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工務店・リフォーム会社におすすめ!中村流ブランディングメソッド

こちらは2011年ころに始めたブログを、コンサルティングサービスのための基本テキストとしてまとめ、お客さんへお渡ししていたものです。(2019年加筆修正)
内容は2022年向けの細かなアップデートが必要ではありますが、基本となる考え方やノウハウの大枠は、今読み返してもセンターピンを捉えていると思います。
安易な集客ノウハウではなく、関係者全員が末永くかつ楽に利益をあげられるための中小企業のためのブランディングノウハウとして、経営者の視点で書いています。

まえがき

中村がこのノウハウに至った経緯

中村のWEB集客ノウハウは、自身が経営するインテリア会社から2年間の育児休暇をとるために取り組んだノウハウです。
育児休暇をとるためには、まず何よりも集客が完全に自動化されている必要がありました。
実際に集客が自動化されると経営は安定し、わたしは月に1回自宅からテレビ会議をする以外は、2年間一度も出社する必要がありませんでした。(代表からも降り欧米式のスモールビジネスオーナーになりました)

そして次の目標は、起業した当初の目的であった実家稼業が廃業になったときに引き受けた負債を完済することでしたが、最終的には事業を売却することを出口と考えていました。
事業を売却するにあたって、オーナーが「がんばっている」事業には市場価値がほとんどないことは売りに出してみて気が付きました。
しかしそこは、前述の流れで幸運にもクリアができていました。
ただ、事業を希望額で売却するためには、発展性がある事業であることを示す必要がありました。
そこで、ウェブ集客という核はあったので、その集客をフリーランスのインテリアコーディネーターに振っていくという仕組みを考えました。
インテリア版ミニ楽天のような感じです。

インテリアというのは難しいビジネスで、とくに経営者がみんな苦労するのは、季節による売り上げの変動が大きいことです。
引っ越しシーズンの3月と年末はいいのですが、夏には信じられないくらい売り上げが下がったりするのです。
毎年3月には喜びつつも頭のどこかには8月の心配があり、とくに単純にモノを売るビジネスではなくプロによるコーディネートという付加価値を売るビジネスなので、人件費の負担が大きく、年中安心ができないのです。

わたしの新しい仕組みでは、そこが解決できていました。
インテリアコーディネーターは自営業として集客と仕入れを本部を通して賄い、利益は折半します。
そうすると本部は基本的な人件費の悩みから解放されます。
そしてインテリアコーディネーターは本業であるコーディネート業に専念でき、かつ収入も大幅に増えます。
そして経営者の悩みは人件費でしたがインテリアコーディネーターにも悩みがあって、それはハードワークなところでした。
お客さんとも密につながるため、パート雇用ではなく正社員として取り組まなければとても無理な仕事で、そうなるとたとえば結婚を機に仕事を諦めたりしなくてはならないのです。
しかしこの仕組みでなら、お客さんと密につながりながらも、基本的に自宅にいることができるのです。
育児しながらでも可能であることも、それまでのインテリア業界ではあり得ない働き方でした。

全国展開がほぼノーリスクで可能なそんな仕組みに事業を構築し直して、M&A市場へ出してみると、ホームセンターやIT企業などの上場企業3社を含むたくさんの企業から依頼をいただき、結果的に事業を希望額で売却することができました。

中村の個人的な動機とは?(少し余談が続きます…)

…となにか自慢のような感じになってしまいましたが、本当のことをいうとそうでもないのです。
「結果的にうまくできた」とは自分でも思いますが、でもそうできた理由は少し恥ずかしいもので、わたしがそもそも「経営が苦手」だったからでした。

とくに苦手なのがマネジメントで、夜も眠れないくらいの向いてなさでした(笑)。(実家稼業から引き継いだ負債の負担も大きくて、常にナーバスだったのもあったと思いますが。)
何十万円もするマネジメントセミナーへみんなで通ってみたりしたけれど解決できず、あるときわたしはついに「マネジメントに向いていないんだ」ということを認めざるをえなくなりました。

ただそうできたおかげで、マネジメントは諦め「仕組で解決しよう!」と割り切ることができました。
ビジネスゲームは楽しいけれど会社経営は嫌い…、という自分の性質が受け入れることができてからは気が楽になり、仕組みづくりに集中するようになりました。
「会社経営が苦手な自分にはこれしかない」と思って藁をもすがる気持ちで取り組んだことも、うまくできた要因かもしれません。

