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写真展を終えて

写真展が終わり来場者の方々から頂いたコメントを読んでいたところ、医療従事者の方からの言葉に目が止まり、それを読んでいたら熱いものが込み上げてきました。
僕らは少しずつ海へ向かっていますが、色々な事情でまだまだ海に行けない人たちの声、その方々からの感謝の言葉ほど嬉しいものはありません。

今回の写真展を計画していた5月頃は全く先が読めず、写真展の開催時期を9月、10月に決定したのも半分以上は希望的観測でした。
もし写真展が中止になったら……販路を失った自費出版の写真集が、家の中に高く積み上がったままの様子を想像して眠れない夜もありました。

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ちょうど少し落ち着きを見せた9月以降、東京の写真展には沢山の方が日々ご来場くださいました。
海好きの皆さんから「久しぶりに海に触れ海中の感覚を思い出すことが出来た」といった声を多く頂き、ある医療従事者の方には「コロナで荒んだ世の中に明るい未来を見せてもらえた」という身に余る言葉までも。
様々なご苦労と制限のある日々の中で、僕の写真が少しでも役に立てたのかもしれない。
イベントを開催するというのは賛否両論ある中で、このような声を多く頂けたことは、今だからこそ写真展を開催した意味があったのだと強く思う事が出来ました。

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「写真」は動画などに比べると情報量が多くありません。
情報に溢れた現代においてそれはネガテイブにも捉えられてしまうものですが、情報が少ないからこそ想像力をかき立てて、狭い写真展会場から大海原へだって行く事が出来るのです。
僕が出来ることは旅をして、そこで見つけた心震える瞬間を切り取って、それを提示すること。
そこから先は見て下さったみなさんの旅の始まりです。
写真で出来ることがまだまだあることを改めて実感しました。

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自粛期間中の静まりかえった裏山を登りながら、妻と印刷する冊数を相談していた時に、僕が出した500冊という数字に、山々に響き渡るぐらいの大声で「それは無理!!!」と一刀両断されたその数字も、発売から2ヶ月弱でなんとか越える事が出来ました(笑)
しっかりと利益を出しながらより良い表現を追求し続けることは、後から続く写真家たちへの希望にもなると思います。
過去を常に超えられるような表現を目指して頑張って行きますので、これからも続く僕の写真表現の旅にお付き合い頂けると幸いです。

次の写真展は2021年3月20日から、ペンギン好きの聖地!長崎ペンギン水族館で開催します。
フォークランド諸島で撮影したペンギンたちの写真を2ヶ月半に渡って大々的に展示しますので、ぜひご期待ください。

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