ヘアメイク、フォトグラファーはどこまでのしごとが必要なのか。ポートレート・ビューティ撮影の心構えと準備と行動。
ヘアメイクの仕事ってどこまでが仕事だと思いますか?
カメラの仕事ってどこまでが仕事だと思いますか?
一般的には
・ヘアスタリングする人
・メイクする人
・写真を撮る人
このくらいですよね。
今回はここまでこだわらないといい仕事、いい写真、いい仕上がりにならないよと私が思うそれぞれの仕事を細かく書いていこうと思います。
***当日までの準備***
*ヘアメイク
モデル(被写体)の情報をしっかり調べる。できれば動画で。今の時代基本写真はいいところしか使いません。動画が一番当人の姿がわかります。見つかるまで探しまくるくらいの下準備をしても良いくらいです。
モデル被写体のできる限りの情報をSNSやブログ等を見て調べておく。
何もやっていないモデルさんはほぼいません。被写体の情報は知っておきましょう。これが当日生きてきます。
ファッションやビューティの撮影の場合は、撮影資料や必要ならスタイルの練習をしておく。ぶっつけ本番でできるくらいのキャリアがあればいきなり作ってもいいと思いますが、狙ったスタイルを作るのは相当難しい。1度でもいいので練習したほうがいいと思います。
*フォトグラファー
モデル(被写体)の情報をしっかり調べる。できれば動画で。今の時代基本写真はいいところしか使いません。動画が一番当人の姿がわかります。見つかるまで探しまくるくらいの下準備をしても良いくらいです。
モデル被写体のできる限りの情報をSNSやブログ等を見て調べておく。
何もやっていないモデルさんはほぼいません。被写体の情報は知っておきましょう。これが当日生きてきます。
ここまでは同じ。
写真の場合は撮影の為に資料を作ることもあります。クライアントもしくはArt directorが作っていることもあります。
ロケ撮影の場合は、被写体、衣装に合わせたロケハンとモデルに合わせたポージング諸々の準備。
スタジオ撮影の場合も同じ。
ファッションスタイリストがつかない場合は衣装の打ち合わせもフォトグラファーがします。コンセプト、モデルに合うように打ち合わせ。
Moodboadというのがあります。撮影時にはそれを作っていることが多いです。コンセプト、ビジュアルイメージ、モデルイメージ、ポージング、ヘアメイク等々。考える限りのその撮影のイメージをビジュアルで伝えます。その資料作成もすることが自身が主な場合はあると考えていていいでしょう。
***撮影当日***
モデルさんが来るまでの準備。
*ヘアメイク・フォトグラファー共通
モデルの情報を前日までに調べていることを前提に、好きなもののケータリングの用意を必ずする。ドリンク、食事、フルーツなのかパンなのか、ベジタリアンなのか等言い方は悪いですがちょっとしたストーカーくらいの勢いで当人の好きなものを準備しましょう。それだけで最初のきっかけが生まれます。特にプロはあるものだと思って現場に入るのでないときの、もしくはあったとしても私はこれはいらないな〜というものばかりだとテンションが下がります。そのテンションが一日に影響します。
クライアントがいる場合は用意してくれますが、ヘアメイク・美容師が主の撮影の場合は美容師がクラアントです。しっかり準備しましょう。
クライアントが現場に居ない場合はフォトグラファーがすべての経費を担うくらいの意気込みで準備します。すべてをまとめるのはフォトグラファーの仕事です。
*モデルさん到着後、仕込み中撮影が始まるまで。
ヘアメイク
全てのフォローはヘアメイクがするくらいの行動を。
寒さ暑さ対策、日差し対策、飲み物やその他フォローできる行動すべて。やりすぎて嫌な人はほとんどいません。しっかりやりましょう。やりすぎるのが苦手な方は接していればわかります。そのあたりは空気を読むのもヘアメイクには大きく必要。
その他、行動の癖、耳に髪をかける行動を良くするのか、タバコを吸うのか等々撮影時に関わることはこのあたりでしっかりと把握していきます。
フォトグラファー
撮影時のコミュニケーションのきっかけはヘアメイク中が一番取りやすいです。撮影に入る前にきっかけを作りに行く。
一緒に話すのも一つ。
癖や行動をこの時にチェックする。
今回の撮影の流れやイメージ等、AD(アートディレクター)や雑誌編集さん、クライアントがいない場合は主にフォトグラファーが伝える係です。ファッションの場合はスタイリストの場合もある。
全体のイメージをしっかり共有し、撮影までに不備の無いようにしっかりと。
*撮影が始まったら。
ヘアメイク
着替えのフォローもヘアメイクの仕事の一つと思っていてOK。
髪が邪魔なら着替え前に何とかする。メイクも同じ。女性ならフィッティングを手伝うくらいの気持ちでフォローしても良いと思います。
疲れていることや、会話の有無、暑さ寒さ、その日の空気を作るのもヘアメイクが大きく担っています。
撮影中にヘアメイクの仕事をしっかりやるのは当たり前なので割愛しますが、今の世の中モニターに投影しながら撮影を進めることも多いです。だからこそモニターでチェックするのが当たり前になりすぎています。これが悪いとは言いませんが、モニターで仕事していてはうまくならないと思っています。モニターを見なくてもしっかりキレイに、かわいく、かっこよく作れることを毎回目指していてそんはありません。
フォトグラファー
モデルさんが動けるのか動けないのか、撮影のコンセプトと合うのか、しっかり理解して全体を見ながらビジュアルと流れを作ります。
私の場合は、特にはじめてのモデルさんの場合はよほどの指定がなければ、コンセプトとイメージをモデルさんに伝えてから最初の撮影ではポージングの指示は大まかにしかしません。どのくらい動けるのか、どんな表情を作れるのかを知りその撮影をどのくらいの幅で行えるか知るためです。
*撮影終了後
ヘアメイク
最後にメイクを落とす場合とそのままの場合色々あります。モデルさんの希望を尊重して、気持ちよく帰れるように。
フォトグラファー
ここで仕事の半分がやっと終わったという感じ。
・撮った写真のセレクト
(クライアントや用途に寄って選ぶ方法は様々です、雑誌なら編集さんが最終セレクトを、クライアントがいればその方が、フォトグラファーが流れを組んで選ぶ場合もあります。テスト撮影の場合はそれぞれが欲しいものをいいバランスで)
→ セレクトしたものを現像、レタッチ。
→ 仕上がったものを納品。
我々がいつも行っている撮影で何をするのか、何を考えているのかを書き出してみました。仕事として受けている人たちがどのくらい仕事をしているのか少し垣間見えたでしょうか。
ヘアメイクと言ってもほんとに様々です。
ギャランティも様々。1現場5千円で受ける人もいる。3万円の人もいる。10万円の人もいる。100万円の人もいる。私は全部経験しました。師匠は1現場500万ドルの仕事もありました。
フォトグラファーもしかりですね。
どのくらいの報酬をもらい仕事をしたいのか。価格が上がれば上がるほど求められる形は変わってきます。こだわりまくってなんぼですね。