でも面白いなあと思うのは、仕組みができあがってからは、スタッフとの関係もなぜか改善したのです。
思い返してみると、ブランディングに惹かれて来てくれたお客さんは買う気まんまんで来てくれるので、みんな仕事が楽しかったのだと思います。
営業が主体だったときは、わたしは「みんなのモチベーションを上げるために会社に張り付いていなければ!」と思い込んでいて、それが原因で関係もぎくしゃくしたのですが、そうなってからはわたしはマネジメントをする必要がなくなってしまいました。(みんなも仕事は好きだけど営業活動などのプレッシャーが嫌なだけだったのかも)

中村流のブランディングノウハウの特徴

そのような経緯で経営に取り組んできたため、わたしは「ただ集客が増える」ことには、あまり興味が持てないんですね。
安易な手法はだれにとっても安易なので、永遠の忙しさと結婚するような仕事の仕方に感じてしまい、たとえ一時的にうまくいってもあまり喜べないのです。
どうせやるのなら、経営者が利益をあげられるだけでなく同時に自由にもなれ、従業員は仕事が楽になるだけでなく収入も増える必要があるとわたしは思います。
そしてみんながハッピーな状態であることによって事業が安定してしまうような美しい仕組みでなければ、努力する意味がないと思うのです。
やればやるほど積みあがっていく、楽になっていくタイプの仕組みが理想です。

この小冊子に書くようなブランディングが可能になったのはインターネットのおかげです。
これまでは中小企業が「ブランディング」というような言葉を使うこと自体がとても難しいものでした。
15年前なら、大金を払って新聞折り込み広告を打ち続けたり、ローカルテレビのコマーシャルを流し続けたり、それができないなら口コミが広がってくれることを祈ったりするくらいしかできませんでした。

たとえば「安心」というブランドイメージを見込み客に感じてほしい場合、広告に「わが社は安心安全です!」と謳っても、今どきだれも信じてはくれません。
新聞広告や、義務感で書いたブログやハウツー記事のような「ゴミコンテンツ」(残っていかないコンテンツをこう表現します)は、出した瞬間から効果は減っていき、次の週にはもう忘れられてしまいます。
本当に「安心」を伝えるためには、たとえば風が強い場所だったのでメーカーの施工マニュアルよりも基礎を少し深く掘ったんです…とか、雨が降ったので急いで現場へ行き資材をシートで覆ったんです…とか、そういう日々の実際の出来事をネット上にアーカイブとして積み上げていくようなことが、キャッチコピーでは決して伝わらないことを伝える現代の手法なのです。

戦略の方向性は各社様々だと思います。
・とりあえずはこれまでの延長で安さをアピールしながら、価格競争を避けるために徐々に安心イメージへ切り替えていく。
・これまでは営業活動や店頭で「一対一」で伝えてきた自分たちの良さ(USP、ブランドイメージ)を、ウェブ上で表現することによって「一対∞」にする。
・アップルや社長ブログだけで集客している工務店のように、社長のメッセージ中心で行く。そのために社長自身が発信する。

そしてそのためには、
・自分たちにはそもそもどういう良さ(USP)があるのか?
・これまでのお客さんはどこに惹かれて買ってくれたのか?
・それをまだ体験していない見込み客に伝えるにはどうしたらいいか?
・どういうコンテンツが必要か?
・どのくらい積み上げる必要があるか?

こういうことをその都度の「思いつき」ではなく、メンバーのキャラクターごとに役割分担をしたりしながら「戦略的」に進めるのが、中村式のウェブ集客…というよりも、これからの中小企業のための「ブランディングメソッド」なのです。

1.2019年中小企業が取り組むべき新しいWEBマーケティングとは?

