【メルボルン大学で医学部を目指す学生へ】理学部と生物医学部の選択
サイエンスかバイオメドか
メルボルン大学に入学する際、医学部を目指す学生として理学部(Bachelor of Science)と生物医学部(Bachelor of Biomedicine)のどちらに進むべきか多くの学生が迷うと思います。特に、メルボルンを含め多くの大学で、両方の学部から医学部にアプライ可能ため、私自身も大いに迷いました。
以下に、それぞれの学部について感じたメリットとデメリットをまとめます。同じような境遇の学生たちにとっての参考になれば幸いです。
生物医学部(Bachelor of Biomedicine)にいくメリット
医学系の専門科目を学べる: 生物医学部のコースでは、医学系に特化した科目が学べます。特に、一部の科目はこの学部でしか選択できないため、医学部への進学を考えている学生にとっては大きな利点です。
医学部での学習に直接役立つ: 学部で学んだ解剖学、生理学、病理学、生化学などの知識は、医学部に進学した後、大いに役立ちます。
学習環境:多くの学生が医学部を目指しており、その熱心な勉強姿勢は切磋琢磨の環境を生み出します。同時に、課題やグループワークを通じて他の学生との仲を深めることができ、共に学び合うことができます。また同じ目標を持つ仲間とのネットワークを築くことは、学業の成功はもちろんのこと、将来の医学部進学やキャリア形成においても貴重な資源となります。
生物医学部にいくデメリット
成績を取るのが難しい: 医学系の科目は他の分野に比べて難易度が高いことが多いです。また、多くの学生が好成績(H1)を目指すので、学部内での競争が激しく、H1が取りにくいです。
科目選択の自由度が低い: 理学部に比べて、科目選択の幅が狭いため、学習の柔軟性が制限されます。他の分野(数学や物理など)に興味があっても履修できないことがあります。
キャリアの選択肢に制約: 卒業後に医師や研究者以外の職業を目指す場合、学んだ内容が直接役立たない可能性があります。
理学部(Bachelor of Science)にいくメリット
科目選択の自由度が高い: 理学部では、数学、情報学、工学、物理、化学、生物、地学など幅広い科目を選択し専攻することが可能です。また、理学部でもバイオメドと同様に、医学系の科目を選択または専攻することができます。
多様なキャリアの選択肢: 医師や研究者にならない場合でも、例えば情報学や工学系の科目を専攻し、それらの分野での就職が可能です。
一部の科目が簡単: 特に工学や地学などの一部の科目は生物系の科目と比べて比較的、課題が簡単で、H1を取りやすいです。また、数学、物理、化学が得意な方はそれらの科目でH1を取りやすいです。
理学部にいくデメリット
医学部志望の仲間を見つけにくい: 他の医学志望の学生から情報を得るのが難しくなる可能性があります。また、多くの学生が高いGPAを必要としていないため、周りと同じペースで勉強していると十分な成績を得ることが困難になる場合があります。特にグループワークは大変です。
医学部に進んだ後の挑戦: 医系の科目を選択していない場合、医学部に進学した後にゼロからのスタートとなり、バイオメドの学生より苦労します。
前提科目(prerequisites)の必要性: 一部の大学、特にクイーンズランド大学医学部などは、理学部卒業の場合、一年の生物や二年の生理学などの特定の科目を履修することを必須としています。
以上が私の考える、主なメリットとデメリットです。
おわりに
入学前、私は複数のバイオメドの友人から「絶対にサイエンスの方がいい」と言われたのでサイエンスに行きました。結果的に病理学を専攻しながら、自分の得意な数学や天文学などを取り、成績を維持することができました。
一方で、生物医学部に進む最大のメリットは、同じ志を持つ学生とのつながりが深まることだと思います。バイオメドでは科目選択の自由度が低いため、大学生活を通じて比較的同じ顔ぶれが多くり、友達を作りやすいです。また、多くの学生が医学部へ進学するので、その後も長い付き合いが期待できます。
最終的に、医学部への進学において最も重要なのは、高いGPAを維持することです。ほぼ全ての科目で最高の成績(H1)を取得する必要があります。その上で、自分のキャリア目標や学習スタイル、そして興味のある分野を考慮して、どの学部に進むかを決めることが重要になります。
私の経験が、これからメルボルン大学に進学し、医学部を目指す学生たちにとって、何らかの参考になればと思います。