新規入場者調査票はなぜ書かないといけないのか
そもそもSHO-CASEの開発にきっかけとなったことが
「新規入場者調査票」を毎回書いてもらうのがめんどくさい
これ1回登録して、使いまわしができればめっちゃ楽になるんじゃね?
というのが一番の始まりでした。
「新規入場者調査票」とは
「新規入場者調査票」とは現場に入る作業員の緊急時連絡先の把握を目的としたり、安全衛生管理のために提出してもらう調査票です。
その用紙に記載をしないといけない事項は以下の通りです。
以下、全建(通称:全国建設業協会)が無料で提供している「新規入場者調査票」の用紙です。このフォーマットをベースに各社独自で作成している会社が多く、このフォーマットを運用している会社も少なくありません。
一般的な建設現場では、その現場に新しく入ってくる職人さんに対して、用紙を渡し、現場事務所で記入してもらい、記入内容に相違がないことが確認出来たら(抜け漏れのチェックなど)、現場監督がその用紙を会社ごとにファイリングして管理するのが通常の運用の仕方です。
私の前職の会社では「新規入場者アンケート」という呼び方をしていました。中身は「新規入場者調査票」と変わりません。
理由①
一般的に労働災害が起こる確率として、現場のルールを知らない及び前後の出来事や慣習になれていない人=新規入場者、が事故を起こす確率が高いとされており、(中小建設業特別教育協会より引用)
建設現場では「新規入場者教育」という、新規入場者に対して現場の状況、工程など細かな内容を教育しなければらないルールがあります。
危険が伴う仕事場だからこそ、人と人とのコミュニケーション(具体的には声かけや気遣い、気配りなど)が大事です。
そのためには作業員本人の名前を知り、名前で呼びかけてあげることが大事です。
建設現場には大変多くの人が出入りをし、現場で初めて会うということも日常的に行われます。
そのため、安全を管理する立場の元請けの現場監督は、現場に入ってくる人がどんな人なのかを知っておく必要があります。
そうすることで例えば以下のようなことが可能になります。
建設現場は大小様々な多くのリスクが存在する中で、初対面の人同士が危険を伴う作業をする仕事場でもあるため、「新規入場者調査票」を管理する意義は労働安全衛生法の観点を除いたとしても必須であると云えます。
もちろん、元々の知り合い同士でいつも仕事を一緒にしている人と現場が一緒になるときもありますし、昔現場で会ったことある人と数年ぶりに現場で再会することもざらにあります。
とはいえ、だからと言って「新規入場者調査票」を書かなくて良いとはなりません。その日の健康状態は日によって異なりますし、引っ越しをしているかもしれませんし、その方が離婚をしていたりしたら緊急連絡先も変わっているかもしれません(極端ですが・・・)
理由②
事業者は、労働災害等により労働者が死亡又は休業した場合には、遅滞なく、「労働者死傷病報告等」を労働基準監督署長に提出しなければなりません。
その用紙に記載をしないといけない事項は以下の通りです。
冒頭に記載した「新規入場者調査票」の記入項目と照らし合わせると
本人確認の項目を中心に5つの共通項目があります。
つまり「新規入場者調査票」を書かせておくだけで、事故によって仮に本人から聞き取りが出来なくとも、報告書の記入が可能になるということです。
まとめ
まとめると
新規入場者教育時に、「新規入場者調査票」を運用すべき理由として、
以上のコトから、「新規入場者調査票」の記入は、たとえ建設業に該当する現場でなくとも、人が労働をする建設現場においては、最低限の安全対策として「新規入場者調査票」の作成及び運用、管理をするべきと云えます。