これまでのWEBマーケティングの問題点

従来のWEBマーケティング手法をすべて理解している人でも、最近は集客に困ることが多くなりました。
その一番の原因は2011年から始まったGoogleのアップデートです。
これはパンダアップデートと呼ばれ、Googleの目的は不正な順位操作を排除することでした。

Googleはユーザーに有益な情報を検索上位に表示したいので、私たちが行ってきたSEO対策はGoogleにとってみればとても苛立たしい存在でした。
アップデート後、従来のSEO対策が通用しなくなっていきました。

するとみな考えることは同じで、残る選択肢はPPC広告だけとなってしまいました。
そんな会社がみんなPPC広告に殺到し、キーワードへの入札価格は一気に上昇しました。
その結果、体力のない会社は広告を続けることができなくなり、また続けることができる会社でも利益は上がらない…という事態に陥りました。
そして2019年現在もそんなPPC広告競争は続いています。

それともう一つ重要な流れは、コンテンツ量産競争です。
現在は、たとえばハウツー記事をたくさん書くようなサイトにアクセスが集まっています。

コンテンツSEOを理解する

そういった手法は「コンテンツSEO」と呼ばれ、Googleが急速に進化したおかげで可能になりました。
Googleは今、ユーザーに有益な、クオリティの高いコンテンツを上位表示することが可能になっています。

今では、良い記事を書いて適切に情報を拡散させることができれば、SNSの拡散力も手伝ってそれが上位表示に結び付き、SEO対策そのものになるようになりました。
現在のSEO対策は、Googleに好まれる記事を量産する手法がメインです。

2011年以前にSEO対策をがんばり過ぎたサイトは、Googleからペナルティを受けて消えてしまい、逆に淡々と記事を積み上げてきたサイトのアクセスが、とくになにもしていないのに増えるというような興味深い変化があちこちで起きています。

コンテンツマーケティングというブランディング戦略

しかし、ただ単にキーワードを入れた記事を量産するだけではサイトのアクセスが増えるだけです。
そしてアフィリエイターや大手企業のウェブサイトはそれでOKです。
ただ中小企業の場合は逆に無駄なアクセスは必要なくて、必要なのは「受注に結び付く」アクセスです。そういうアクセスを集める手法を、コンテンツSEOから一歩進歩させて、ここでは「コンテンツマーケティング」と呼びます。

これから中小企業が取り組むべき新しいWEBマーケティングは、そんなコンテンツマーケティングを活用した、「ブランディングのためのWEBマーケティング」です。
コンテンツに集客(コンテンツSEO)も任せるだけでなく、商談のクロージングまで任せてしまうコンテンツマーケティングとは、いま中小企業が使える最も強力なブランディング戦略です。

コンテンツマーケティングは、取り組んでいる人はみんなやりがいのようなものを感じていると思います。
ブランディングによる差別化で大手の競争から解放された中規模の住宅メーカー、社長ブログだけで有り余るほど会社を満たす集客を実現している工務店、表通りに店舗を持たずにネットだけで業績を伸ばし続ける不動産屋さんなど、私の周りだけでも多くの人が、穏やかに、そして楽しく成功しています。

中村流中小企業ブランディングとは?

中小企業のブランディングとは、コンテンツマーケティングによって、ユーザーがサイトを見ただけで購入を決意してしまえるレベルで、サイトコンテンツを構築していくことです。

まだ来店されてもいない、会ったこともないお客さんが、
「買ってもいい」
「ここで買いたい」
「ここしか考えられない」
と感じるコンテンツであることがポイントとなります。

そのくらいのパワーがあるコンテンツを、WEBマーケティング業界では、「キラーコンテンツ」と呼びます。

  • うちを選んでもらうメリットは何か?

  • 信頼感や安心感をどうやって伝えたらいいか?

  • 相性が合うことはどうすれば伝わるか?

  • ファンになってもらうにはどういうことを伝えたらいいか?

これらを満たすコンテンツが「キラーコンテンツ」です。

コンテンツマーケティングとは、自社を理解してもらうために作成するコンテンツを通してユーザーの信頼を獲得し、良質な集客を実現するためのマーケティング手法です。
それはいわば、社内最高の接客技術をウェブ上に再現するような試みで、サイトを訪れる膨大な数のユーザーに対して、社長自らが、もしくは社内のトップセールスパーソンが同時に対応するかのようなイメージで行います。

社長の思いは、誰かに話してもその会話が終われば、聞いた人の記憶とともに徐々に消えて行ってしまいます。
サービスを受けたお客さんの喜びや感動も、時間とともに消えて行ってしまいます。
しかしコンテンツマーケティングは、それらのソフトなことをコンテンツとしてウェブ上に積み上げていきます。
そのときに、「お客さんにどう感じてほしいか?」というところから逆算してコンテンツを戦略的に積み上げていく活動が、中村流の中小企業ブランディング活動です。

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