製の機関車が見たくて、休みをなんとか作ってカザフスタンのカラガンダという町へ遠征してきました。今回はその撮影記です。
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ソ連鉄各位ならご存じの方が、大変多いだろう。ここにはだいたい40年前くらいの旧ソ連製の機関車が主要幹線で活躍している。名前はVL80(キリル文字でВЛ80)といい、ソ連時代に多数製造された名機である。現在はロシア、ベラルーシ、ウズベキスタン、カザフスタンで活躍している。
先駆者の方々の渡航記を見ていて、私もその機関車に惹かれた。カザフスタンではつい最近、KZ4AT、KZ8Aという大変恨めしいアルストム製機関車への置き換えが進んでおり、先は長くなく活躍の場が減ってくるだろうと思い今回カザフへの渡航を決心した。
世界有名撮影地カラガンダ南ストレート
https://maps.app.goo.gl/io4nuo55bLveyxGr5
ヤポンスキーカットが大好きな私はまずカラガノセク南にある撮影地へ向かった。ホテルからYandexGOで車を手配し、撮影地の近くまで送ってもらう。家畜の放牧地の間の小道を抜け、撮影地へ到着した。
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初手からVL80Sである。この角ばった車体と窓にゴツイ屋根上、信号機カラーのジャンパ栓受けに赤い星、なんと実に美しい造形だろう。カザフスタンはこれ、もしくはアルストムが結構な頻度で次々とやってくるのだ。
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はらしょーー。これぞソヴィエト、大陸の鉄道です。雪がちりつく中での通過はたまりませんねぇ!!!!!!
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客車列車は2024年冬現在アルストム、あるいは中国製機関車の牽引のようだ。VL80による運用はほぼ期待できない。
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マイ=クドゥク~723km間
カラガンダ北の方まで同じくYandexGOで手前の大通りまで送ってもらった。送ってくれたおじちゃんはだいぶ困惑していたようだった。ただでさえ住宅も店もない僻地に、ましてや外国人である日本人がそこへいくのだから脳内は完全に「?」だらけのようだった。私が「美しい雪景色を撮るためだ」というとなんとか理解してくれた。まぁ美しい雪景色にも解釈は個人差があるので、あながち間違ってはいないだろう。
番犬に吠えられ、ドカ雪にコケながら林を切り抜け、鉄道の見える位置に着く。
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秋~春の午前順光で、カラガンダ方面へ向かう列車を首振りで撮れる。
冬は朝10時くらいまでは木陰が入ってしまう。
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エレクトリーチカはほぼこれのみのようで、今回角リーチカは確認できず。
旅客通過前は空白があるようで、暇である。
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旅客通過後に再び貨物が沢山来る。本命のVL80を順光で。
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後ろが影になってしまったが色褪せと汚れ、雪がついていて良き。
寒かったのと日照時間が短いので割かしあまり撮影時間は長くは取れなかったが、有意義な時間を得られた。この機関車に出会えたことに感謝。
2024年冬現在運用状況まとめ。
・貨物列車
VL80S(まれにT)とアルストムKZ8A型が半々。連続でどちらかが続けて来ることもある。1年後のVL80の運用率は2-3割になりそうです。
・客車列車
KZ4AT(アルストム)かKZ4A(中国)のどちらかで、VL80牽引は目撃できず。ごく稀に見れるかもしれませんが期待できません。
・VL60
貨物支線で活躍中、幹線で午後に送り込みと返却が見れるそうです。訪問時午後は宿にほぼ籠っていたため不明。ネットの情報ではまだ車籍があるため、見れるかもしれません。
撮影について
訪問時は当局や鉄道職員による拘束や連行は特になく、列車が来るたびに手を振ることで友好的に接するようにしていました。運転士側もサービス警笛やお手振りをしてくれ、よくしてもらいました。しかし過去情報によれば、まれに通報され連行や制止されることもあるそうで、多少リスクがあることもご承知ください。
先駆者の方々
偉大なる先駆者の方々です。今回の渡航の上で参考にさせていただきましたので、最後に紹介させていただきます。これらの記事もぜひ見てください。
・セルゲイソ連スキーさん (2022年時)
https://syachikuai.com/2022/08/19/kazakhstan-karaganda-trainspotting/
珍しいVL40Mが走っている写真があります、、、
・電車とバスの博物館さん(2023年時)
https://www.rail-report.com/kazakhstan/
色褪せたVL80がカッコイイです。一年前までは客車列車でもVL80が就いていたようです。今日までの置き換えのスピードはすさまじい。
被写体に出会いをもたらした先駆者の方々にこの場を借りて感謝を申し上げます。ありがとうございました。