クルディスタン1

考えることが僕の仕事

noteを始めてみようと思う。色々悩み考えてきたことを、定期的にちゃんとシェアしたいと思った。

僕がキズキを立ち上げてから、もう8年が経つ。事業を始めたばかりのキズキには、ほんの数名の仲間しかいなかった。

(創業時、僕の誕生日を祝ってくれたインターン生たち)

けれども、8年が経った今、一緒に働く仲間は300名を超えた。

巣鴨の築50年アパートの一室から始まった不登校・中退者向けの学習塾「キズキ共育塾」は、年内には全国9校に広がる。

公民連携事業も増え、現在は、9つの自治体や大学からの委託を受けている。

また、今年4月には、うつや発達障害によって離職した若者に向けた新規事業「キズキビジネスカレッジ」も始まった。

就労移行支援事業(※)としてはめずらしく、マーケティングやプログラミングなどの専門スキルを学べる講座を用意して、離職期間をキャリアアップに向けたポジティブな時間に変えることをコンセプトに据えている。

これらの事業を通して、キズキが目指すことーー

それは「何度でもやり直せる社会をつくる」ということだ。

実は僕自身が発達障害の当事者であり、幼少期から対人関係をはじめとした様々な苦労を感じてきた。家族関係もうまくいかず、12歳からは親と離れて暮らすことになった。

また、社会人になってからは、うつによる離職も経験した。先の見えない絶望の中で「自分はなぜ生きているのか」を考え続けた時期もあった。

それでもなんとか踏みとどまることができたのは、「もう一度やり直したい」と願う僕に手を差しのべてくれた人たちがいたからだと思う。

キズキがミッションとして掲げる「何度でもやり直せる社会」は、過去の僕自身が熱望していた社会だった。だからこそ、キズキでは、このミッションの実現に全力を尽くしたい。

そして、苦しんでいる当事者の方々に対して、欺瞞のない会社であり続けたい。だから、僕は考え続けたい。

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このnoteを書き始めたのは、創業から8年が経ち、キズキの今まで悩んできたことやこれから考えていくことを、より多くの人と共有したいと思うようになったからだ。

「当事者にとっての『幸せ』とは何か」「事業を拡大すべきなのか。拡大することで現場への負担が増えてしまわないか」
これまでずっと悩んできた。

また、自分自身が当事者であることから、こだわりや思い入れが強く、それが事業を推し進める上でのネックになってしまっていた。今も時折、自分のこだわりで周りを振り回してしまうことがある。

でも、もしかすると、社会を良くしたいと願う人たちの中には、同じような悩みや葛藤を抱えている人も多いかもしれない。

だから、キズキがこれまで抱えてきた困難や葛藤、そこでの決断を伝えることは、もしかしたら誰かの何かの役に立つかもしれない。そんな気持ちから、これから少しずつ文章を書こうと思っている。

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僕はある時まで、社長の仕事を「事業を見ること」だと思っていた。でも、最近は、「考えること」だと思うようになった。今の現状を越えて、「あるべき企業の形」「あるべき社会の形」を考えること。

このnoteをきっかけに、社会の未来を一緒に見据え、議論をしてくれる仲間が増えてくれたら、嬉しい。

(※)「就労移行支援」とは、一般企業での就職や、あるいは仕事で独立する事を目指す障害者の方の、本人に見合った職場への就職・定着を目的として行われる、障害福祉サービスの1つです。

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