切り替え反応は楽しい
こんにちは。伺か・伺的 [第2会場] Advent Calendar 2024第2会場9日担当のユスラと申します。普段はこちらでゴーストを公開しております。一つ前の記事は吉野桜さんの「フリーだけどフリーじゃないフリーシェルの話 ─偏屈なシェルマスターのこだわり─」です。一つあとの記事はInfyさんの「急に思い立ったのでフリーシェルを作った話」です。フリーシェルの記事に挟まれました。
今日は切り替え反応について書いていこうと思います。
私は伺かユーザ歴21年、デベロッパー歴20年の初心者なのですが、伺かに初めて触れた時の感動の一つに「切り替え反応」の存在がありました。他人の創作物にこんなに低コストで簡単に関われる機会ある!?と思ったのを覚えています。今日はその切り替え反応について語ってみようと思います。
切り替え反応とは?
- 軽く説明
切り替え反応について念のために説明しておくと、ゴーストAからゴーストBに切り替えた・切り替えられた時に起きる専用のトークです。大体、切り替わる先もしくは切り替えられた先のゴーストについて一言喋るというものが多いです。ユーザとしてはゴーストAからたまたまゴーストBに交代した時に専用のトークをし始めるとちょっと嬉しくなります。デベロッパーとしては、好きなゴーストに切り替え反応をつける楽しさがあります。また、好きなゴーストから自分のゴーストに切り替え反応があることに気づいた時の興奮と感動はひとしおです。
切り替え反応が豊富なゴーストは沢山いますが、例えば「人体視願/ヴィイ」「なづな」「ロスト・ユー・サムウェア」「無限遠」「あったかいヒカリ」「無声慟哭」(それぞれ敬称略)などのゴーストがあります。ゴースト配布サイトに切り替え反応リストを用意しているゴースト作者さんも多いのでサイトを見てみるといいでしょう。
- うまく使えば話を広げられる
また、切り替え反応をうまく使ってゴーストのフェイズを進めたり、トークが増えたりする仕組みを用意しているゴーストもいます。例えば「想像書架」はじめjumeiさん作のゴーストには切り替えることでゴースト内のイベントが進むゴーストがあります。「ロスト・ユー・サムウェア」でも特定ゴーストに切り替えることでランダムトークが増えるシステムがあります。
私のゴーストでは、「マイマイトーカ」から「セージュとチロ」に交代した場合フラグが立って、マイマイトーカのランダムトーク内にセージュとチロの話が増えたりします。
このように他のゴーストをきっかけに様々なイベントを作ることもできます。
- 最小限のコストでできるコラボでは?
ゴーストAがつけてくれた切り替え反応に対応する形で切り替わり反応を作る。こちらが付けた切り替え反応に、ゴーストAの作者さんが切り替わり反応をつけてくれる。などということができるわけですが、これってコラボじゃない!?と私は思いました。こんなに低コストでできるコラボってそうない。伺かすごい。というわけで切り替え反応を推していきたいのですが……
- でも最近見かけないかも
最近切り替え反応ついてるゴーストを見かけなくなった気がしますし、私自身も最近作ったゴーストにはあまり切り替え反応をつけていません。次の項目ではその理由について探っていきたいと思います。
なぜ見かけなくなったか?
- 純粋に知らない
まずはじめに、純粋に切り替え反応の存在を知らない人もいるかもしれません。先に挙げた切り替え反応の多いゴーストを立ち上げてみて「こんな感じなんだー」というのを知っていただければと思います。
- 純粋に大変
切り替え反応を作るためにはそのゴーストについてある程度の知識がいります。間違えがないように、と思うとそれなりにそのゴーストを立たさないといけないし、それなりに面白くしようと思うとエネルギーがいります。
- 遠慮
次に思い浮かんだのが遠慮です。
このゴーストに切り替え反応をつけたいけど……つけていいのかな、迷惑にならないかな? とか、考えて付けにくい、わざわざ付けないということもある気がします。
- ゴーストの数が増えた
昔と比べゴーストの数も種類も増えました。なので切り替え反応をつけていてもそのゴーストに交代されることがない・つけにくい・つけないということもあるのかなと思います。
- 個人を大切にする文化
ゴースト制作……もとい創作全般において個人で完結してしまう風潮が増えたのだと思います。これはもうどうしようもないのでこの話は終了です。
- 世界観的につけることが難しい
