上司と部下のコミュニケーションギャップ解消にも役立つ?「抽象化」の意味
こんにちは!2021年になりました🎉
皆さん、今年はどんな年にしたいか、もうお考えですか?
目標をもって、ぜひ意義ある一年にしていきたいですね👊
さて年末年始の休暇中に、今の私の思考のモヤモヤを解決し得る良書に巡り合いましたので、読書感想文的にご紹介させていただきます。
『「具体⇆抽象」トレーニング 細谷功(PHPビジネス新書)』
➡こちらは「プロティアン・キャリア戦略塾」一期生同期の黄瀬さんよりご紹介いただき、冬休みの自己課題として読了しました。
(黄瀬さん、ステキな書籍をご紹介いただきありがとうございました!)
新書版ながら、非常に読み応えのある一冊。「抽象」という言葉が持つ「抽象的な」意味の分かりづらさについて、大変分かりやすく説明されており、部下育成やマネジメントに課題を抱えている私にとって「そうコレ!」という、膝ポンものの一冊となりました。
人間たるゆえん=「思考」であり「責任」である
人間の人間たるゆえんに、「思考」があると私は考えています。
外部からの「刺激」に即「反応」してしまうのは動物的行動であり、人間は刺激と反応の間に、「思考」ができるからこそ、人間たり得ると思います。
人間は、反応(=response)を選択することができる(=able)力を持つ。だからそこに、「責任」(=responsible)を伴う、ということと同じ話で、私は理解しています。
そしてこの「思考」する力が、今後のAI時代における生存競争の存否を分けると、著者は仰っています。
「具体⇆抽象」を行き来することで問題発見につながる
そしてその「思考」力をトレーニングするための方法が、「具体」と「抽象」を行き来することで真の問題を発見し、そして解決につなげていくという思考方法です。この思考回路を持つことにより、知的能力が劇的に進化するということです。
これまでの時代に求められてた思考は、いわゆる詰め込み型教育や終身雇用を前提とした「知識や経験の量や幅」(=横軸)でした。
しかしこれから一層求められるのが、上記で述べたように「具体⇆抽象」の行き来する思考力、つまり「抽象化スキル」(=縦軸)となります。これをシンボリックに表したのが、「具体⇆抽象ピラミッド」です。
では、「抽象」とは、どういうことでしょうか。
一言でいうと、「一言でいうと○○だ」と、物事の本質をギュッとまとめたような考え方です。(→この表現そのものが抽象思考です。)
では、具体的に、「抽象化する」とはどういうことか、箇条書きでご紹介します。
「抽象化する」とは?
①抽象化とは「まとめて一つにする」こと
②抽象化とは「線引きする」こと
③抽象化とは「一言で表現する」こと
④抽象化とは「都合の良いように切り取る」こと
⑤抽象化とは「目的に合わせる」こと
⑥抽象化とは「捨てる」こと
⑦抽象化とは「言語化・図解する」こと
⑧抽象化とは「自由度を上げる」こと
⑨抽象化とは「次元を増やす」こと
⑩抽象化とは「見えない線をつなぐ」こと
⑪抽象化とは「マジックミラーを破る」こと
⑫抽象化とは「Whyを問う」こと
⑬抽象化とは「メタで考える」こと
⑭抽象化とは「全体を俯瞰する」こと
→以上に「抽象化」のエッセンスが、ギュッと詰められていますね。
とりわけ私は、①「まとめて一つにする」こと、⑥「捨てる」こと(=「捨象(しゃしょう)」といいます)、⑦「言語化・図解する」こと、⑧「自由度を上げる」こと、⑩「見えない線をつなぐ(=関係をつなぐ)」こと、⑭「全体を俯瞰する」こと、このあたりが、会社の経営やマネジメントにも非常に役立ってきそうな考え方だなと、大変共感しました。
(それぞれの詳細は、同著内でご確認ください^^)
この思考法を応用すると、上司と部下でコミュニケーションギャップの把握に役立ち、さらに解決策発見にも繋がるかもしれません。
(「具体」と「抽象」の間には、「マジックミラー」が存在。上の立場にいる上司からすると「具体」は良く見えるが、下方の部下の立場からすると、「抽象」は見えない(理解しづらい)という問題がある、ということを念頭にコミュニケーションをとることが肝要であるようです。)
マネージャーの3大スキル(カッツの3能力)
ここからは余談です。
大学時代のアルバイト先でお世話になった、私の人生の師匠から教わった「マネージャーの3大スキル」。当時大学生の私にとって一番わかりづらかったのが、今回の主テーマである「抽象化(コンセプチュアル)スキル」でしたが、今回の読書にてようやくその意味を腹落ちさせることができました。
せっかくですので、この場で3大スキルをご紹介させていただきます。
ハーバード大学教授のロバート・カッツは、マネジャーの能力をテクニカル・スキル、ヒューマン・スキル、コンセプチュアル・スキル の3つに整理しました。(以下、グロービス経営大学院 、リクルートマネジメントソリューションズ 参照)
テクニカル・スキルは業務遂行能力や業務知識と呼ばれるもので、例えば会計担当者にとっての経理・財務の知識などがこれに当たります。
ヒューマン・スキルは対人関係能力とも呼ばれ、組織が協働して働くうえで重要なスキルです。具体的には、部下とのコミュニケーション力やモチベート力、交渉力、調整力などが該当します。
コンセプチュアル・スキルは概念化能力とも呼ばれ、物事を概念化して捉えたり、抽象的に物事を考えたりする能力とされます。
カッツはマネジャーの階層が上がるにつれ、テクニカル・スキルの重要度が相対的に下がり、コンセプチュアル・スキルとヒューマン・スキルの重要度が高まると考えました。
現在の読者の方は、上記のどのようなスキルを必要としていますか?おかれる立場により、求められるものも変わってくることでしょう。
課題と感じている部分は、読書からの実践など、意識して能力開発していきたいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今年も一年、皆さまと一緒に成長していきたいと考えております。
どうぞよろしくお願いします!