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オーストラリア医学部攻略への道 3: MMI(面接)について

さて、ここまで頑張ってGPAとGAMSATをパスしても息を抜くことはできません。医学部入学選考において、GPAは25%、GAMSATも25%の割合で評価されるのに対して、面接が最も大きな比率である50%を占めます。なので、面接は医学部受験において非常に重要であり、良いGPAとGAMSATスコアを持っていても、面接で失敗すると落とされる可能性があります。
しかしながら、適切な対策と練習をしっかりと行えば、面接は受験者にとって大きな強みになり得ます。実際の体験から、あまり対策していない高得点受験者よりも、しっかりと対策をしていた受験生が受かっていた印象があります。


面接について

医学部の面接は「Multiple Mini Interview(MMI)」と呼ばれる形式で行われます。MMIは通常、5〜8のステーションで構成され、各ステーションで5〜10分程度のミニインタービューを受けます。MMIの具体的な形式や問題の傾向は大学によって異なるため、事前に要チェックです。面接の所要時間は大学によって異なりますが、一般的に30分から2時間程度です。

MMI対策

医学部のMMIはYoutubeやネット上にたくさん例題があるので、それらを練習に使いました。MMIは他の国の医大受験でも使われてるので他国の医大向けのMMI 練習問題なども活用できます。

一般的にMMIの内容は主に3つあります。

  1. Scenario questions 
    短いシナリオを読み、それに基づく約3〜5問の質問に回答します。頻出です、重点的に練習しましょう。この類の質問では各登場人物「Stakeholders」の問題「Issues」を明確に理解しそれに対しての解決策を考えることが重要です。詳しくは後述します。

  2. Personal questions
    自己経験や志望動機に関する質問が含まれます。例として「なぜ医師になりたいのか?」「あなたの強みと弱みは?」「この大学を選んだ理由は?」などがあります。自信を持って論理的に答えられるように準備することが重要です。

  3. Problem solving questions 
    グラフを読んだり、パズルを解いたりします。問題が解けるかどうかはあまり重要ではなく、問題解決過程での思考プロセスを明確に言語化して伝える能力が問われます。一部の大学でしか出題されないので、対策の必要があるか要チェックです。

Scenario questionsについて

Scenario questionsでは主に倫理、行動面、科学的知識、公衆衛生知識について質問されます。

  • 倫理に関する質問
    倫理的な問題解決方法、性差別、人種差別、窃盗、学校や職場でのハラスメントなどについて問われます。
    回答する際には4つのMedical ethics: Autonomy, Beneficence, Non-Maleficence, Justiceを理解し適用することが重要です。一見答えがないように思える難しい質問に遭遇した場合でもこの4つの柱を元に考え、回答しましょう

  • 行動面に関する質問
    道徳心、価値観、与えられた状況への対応方法などが問われます。個人的には、LeadershipとEmpathyを示せることが医学部面接においてとても重要だと思います。

  • 科学的知識に関する質問
    科学的な単語や概念(例:細胞、ワクチン、酵素、薬剤耐性菌)を科学知識のない一般の人に分かりやすく説明する能力が求められます。アナロジーを使用して説明する方法が効果的です。

  • 公衆衛生知識に関する質問
    オーストラリアまたは世界における健康問題 (例:肥満、地方医療、反ワクチン運動、喫煙、保険制度) について質問されます。

登場人物が多い問題では、それぞれの立場(例えば患者、医師、患者の家族など)に焦点を当て、その視点からの問題点を特定しましょう。その上で、医学倫理に基づいた解決策を提案することが重要です。特に、患者にとって最も適切な解決策は何かを慎重に考えることが求められます。

例題1:
You are a GP in a rural clinic. A long-time patient, a farmer, is hesitant about getting vaccinated against a new strain of SARS-COVID19. Despite previous conversations, they continue to express concerns based on misinformation. Today, they have come for a routine check-up and brought up their vaccine hesitancy again.

1.How would you explain what a vaccine is to this patient? 
2.What specific reasons might be behind this patient's reluctance to get vaccinated? 
3.If the patient remains unwilling to get vaccinated after your explanation, what steps would you take next?
4.What unique health challenges do people in rural areas of Australia face?

例題2:
You are working as a genetic counsellor. A client named Amanda, who has a son with a genetic disorder that poses a significant risk of recurrence in future pregnancies, has come to you for advice. You suggested genetic testing for Amanda, her husband, and their son to gain a better understanding of the condition. The family consented to this testing. The results revealed that the mutation responsible for the disorder was not present in either Amanda or her husband but was found in the son's paternal chromosome. This indicates that the biological father of the son is someone other than Amanda's husband, and this individual is likely unaware of carrying the genetic mutation. It appears that Amanda and her husband may not be aware of the non-paternity situation. As their counselor, you need to consider how to share these results with Amanda and her husband thoughtfully and ethically. What principles should guide your approach in this sensitive matter, and what factors should be considered to ensure the welfare and best interests of all parties involved? 

面接の練習に慣れてきたら、特に回答時間に注意を払うことが重要です。多くの大学の面接では回答時間が限られているため、限られた時間内で伝えたいことを的確かつ効果的に表現する能力が必要です。短い時間で要点を絞り、明確に伝える練習をすることが、面接時のパフォーマンス向上につながります。
具体的な練習方法としては、タイマーを使って制限時間内での発言を練習することはもちろんのこと、短いエッセイのように回答を構成し発言できるようにしましょう。練習を重ねることで、面接時の自信と表現力が向上し、制限内でも印象的かつ内容の濃い回答が可能になり、面接官に良い印象を与えることができます。

おわりに

医学部を目指すにあたって自分が一番重要だと感じたのは「計画」です。Udergraduateに入る前から自分の行きたい大学を出願するにあたって、何が、いつ必要なのか、しっかりと計画していくことをお勧めします。医学部入学は他の学部よりも競争が激しいので、GPA、GAMSAT、 MMI と三つともバランスよく良い点を取ることが合格への鍵です。特に、大学の成績は一度取ってしまうとHonoursや院に行かない限り、取り返しがつかないので大学1年生の1学期目から真剣に取り組んでいくことが必要かもしれません。たとえもし、GPAが理想に達していなくても、GAMSATのスコアで逆転が可能な場合もあります。

オーストラリア医学部への道のりは厳しいかもしれませんが、堅実に一歩ずつ進めば、医学部入学は「Achievable」です。あなたの努力が実を結ぶことを願っています。頑張ってください。長文失礼しました。

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