(上の項目除き)私はこれが一番でかいと思うのですが、昔と比べゴーストの在り方も変化してきたように思います。昔は「伺か」という共通の世界に存在するゴースト(自分がゴーストであることをある程度自覚しているゴースト)が多かった気がするのですが、今は「世界観やストーリーがあってその中にゴーストがいる」という、世界観があるゴーストがメインだと思います。そうなると「世界観を崩さずに切り替え反応をつける」ことが難しくなります。また、先の項目の遠慮にも繋がるのですが、自分のゴーストが相手のゴーストに切り替え反応をつけることで相手のゴーストの世界観を壊す(またはネタバレしてしまう)ので切り替え反応をつけづらいという難しさもあるのではないかと思いました。そこで次の項目ではそれについて考えてみようと思います。
世界観的に難しい中で切り替え反応をつけるために
- 方法 1: それらしくチャッとやる
なんかニュアンスでいい感じにぼかしながらうまいこと反応を作る。それができる人はそうして下さい。結構みんなそうやってる気がしますがその能力はすごいです。
- 方法 2: ユーザから聞いた話にする
ゴーストAとBとつなぐ存在。それがユーザさんです。そのユーザさんから該当ゴーストのことを聞いた。これが一番話を作りやすいと思います。ある程度のネタバレも、ユーザさんがしゃべったなら仕方がない……となります。ただ、ゴーストによってはユーザさんの存在が希薄・ないというものもあるかと思います。
- 方法 3: ここだけ異空間ということにする
そこで考えられるのが切り替え反応の空間だけ異空間にするというものです。切り替え反応のシーンだけ異なる空間、異なる次元で行われている。ボーナスステージみたいなものです(?)。説明が難しいのですがあえてどの空間で行われているのか境界を薄くするような感じです。
4.切り替えを付けやすいパターン
- 自分のゴースト同士
自分のゴーストなので特に遠慮もせずに付けられると思います。切り替えることで起こるイベントやフェーズ進行なども付けやすいです。
- 同系統のゴースト
同系統のゴーストには切り替え反応をつけやすいです。例えば拙作の「月子」はユーザラブゴーストなので、他のユーザラブゴーストに切り替え反応をつけやすいです。また、「月にまつわる」「人工知能」設定のゴーストには切り替え反応をつけやすいと思います。また、エロゲについての雑談をする拙作「無生殖の墓場で」は、エロゲ屋の店長さんとお話しするゴースト「とあるエロゲ屋のお姉さん」に切り替え反応をつけていますし、色について話すゴースト「いろのこころ」では、同じく色をテーマにしたゴースト「色缶製作所」へ切り替え反応をつけています。
- 同じ企画参加のゴースト
例えば、異形頭ゴースト祭に参加させていただいた拙作「メリー・ゴー・ガール」では、他の参加ゴーストに切り替え反応を用意しています。このように共通項があると切り替え反応をつけやすいです。
ガイドライン
最後に切り替え反応増えろ!という願いを込めて切り替え反応にまつわるガイドラインを私なりに考えてみました。それがこれです。こちらはご自由にコピペしてお使い下さい。引用元の表記も必要ありません。
切り替え反応にまつわるガイドライン
1.(ゴースト名)に切り替え反応をつけていいか?
2.つけた時に報告がほしいか
3.切り替え反応をつける時に気をつけてほしいこと
サンプルとして拙作「かたつむ流」「only friend」のガイドラインを挙げてみます。
「かたつむ流」
かたつむ流に切り替え反応をつけていいか?
大歓迎です!つけた時に報告がほしいか
なくて構いません。更新履歴か何かに反応を付けたよ、と書いてもらえたらこちらもそれに対応させていただくかもしれません。切り替え反応をつける時に気をつけてほしいこと
特にありません。ちなみに自身がゴーストであると自覚があるゴーストです
「only friend」
only friendに切り替え反応をつけていいか?
つけた時に報告がほしいか
「かたつむ流」と同じです。切り替え反応をつける時に気をつけてほしいこと
コウコが本性を見せる相手はユーザさんだけで、あとはいい人のお面を被っているという設定なので、個人の本性を見る能力がないゴーストの場合、コウコの本性を知らないということにしていただけると助かります。でもユーザさんが喋った・見抜いた・なんか知らないけど知ってるというのは全然アリなので特に気にせずに付けて下さい。
こんな感じです。
おわりに
今更なのですがこの記事では切り替え反応を作るノウハウや技術的な面には一切触れていませんでしたね……。技術については里々wikiやUKADOCなどを参考に作ってみて下さい。そしてノウハウですが必要なのは「このゴーストなら相手ゴーストのこんなところが気になってこんなことを言うだろうな」という想像力や、相手ゴーストへのリスペクトだと思います。
伺かには色々と他にない面白い機能が沢山あってその一つが切り替え反応だと思います。ありがとう切り替え反応。切り替え反応フォーエバー。というわけで長くなりましたがここで終わります。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。