建築業界とディスプレイ業界の違い
一般的な工事現場というと、建築工事現場のような仮囲いがされた中で工事をしているのをイメージする人が多いかと思います。
工事期間もマンションやビルですと2〜3年かかり、長期間その場所で工事が行われます。
現場の環境に関しては、多くの職人さんが出入りする関係で職人さんの詰所という休憩所や喫煙所を仮設のプレハブで設けます。現場監督のほかに事務員の方もいるので、仮設事務所を建てて擬似オフィスのように職場環境は万全に整えます。
ディスプレイ業界の特徴
ディスプレイ業界はそんな建築業界とは異なり、工事期間が短くて、現場が狭く、人の出入りが激しいのが特徴です。
ディスプレイ業界とは店舗の内装や、サイン・広告、イベントや展示会など空間を媒体に設計から施工までを請け負う業界で、建築現場であればC工事業者として現場に入るときもありますが、元請けとして直接クライアントから工事を請けるときもあります。(さらに詳しいディスプレイ業界の説明はこちらから)
現場事務所なんてあるほうが珍しく、リースの長机1つあればまだ良い方。安全書類を保管する鍵付きのキャビネットを用意するお金もスペースもない現場では、職人の個人情報が書かれた用紙がテーブルの上に平気で置いてあります。プライバシーもあったものではありません。
つまり管理をする上での事務仕事をする現場環境がとても悪いのがディスプレイ業界の施工現場なんです。
車の中で書類を書いたり、ご飯を食べたりくることなんてしょっちゅうありますし、ハイエースの中で一夜を明かしたこともあります。
こんな経験しない方が良いので、したからというマウントを取っているわけではありません。
ディスプレイ現場の働く環境
また、店舗系の施工現場だと夜間工事が多く、時には昼夜逆転の生活をすることもあります。
商業施設内の1つのテナントの改装工事なんかだと、みなさんよく街中で化粧ボードでが囲われた壁を見たことある人もいるんじゃないでしょうか?
その仮囲い中で夜間だったり、昼間でも音が出ない工事とかやってます。
その音が出るでないというのが結構注意するべきポイントで、工具を使った音が出るような作業は大体夜中に回されます。その他埃がでるような解体の作業や、塗装する時に発生するシンナーの異臭など、他の店舗の営業に影響が出る工事はどうしても夜間に行わなければならず、その調整が本当に大変なんです。
一度私が経験した、ブライダルホテルのレストランの改装工事では、基本日中に工事をしてokという条件だったんですが、下階で行なっている挙式や披露宴の最中は音出しNGと言われていて、毎週店舗から挙式の予定表をもらっては、今日は音出し工事13:00〜16:00までNGだから午前中にやっちゃおう!という指示を職人さんにしてたりしました。
それでも工事によってはどうしてもここでこの部材を固定しておかないと次の工事に影響するし職人さんも何度も来てもらうわけにはいかないのでめちゃくちゃ気を遣って作業をしてました。
現場監督の仕事とは
「職人が仕事をする環境を整えるのが現場監督の仕事だよ」というのを1年目の時に協力会社の職長さんから教えてもらったのが私にとっては財産でしたが、そうもいかないの現場が多かったのが事実で、お客さんと調整するのに苦労をしました。
ディスプレイ業界では建築現場で使われているような指紋認証や顔認証などの機械を設置する場所もコストもない現場が多いです。そのため現場の入退場を管理するのに毎回紙での管理になってしまいます。
建築業界が大手ゼネコンを筆頭に現場のDXに力を入れていますが、ディスプレイ業界はDXの進みが遅いです。そんな課題を解決するために私は現場の声に寄り添い続けたいです。